アスペルガーの館の掲示板

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[#6368] 障害者の精神世界 アリステイデス 05/5/12(木) 22:33 [未読]
[#6382] Re:障害者の精神世界 秋桜(管理人) 05/5/13(金) 15:05 [未読]
[#6419] Re:障害者の精神世界 アリステイデス 05/5/15(日) 20:50 [未読]
[#6432] Re:障害者の精神世界 秋桜(管理人) 05/5/16(月) 11:15 [未読]
[#6439] Re:障害者の精神世界 アリステイデス 05/5/16(月) 22:38 [未読]
[#6447] Re:障害者の精神世界 秋桜(管理人) 05/5/17(火) 16:53 [未読]
[#6385] 少数派 05/5/13(金) 18:32 [未読]
[#6420] Re:少数派 アリステイデス 05/5/15(日) 21:09 [未読]

[#6368] 障害者の精神世界
 アリステイデス  - 05/5/12(木) 22:33 -

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    僕には、アスペ的傾向があるという以外にも、聴覚障害があります。

 補聴器を使えば音声言語での会話がかなりできますが、本質的には
健聴者とは大違いですね。テレビのニュース番組は完全に理解できる
一方で、パーティーでテーブルを囲んで談笑するような場面では、何の
話題が進行しているのか、さっぱり分からないという現実があります。

 小学生とか中学生の頃には、健聴者とはそんなに差はないと思って
いました。ところが年齢が増えるにつれ、健聴者との差を実感させ
られる場面が増えました。そして、最近は「世界の見え方」からして
健聴者とは異なるのではないか、と意識するようになりました。別の
言い方をすれば、「文化の違い」かな。
 障害とは、単にある能力が物理的に低いというだけのことではない
のです。

 アスペの本を読んで思うことのひとつは聴覚障害との共通性です。
周囲の音声を全部拾ってしまうとか、外観から障害が見えないことで
不利益を被ってしまうとか。
 上に書いた僕の経験は、自分の状態が普通みたいに思い込んでいて、
大人になってから健聴者の場合はそうではないんだと気づいた、という
ことでもありますが、これも共通点のようですね。

 障害がその人の精神世界に及ぼす影響について考えさせられるなあ。
当事者として・・・。

[#6382] Re:障害者の精神世界
 秋桜(管理人) メールホームページ  - 05/5/13(金) 15:05 -

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   ▼アリステイデスさん:
こんにちは、お久しぶりです。お元気ですか?以前確か顔の認識などでお話しましたよね。

> 僕には、アスペ的傾向があるという以外にも、聴覚障害があります。
>
> 補聴器を使えば音声言語での会話がかなりできますが、本質的には
>健聴者とは大違いですね。テレビのニュース番組は完全に理解できる
>一方で、パーティーでテーブルを囲んで談笑するような場面では、何の
>話題が進行しているのか、さっぱり分からないという現実があります。

私は言語聴覚士の専門学校に通っていた時、隣に身障者の職業リハビリをやっている更生施設があり、指導教官がそこの聴覚障害者に発声発語訓練をしていた関係でその人たちとよく話をしていました。

対面で片言の手話交じりの口話ではけっこう通じていても、本当に飲み会みたいな場面だと難しいですよね。以前聴覚障害の方16名、健聴者3名で飲み会をした時はみんなの手話が速くて何を言っているのか全然分からかったです。口話と手話のバイリンガルの人に通訳してもらってもタイムラグがあるので、分かった時にはもう話が終わっていたりして、冗談なども今ひとつ面白くないんですよね。この時に「ああ、いつも聴覚障害の人ってこういう気持ちなんだろうなぁ」と改めてコミュニケーションの大切さと難しさを実感しました。

それに聴覚障害の方って日本語の学習が大変なケースって多いですよね。普通校に通っていた人でも「難しい文章になると自信がない」と言っていたし、聾学校出身の人で「読み書きが苦手」と言っている人がけっこういたのを覚えています。

> 小学生とか中学生の頃には、健聴者とはそんなに差はないと思って
>いました。ところが年齢が増えるにつれ、健聴者との差を実感させ
>られる場面が増えました。そして、最近は「世界の見え方」からして
>健聴者とは異なるのではないか、と意識するようになりました。別の
>言い方をすれば、「文化の違い」かな。
> 障害とは、単にある能力が物理的に低いというだけのことではない
>のです。

