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▼そらのままさん:
高機能2児の母です。
>施設の先生は「〜したらダメ」ではなく、「〜がこうだから、こうしようね」と
>怒り方を変えてくださいとおっしゃってますが、
>なかなか上手くできなくて、怒るたびに自己嫌悪になります(^−^;)
なぜ、「ダメ」より「こうしよう」なのか?
を、ご存知でらっしゃいますか?
まず、自閉症は世の中のルールがわからない。生まれつき真っ白な地図の状態で成長します。
健常の子は、この地図がある程度書き込まれているため、ものの前後を考えられ、自分の行き先がわかるものですが、自閉症の子は、常にマップの無い迷路の中にいます。
なので、「これはダメ」と、道をふさがれてしまうと、次の道がわからなくなる。
なので「これは、こっちの道へ行くものですよ」と教えます。
でも、道って、選択肢がたくさんありますね?
「こっちの道はダメなのに、なぜこっちの道ならいいの?」
というのが自閉症の脳。
親は「ダメ」と教えれば、それはいけないことだとわかってもらいたいのですが、迷路の中にいて、道が数本わかれているので、
「この道とこの道はダメ?じゃ、どうして、こっちの道ならいいの?」
「次の分岐路にきたときも同じなの?」
「この前は、この道でいいっていったじゃない。今日はどうして違うの?」
といった具合に混乱します。
ケースバイケースがわからないので、同じように見えて違うということが判別つかないので、たえず不安の中にいます。
1秒1秒先の見えない迷路にいるのです。
ですから「この道は、こういう理由で次の道につながっています。だからこっちへ行った方が正解です。あっちの道は、こういう理由で、あなたにとってとても困ることになります。(と、なぜ困ることになるのかまで説明します)」
叱るときは、ものの前後をわからせ、なぜ悪いのか?教えてから叱りましょう。
たとえば、うちの息子。
鍵盤ハーモニカのホースをふりまわしながら歩いて、他の人にあたってしまいました。
相手は、うちの息子に謝罪をもとめましたが、
本人はものの前後が見えてませんので、
「なぜ相手は自分に謝れというのかわからない」
と、固まってしまいました。
この場合、「ホースふりまわして歩いていたから、それがぶつかったのよ」と説明されないと、自分がなにをしたのかすらわかっていません。
健常の子なら、振り回したホースが相手に当たった、と、事の前後を想像できますが、自閉症の子はそれが難しいのです。
これが、想像力の障害です。
これを説明できたら、次の段階として、
自閉症の子は、「ホースふりまわして歩いていたから」と言われても、
思考が自分視点ですので、「だって、他の人が横歩いてたなんてわからなかったんだ」「横歩いてたなら言ってくれれば僕だってわかったのに」「だって、ホースまわすの楽しかったんだ」
と、自分の理由をいくつも並べ立てるので、結局なかなか謝罪ができない。
彼なりの理由がある。
こういった自閉症児の理由を、まず聞き出せると良いですね。
でないと、「悪いことは悪いことでしょ。」と言われても、「なんで悪いことなのさ」になってしまいます。
自閉症児の理由を聞いて「自分はこうしたかったんだ」というのをまず受け止め、その上で、正しい方法はどうなのか?というのを、教えてあげる必要があります。
でないと、「あれもダメ」「これもダメ」「僕はどの道を行ったらいいのだろう?」と、自分に自信をなくして、ますます迷宮に入り込んでしまいますから。
このあたりを、基礎として頭においておくと、叱り方、見えてはこないでしょうか?
とはいえ、言葉が通じるアスペルガーって、つい「言葉で言えばわかる」と思いがちですね。
私も「この子は、思ったより、こっちの話がわかっていない」に気づくまで、ややかかりました。
でも、「お母さんは僕のことをわかってくれる」という信頼を得ますと、普通に叱っても指示が通るようになりますよ。
我が家の場合はそうでした。
こんな説明で、おわかりいただけたでしょうか?
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