アスペルガーの館の掲示板

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[#4785] 本を読んで思うこと アリステイデス 05/3/13(日) 0:36 [未読]
[#4790] Re:本を読んで思うこと 西丸 05/3/13(日) 13:52 [未読]
[#4806] Re:本を読んで思うこと アリステイデス 05/3/13(日) 21:40 [未読]

[#4785] 本を読んで思うこと
 アリステイデス  - 05/3/13(日) 0:36 -

引用なし
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    最近、ニキ・リンコさん&藤家寛子さんの対談本「自閉っ子、こう
いう風にできてます!」をよく読んでいます。
 同時に、自分自身についてもあれこれ思っているので、今回はその
ことで書き込みます。

 僕の場合、感覚過敏はありません。「社会性」「コミュニケーション」
「想像力」の面での困難については、該当すると思われる特徴をいずれ
も持っていますが、この本で紹介されている事例に比べると、僕の場合
は程度が軽く、自分は定型発達的とも思えます。
 一方で、自分の経験との共通性も確かに感じるのです。主にそのこと
について。

 ここで、僕のもうひとつの面である、聴覚障害者としての経験に
ついて語りますね。

 僕は補聴器を使えば、かなり音声が聞こえます。健聴者に比べる
と、実は質的には大きな差があるのですが。聴覚障害を持っている
ことは小さい頃から知っていましたが、自分の障害が重いものだ
とは思っていませんでした。

 学校の授業であったくらいだから、音楽を聴く機会は昔からよく
あります。かつては、音楽の感じ取る能力に障害があるとは、全然
思いませんでした。自分でCDを買って本格的に楽しむように
なって、歌詞の聞き取りがときには難しいことに気づきました。
その後、好きな歌手のコンサートによく行くようになったのですが、
そこで気づいたことは、CDのとき以上に歌詞の聞き取りが困難で、
ひどい場合には、CDでは何百回も聴いたような曲でも、歌詞の
内容の理解どころか、今、その曲を歌っていることすら分からない
ことです。そして、よく言われる一体感なるものを感じないこと
にも気づいたのです。

 僕が音楽を聴くとき、それは美しくて楽しいものに感じられます。
でも、健聴者に比べれば、その音質は劣悪なんでしょう。そのことに
気づくまでに、とても長い時間がかかりました。

 自閉スペクトラムの話に戻ります。

 対人関係構築やコミュニケーションの難しさは昔からあったのです
が、他人と比べて不得意なことは分かっていても、他人との差は
あまり気にならなかったような気がします。
 ところが、自分から行動する範囲が拡大し、さらに社会人になると、
その影響を強く感じるようになりました。自閉スペクトラムに関連
する本を読んだりするようになって、世の中の多数派と大きく異なる
ことを知りました。

 聴覚障害を持っている者としての体験もあるので、「自閉っ子…」
の中に登場する、「自分の状態が普通だと思っていた」という話は
よく分かります。

 僕の場合も、自分に入ってくる情報はどうしても少なくなります。
情報を入手するときに、時には多大なエネルギーを使います。

 音楽は好きですが、流行には無関心で、自分の好きな歌手たちに
集中して楽しんでいます。しかも、一度ファンになったら、ファン
を辞めません。広い範囲で、いろいろ聴いてみる余裕はなく、魅力を
感じる範囲も狭いので、そうするのが最も有利なんでしょうね。
 
 自分のこだわりにもそれなりの理由があるんだ…。

 障害とは、単に「あることができない」だけではなく、その人に
とっての、世界の見え方に影響を及ぼすものだと思います。 
 
 聴覚障害、アスペ的傾向を持っているので、障害を持っていること
について深く考えますね。
 30代に入ってから、自分自身の正体を知ったという気分がするの
ですが、これからどうやって生きていけばいいのか、模索が続きます。

[#4790] Re:本を読んで思うこと
 西丸 メールホームページ  - 05/3/13(日) 13:52 -

引用なし
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   こんばんわ、
人生って色々考えていけるほうが
そうでないよりもしあわせなこともあるのじゃないか
そう思います

私の場合はかなり強い感覚過敏があり、
30過ぎるまでは人の言っていることが雑音の中にあって
よく聞き取ることが出来ず、医者の業界の中では
全く適応できませんでした。
大学生時代は「統合失調症」と間違われることも
クラスメイトとはほとんど口を利かず
数少ない友人からは「西丸さんには僕たちの見えないものが見えている」
この友人も変わっていましたが、
おそらく「表情の読みすぎ」のことを言っていたのかもしれません

