|
▼かよさん:
ご丁寧なお返事、ありがとうございます。掲示板で発言したりすることに慣れていないので、自分の言葉が相手を非難する意図に取られたらどうしよう、などと心配していましたが、とてもよく理解してくださってうれしかったので、お役に立てるならもう少し自分なりの意見を書いてみようかなと思います。
>専門家に診ていただくのが一番とは分かっているのですが…
>私たちは田舎に住んでおり、残念なことに障害に理解のある風潮があまりありませんし、まだまだ「障害=不幸なこと」という図式があるように感じます。
>そういう状況では、病院に連れて行くことを本人や叔父夫婦にどう説明すればよいものか頭を抱えてしまって…。情けないですね。
確かに、精神科や心療内科の門をくぐるのには抵抗がありますよね。
でも、発達障害の場合、闇雲に近くの精神科と言う看板を挙げている医者に行っても、あまり良い結果にはならないと思います。私自身、発達障害のことをよく知らないらしい医者にカウンセリングを受けて、かえって混乱したことがあります。
発達障害の専門家は、県の精神保健福祉センターに相談すると紹介してもらえると思います。
でも、当事者の同意を得ないでいきなり相談しても、やはりその先は難しいですね。
私の意見ですが、一度アスペルガー症候群についての本を買って、読んでみられてはどうでしょう。
このサイトでもいろいろ紹介されていますし、近くに大きな本屋さんがなくてもamazonなどで買うこともできます。
それで、やはり当てはまるようだと思われたら、従兄弟の方は知的には全く遅れがないようですから、その本を貸して、読んでもらう。もし従兄弟の方が、自分自身でも適応できない苦しさを感じておられたら、きっと自分で診察を受けてみたいと言われるのではないでしょうか。
>余計なことだなんて、とんでもありません。書き込みしていただいた事、本当に感謝しています。とても参考になりました。
>確かに、似ているところがあると思います。幾度となく同じことを注意しても、何で注意されているのかわからないし、納得がいっていない様子で、私たちにはまた、なぜ理解してくれないのか、それが理解できないのです。そこでまた再度注意する…の悪循環に陥ってしまっています。
私の経験から言うと、人が「怒る」ということがよくわかりませんでした。
例えば人が食事の用意をしているのに気付かないで座っていて怒られる、ということは私もよくありましたが、私はそもそも「怒る」という感情がよくわからないのです。
私としては、「怒られている」ことがわかると、ああまた自分は何か失敗をしたな、と思うのですが、その失敗を取り返すことはできないので、どうしたらいいかわからず混乱します。自分がしてしまったことを怒られているけれど、そのことをなかったことにすることは自分にはできない、どうすればいいのかわからない、という風に思うのです。
なので、どうして失敗するのを黙って見ていて後から怒るんだろう、と思ってしまいます。
「手伝うかあっちに行ってるかどっちかにしてちょうだい」と言われたのを真に受けて違う部屋にいたら、食事時になったらいつでも逃げ出して手伝わない、と言われて混乱したこともあります。
その場にいると、邪魔だ、気が利かない、動作がのろい、と言われるので離れていると、図々しい、神経が太い、と言われる……。(普通者の方って、「邪魔よ」という言葉を「もっと人の動きに注意しなさい」という意味で発したりすること、ありますよね?でも私、「邪魔よ」と言われると「そうか、自分はここからいなくなればいいんだな」と思うんです。それで「手伝いを途中で放り出して逃げて、何してるの!」と言われたことがあります。)
そもそも人が大勢(二人以上)動いているとぶつかったりして何処にいていいかわからず、そのうえ「手伝って」と言われても何をしていいかわからなくて居心地が悪いので、精一杯努力してその場にいて自分にできることを見つけたとしても、その状況に疲れ果ててしまいます。
そこで、私がどういう風に接して欲しかったかをいうと、
・「これから食事の支度をするから、ここをどいてね(またはあそこに行って手伝ってね)」と声を掛ける。苛立ちを感じたらできるだけすぐに言う。(後から言われると、その問題をさかのぼって解決することができないので困ってしまいます。)
・具体的な指示を与える。できるだけ言葉で説明する。(「人参切って。」ではなく、「今日はカレーを作るから人参の皮を剥いて1センチ角ぐらいに切ってね。」というように。)
・こうしてはいけない、と言う代わりに、こうして欲しい、と言う。(「そこにいると邪魔よ。」と言う代わりに「人が通るときにはあっちの席に移ってね。」とか。)
>洋服の件についても、そうなのかもしれません。今は冬ということで、スウェットなどを着て過ごしていますが、流行の格好などには、最初は違和感があった、と話していたことを思い出しました。
ASの人は服装にこだわりがあることが多いらしいですが、その内容は人によって様々だと思います。
ただ、自分自身が流行の服などを頑張って身に着けていたときのことを言えば、頑張ればできなくはないのですが、やはり無理をしているので、どこかにしわ寄せが来てしまいます。私の場合、睡眠時間が長く必要になりますし、もっと無理をすると無気力になります。ですから、ASの人が「普通」の行動をとれるようになったといって喜んだり励ましたりしてはいけません。それは所詮「無理」でしかないので、そのうち破綻しますし、二次障害の原因になります。
以上、従兄弟の方がもしASだった場合には何かご参考になるでしょうか。
発達障害を抱える人間にとって、手を貸してくれる人の存在は本当に貴重です。成人のASの診断は非常に難しいと言われますから、診断が下りようと下りまいと、独自の行動基準を持つ人ときちんとコミュニケートする試みは続けて頂ければ、と思います。
私自身は家族とは縁を切ってしまいましたが、このように心配してくれる人がいる人を見ると、どうかその気持ちが届くように、と祈るような気持ちです。大変なことでしょうけれども、どうか頑張ってください。もし何かお役に立てることがあれば、またお返事したいと思っています。
|
|