「ろう文化」というのを主張している聴覚障害者もいますよね。手話通訳者の養成課程の先生とも以前話をしたことがあるのですが、言語聴覚士の先生が語る聴覚障害の捉え方と違った解釈で興味深かったです。

> アスペの本を読んで思うことのひとつは聴覚障害との共通性です。
>周囲の音声を全部拾ってしまうとか、外観から障害が見えないことで
>不利益を被ってしまうとか。
> 上に書いた僕の経験は、自分の状態が普通みたいに思い込んでいて、
>大人になってから健聴者の場合はそうではないんだと気づいた、という
>ことでもありますが、これも共通点のようですね。
>
> 障害がその人の精神世界に及ぼす影響について考えさせられるなあ。
>当事者として・・・。

聴覚障害に限らず、コミュニケーションに関する障害は似たような傾向があると思います。コミュニケーション障害というものは目に見えない障害で、よく関わってみないとその大変さは分かりにくい物ですし、それが高次脳の機能と結びついているため、思考にも影響を及ぼしている物です。

肢体不自由の障害からコミュニケーションの障害が引き起こされているケースもあります。やはり身体のある部分の機能不全というのは人間の思考や発達に影響を及ぼしていますし、あまり障害に区別をつけないで大きな目で見ることも必要だなぁ、と仕事の経験から感じています。

[#6385] 少数派
   - 05/5/13(金) 18:32 -

引用なし
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   こんばんわ。はじめまして。
ほんとうに、よくわかります。小さい時から、いままで、本当に一生懸命、いわゆる、健常と呼ばれる人と、かかわろうとしてきました。
まあ、それが、親の望みだったわけですが・・。
まったくできませんでした。今も、会社での付き合いとかできないし。
話す内容、スピード、感性、すべて、違う気がします。
これって、いくら親に、望まれても、無理でした。

学校でいうと、ひとクラスに、数人、発達障害の子供さんがいると言われています。(未診断も含め)。今考えると、自分を合う人といのは、やはり、同じ傾向があったなあ、と思います。
生活に支障がでてなければ、障害とは、言わないとは、思いますが・・・。
普通の人生、歩むように、努力は、してきましたが、もう限界かなあ。
文化の違いって、とてもわかります。
少数派の脳だなあ、と、痛感しています。

[#6419] Re:障害者の精神世界
 アリステイデス  - 05/5/15(日) 20:50 -

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    秋桜さん、こんにちは。

 本当におひさしぶりですね。
 確か昨年の年末以来ですから。

 秋桜さんは一時期、聴覚障害者に近い場所にいらっしゃたんですね。 
発声発語訓練には、小さい頃に7年間くらい行っていました。

 健聴者が中心の飲み会に参加しているときの、聴覚障害を持っている
人の感覚は秋桜さんが想像された状態に近いと思います。 
 僕の場合、少しは他の参加者と会話をしますが、いかんせん、周囲が
騒がしいから、言葉の聞き取りは難しい上に疲れます。ほとんどの時間
は飲み食いと、頭の中であれこれ空想することで過ごしています。

 これも僕の場合ですが、文章に出てくる言葉の意味は知っていても、
正確な発音を知らないことがときどきあります。自分の第一言語は書き
言葉の日本語であると思ったりします。おそらく、ほとんどの健聴者とは
逆の状態でしょう。
 聴覚障害の重さが同一であっても、日本語の読み書き力は人によって
大きな差があったりするようです。このように、障害の直接的影響以外
の要素に大きく左右されるのも、障害者の現実の一部ではないかと思い
ます。

 聴覚障害は、その程度や、障害が始まった時期によって、人によって
その状態が大きく異なります。そして、自己のアイデンティティー認識、
障害者としての帰属意識に影響を及ぼしたりします。
 そういう個人差の幅の広さや、アイデンティティーの問題は発達障害
でも共通しているなあと思います。

 物理的な不自由さの問題や、経済的な不利益の問題も大きいのですが、
精神世界に対する影響も実に大きいなあと思います。

[#6420] Re:少数派
 アリステイデス  - 05/5/15(日) 21:09 -

引用なし
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    悠さん、はじめまして。

 僕の場合も、一緒に何かをするときの相手は、そのほぼ全員が定型
発達者・健常者と思われる人です。我々は少数派なので、必然的にそう
なってしまいますよね。

 職場においても、同僚とのコミュニケーションは、挨拶などの例外を
除けば、文字通り仕事と直接的に関係のある会話だけ。雑談はしません。
「所属している世界が異なるなあ」って、思ってしまいます。