私も他に障害を抱えています
IDDMという持病さえなければ麻酔科医という
かなり重度のASでも出来る道を選ぶつもりでした。
(対人関係が単純な一方重労働。孤独に強い人間は適職。)

大学を卒業して、医者になりたくなくて色々
ギリギリ生活を送って聴覚の過敏は
「お金を稼がないと死ぬ」という極限状況下で
少し良くなって…しかし精神的にはぼろぼろになり
しばらくのリハビリが必要でした。

結論としてはかなり自閉傾向が強い人でも
職場を選べば勤まる精神科を選びました。
倒れてやめるときに
麻酔科時代の友人にアドバイスされたからです

入局してしばらくは極限生活のクセがついて
適応できずしばしばパニックに陥り
「境界性人格障害」という誹謗中傷まで頂きました。
ところがそれをみていた助教授に
突然呼び出され、「躁うつ病だから治療しなさい」
となり、薬を飲むことになりました
パニックは薬で収まったとは思いません
ただ慣れただけで、
主治医の栄転とともに私も市中病院に転勤し
次の主治医はやや変わった人物ですが
唯一私と会話が成立した人物を選びました
医局長が本来がベストの主治医でしたが
私は味方を多くする方を選びました

診断からのやり直しでしたが
「境界性人格障害」については完全に否定され
現在は医局内でも「不器用なだけの人」と認識されています
躁うつ病についても、ある程度調子のいい時も
一貫して人と交われないこと、独特の雰囲気から
児童精神科を勉強している医師からは
(看護師の経験のある女性医師)
非公式に「自閉傾向のある人」と見られていて
医局長もその分野なので、非公式にですが
「自閉症」としての勤務先の相談に乗ってくれました。
主治医はその辺を余り勉強していないあるいは見ようとしないので
「過集中と不注意がある、対人関係はおそらく限られる」
といいつつも意地っ張りで診断は変えないながらも
まめに環境調整等してくれます。
初めは無理かなと思いましたが、大学医局のメンバーには
感謝しています。

精神科の業務は人と多く接するという点で疲れますが
どう言い表していいかわかりませんが
患者さんから情報を多くとって話をテンポよく聞くということは
人間関係の面もありますが私にとってすべて
「少し体温の下がった情報」として整理されています。
4年間で、コツを覚えて、
人の話をよく聞けるため、表情を俊敏に読み取り外さないため
自閉的で一般科の医師との交流が出来ない以外は
患者さんからは決して評判は悪くないです。
私の場合はテンポを落とすことでうまくやれているようです。

話は変わります
こだわりは強く、一度ファンになったら20年はファンです。
レコードに関してはその曲がどこに入っている
歌詞もすべて覚えています。
覚えるのの特徴は和声、構成、細かい音などで
その曲をすべて把握してしまいます。
和声が難しいプリンスなどでも細かい和音もわかりますし、
ソロもスキャットで全部再現できます。
音楽は4歳からといっても機械的な暗記に近いです。
なんとなく構成や和音を楽しんでいるという感じで
歌詞を楽しむというところからはかなり遠いと思います。

でも、こだわりと障害のせいでは私は決して不幸じゃないですね。

つらつらと自分のことばかり書いてしまいましたが
自閉+身体障害という点で親しみを持ってしまいました…

それでは、考えながら人生を楽しんでいきましょうね。

[#4806] Re:本を読んで思うこと
 アリステイデス  - 05/3/13(日) 21:40 -

引用なし
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    西丸さん、はじめまして。

 僕も周囲に雑音があると、他人の会話の内容がよく聞き取れません。
だから、飲み会の場での会話は特に苦手です。
 僕の場合、発達障害とは無関係で、聴覚障害の影響によるものだと
思いますが、相手の言っている内容がよく分からないのは疲れます
よね。

 学生だったときも、社会人になった今でも、他人との会話は何か
具体的な連絡や情報伝達のためだけのような状況で、人間関係を
作るための雑談ができません。
 僕は事務系の仕事ですから、西丸さんとは仕事の種類が異なります
が、同僚と交流ができないのは同じです。

 趣味の分野のこだわりですが、歌手の場合なら、ファンとしての
活動期間が長くなるので、それだけ、ファンとしての経験が豊かな
ものになっていきます。
 長続きすることは自分の誇りになっているような気がします。

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