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▼りりさん:
>私の場合、「どんな理由であれ、イケナイことをしたら、とりあえず叱らなきゃ」になってしまってます。
>でも、やってはいけないことをするときって、息子なりの理由があるんですよね。
>私は、叱る>気持ちを汲むこと、になってしまってるのですが、三月うさぎさんはどうされていますか?
子供が悪いことをしたら、叱ってもいいんですよ。
この点勘違いされる方も多く「障害だから叱らない」という親御さんもいるということをよく聞きます。
そうではなくて、叱るんでも、ただ否定的に叱らないように…というか。
うちの主人が、人を否定的に叱る人でね、「お前は、頭がいいことにいい気になってるんだろう。お前のやってることは授業妨害だ。明日から心入れかえれ!」という言い方をします…。
これに対して、息子は「いい気になってなんかない…」と、しぼるように言ったのが記憶にあります。
あれは自閉じゃなくとも、つらい叱り方だなあと思いました。
目の不自由な方に、「お前の努力が足りないからだ、明日から見える様になれ!」と言っても無理ですよね?
アスペルガーが知られる以前は、そういう育てられ方で苦労された当事者がたくさんいらっしゃいます。
生まれつき備わってないのに、「できるようになりなさい」と言われても、無理ですよね?
でも、視力障害者ならば、点字を使う、眼鏡を使う、音声に頼る…これらの支援でできないこともできるようになったりします。
アスペルガーも、支援の方法ひとつで、それまで困難とされてきたことができるようになったり、補われたりします。
ただ、その方法ですが、千差万別の障害の上、まだ知られる様になってから日が浅いせいもあって、なのでこうしてネットを通じて、あれこれ「我が家の場合は」「自分の場合は」のご意見をいただいてるわけです。
なので、子供を叱る際に、叱り方がある 方向性がある というだけで、子供が悪いことをしたら叱って親なら当然なのです。
最近のうちの子の現状をお話ししますと、
去年末頃、二学期の終わりぐらいから、図書室で本棚に登る、司書さん達の仕事の邪魔をする、ということが続きまして、図書室出入り禁止になってしまいました。
本棚に登る は、本人にとって、「不安なときの逃げ場」なんですね(行動が猫です…)
司書さん達の邪魔をする は、単に本人が行動の不適切さに気づけないだけで、本人は、本を並べ替えたり机を並べ替えたり、自分の思う様にやりたかったようなのです。
今年に入って、担任の先生からも落ちついてきたから図書室出入り禁止を解きたいとの配慮から、
「棚へのぼりません」「司書さん達に迷惑はかけません」というような内容を、本人の口から司書さん達へ約束させようということになりました。
ところで、「のぼりません」「迷惑かけません」は、否定語です。
否定語は自閉症の子達には、指示が通りにくいのです。
しかも「迷惑」というような、広い意味合いの言葉は本人には通じません。
あんのじょう、本人に「迷惑ってなに?」と聞くと、返答につまっていました。
そこで、私のサイトでも仲間内に相談して、メンバーから得たアドバイスが、
「棚へはのぼりません。イスにすわります」
「図書室は本を読むところです。他のことをしたいときは司書さんたちに聞いてからにします」
という、肯定指示をいただいたので、これをこのまま、私は画用紙にマジックで書きまして本人に持たせました。
本人はそれを、司書さん達の前で読み上げ、図書室の出入りが解禁になったそうです。
さて、その後、どうなったかというと、本人に聞いてみたところ、
「棚にのぼらないよう、自分でストップかけられた!」
と言うのです。
肯定指示が効いたのか?
はたまた、紙に書いたのが良かったのか?(自閉の子は、耳からの指示より、目からの視覚支援の方が比較的指示が通りやすいのです)
それとも、本人の成長も手伝ったのかもしれません。
子供も成長します。
また、親も周囲も対応の仕方を日々学び、成長します。
苦しいと感じるのは、今このときで、今、手をかけてあげることによって、将来の二次障害を防ぐことに繋がるかもしれないのです。
ただ、そういう我が家も、毎日良いことばかりではなく、今日も、この子の問題点である他害行動を起こしてくれたので…。
やれやれ…です。
長くなりましたので、今日はここまでにしておきます。
ご不明な点がございましたら、また別の説明を考えますのでおっしゃってください。
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