 自分自身を「自閉民族」とか「異星人」とか名乗る当事者の気持ちが
よく分かります。

[#6432] Re:障害者の精神世界
 秋桜(管理人) メールホームページ  - 05/5/16(月) 11:15 -

引用なし
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   ▼アリステイデスさん:

こんにちは、秋桜です。お返事をありがとうございます。

> 秋桜さんは一時期、聴覚障害者に近い場所にいらっしゃたんですね。
>発声発語訓練には、小さい頃に7年間くらい行っていました。

アリステイデスさんは聴覚活用や口話の訓練をされていたのですね。お話の様子を伺っていてもかなり補聴器の適応や日本語の学習はうまく行っている方なのではないかと感じています。でもそうだからと言って聴覚障害であることの大変さはあるでしょうし、むしろ健聴者との違いに気付いてしまうだけに傷つかれてきたこともきっと多いのだろうと思います。

> 健聴者が中心の飲み会に参加しているときの、聴覚障害を持っている
>人の感覚は秋桜さんが想像された状態に近いと思います。 
> 僕の場合、少しは他の参加者と会話をしますが、いかんせん、周囲が
>騒がしいから、言葉の聞き取りは難しい上に疲れます。ほとんどの時間
>は飲み食いと、頭の中であれこれ空想することで過ごしています。

コミュニケーションを取るのにある程度の工夫や努力が必要ですよね。相手がそれを厭わない人ならいいのですが、コミュニケーション障害のある人と接したことがない人には難しいのかもしれません。

> これも僕の場合ですが、文章に出てくる言葉の意味は知っていても、
>正確な発音を知らないことがときどきあります。自分の第一言語は書き
>言葉の日本語であると思ったりします。おそらく、ほとんどの健聴者とは
>逆の状態でしょう。

日本語は口語と文語では微妙に異なります。アスペルガーの方は一般的に文字情報の方が理解しやすいのでその辺も似ている面があるのかもしれません。また会話というのは非言語のルールや常識が多く、刻一刻とそれが変化します。ある情報が得づらいとその流れが途絶えますから、不自然さや違和感が出てしまうのだろうと私は考えています。

> 聴覚障害の重さが同一であっても、日本語の読み書き力は人によって
>大きな差があったりするようです。このように、障害の直接的影響以外
>の要素に大きく左右されるのも、障害者の現実の一部ではないかと思い
>ます。

そうですね。私が関わっていた人は手話が第一言語の人が多かったのですが、手話と日本語の体系は少し異なるのでそういう面で日本語の学習が難しいこともあるようです。でも聴覚障害の人でも手話を知らない人は多いですから、一概には言えないですよね。

> 聴覚障害は、その程度や、障害が始まった時期によって、人によって
>その状態が大きく異なります。そして、自己のアイデンティティー認識、
>障害者としての帰属意識に影響を及ぼしたりします。
> そういう個人差の幅の広さや、アイデンティティーの問題は発達障害
>でも共通しているなあと思います。

本当に聴覚障害も個人差が大きいですよね。アリステイデスさんがおっしゃるように聴覚レベルと日本語の能力が一致していないケースは多いです。また、障害の程度や音声言語の能力が必ずしも自己のアイデンティティーとも一致していないこともありました。

やはり小さい頃に訓練を受けたか、どのような教育を受けたか、また非言語面の理解力はどの位あるのか、家族の理解はどうだったのかといった環境要因でもかなり障害像は変わると思います。そしてこれは発達障害や肢体不自由の障害でも同じことが言えると私は感じています。

> 物理的な不自由さの問題や、経済的な不利益の問題も大きいのですが、
>精神世界に対する影響も実に大きいなあと思います。

リハビリの世界に関わっていると様々な場面で実感します。なかなか理解してもらうことが難しいと思いますが、リハビリ業務に携わる人も分かっていない人が多いと思うので、機会があったら伝えていきたいなぁと考えています。

[#6439] Re:障害者の精神世界
 アリステイデス  - 05/5/16(月) 22:38 -

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    これまでの話の流れとは、やや異なる方向の内容になりますm(___)m。

 植村英晴「聴覚障害者福祉・教育と手話通訳」という本を読んでいたら、
「聴覚障害者が誤りやすい表現」として、いくつかの事例が列挙されている
のですが、その中に、実際は「全部」を意味する「一切」を、「ひときれ」
だから「10分の1」の意味だと解釈したり、慣用句の「道草を食う」を
「道の草を食べる」の意味に解釈する等の事例が紹介されています。

 アスペの場合の「想像力の障害のせいで言葉を文字通りに解釈する」
ことに、よく似ていると思いました。

 「アスペかどうかの判定は難しい。社会性の障害、コミュニケーションの
障害、想像力の障害という3種類の障害に全部当てはまるように見えても、
実際にアスペとは限らない」ようですが、それは上に書いたような場合の
存在が考慮されているのかな?
 「簡単に判定できる性格のものではない」と一応は知っていましたが、
アスペの診断の複雑さを初めて見たような気がします。

[#6447] Re:障害者の精神世界
 秋桜(管理人) メールホームページ  - 05/5/17(火) 16:53 -

引用なし
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   ▼アリステイデスさん:
こんにちは。レスをありがとうございます。

> 植村英晴「聴覚障害者福祉・教育と手話通訳」という本を読んでいたら、
>「聴覚障害者が誤りやすい表現」として、いくつかの事例が列挙されている
>のですが、その中に、実際は「全部」を意味する「一切」を、「ひときれ」
>だから「10分の1」の意味だと解釈したり、慣用句の「道草を食う」を
>「道の草を食べる」の意味に解釈する等の事例が紹介されています。
>
> アスペの場合の「想像力の障害のせいで言葉を文字通りに解釈する」
>ことに、よく似ていると思いました。

アリステイデスさんがおっしゃるような細かい内容の取り違いは、会話の中で実際に使っている様子が分かりにくいために耳で聞いて学習する経験が少なくなるために生じることだろうと思われます。

私が関わってきた聴覚障害の人も雑誌などでよく目にする表現などは知っているのですが、それ以外の言葉は日常生活ではよく聞くものでも知らなかったり、意味を取り違えていることがありました。

だから微妙な所での言葉の使い方(専門用語では語用と言います)が異なるのかな、と感じたことがありました。そういう意味ではアスペルガーの人に似ている面はあると思います。

> 「アスペかどうかの判定は難しい。社会性の障害、コミュニケーションの
>障害、想像力の障害という3種類の障害に全部当てはまるように見えても、
>実際にアスペとは限らない」ようですが、それは上に書いたような場合の
>存在が考慮されているのかな?
> 「簡単に判定できる性格のものではない」と一応は知っていましたが、
>アスペの診断の複雑さを初めて見たような気がします。

そうですね。診断基準には明確には書かれていませんが、臨床現場ではよく知られている社会性に問題が出やすい障害というのはいくつかあります。

例えば聴覚障害以外にも先天性の水頭症、脳性麻痺(特に四肢麻痺タイプ)、二分脊椎、脳室周囲白室軟化症(PVL)といった診断があるお子さんは社会性に問題があるケースを比較的よく見かけます。知的に高いケースの場合よくおしゃべりをするので一見問題が無いようにみられてしまうのですが、よく注意してみると一方的だったり、抽象的な内容を理解しづらかったり、視知覚認知に問題があるといった傾向があり、その結果として社会性に問題が出てくるのです。

もちろん自閉症を合併しているケースもあるのですが、多くの場合は経験の偏りによって社会性に問題が出てくるタイプで、適切に対応すれば自閉症のお子さんよりも効果は早く出てきます。しかしこういうケースは「よく話せているから」という理由で言語訓練のオーダーから外れてしまうことが多いようです。そして二次障害を起こしてから親御さんが慌てる、ということもあるようです。

私が以前働いていた職場では医師や他職種の訓練士がよく気を付けてくれていたという事もあり、わりと早期からオーダーが出ていたのですが、やればやるほど「違う面もあるけど、社会性については自閉症やアスペルガーに似ている面があるなぁ」と感じていました。

だから本当にたくさんの人にこのようなケースがあることをもっと知ってほしいと思っています。

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