|
▼サイボーグ教師さん:
> 通級している児童でカナータイプの自閉症の子がいます。最近自傷行為をするようになりました。
> 自閉症の子の自傷行為を防ぐ手だてというものは何かよいものがあるのでしょうか。
ジョンです。
サイボーグ教師さんご無沙汰しています。
かなり論点が違ってしまいましたが、カナータイプではなく
アスペルガータイプの場合について、投稿させてください。
サイボーグ教師さんの判断で、カナータイプの方にも通じる
ところがあれば、参考にしてください。
いぬかいさんとは初めてお会いするのではないかと思います。
よろしく。
さて、サイボーグ教師さんの投稿から一夜明けて、これまで
この投稿をするべきか止めるべきかずっと考えて来ました。
私の立場として、この掲示板の発展を考えている関係上、
後ろ向きの発言をして、プラスになるか悩んでいたためです。
しかし、このスレッドが「自傷行為はいけないことだから
みんなで止めましょう。」という結論になったら、
元々の「アスペルガーの館の掲示板」はどこへ行ったか
分からなくなってしまい、元々の管理人さんの意図である
「いかなる意見の投稿も可能」という思いやりが失われると
思い、12時間の経過の後、投稿を決めました。
過去の話になりますが、「私はこれから相手も殺して
自分も死にます」という投稿がありました。
このような投稿は、この掲示板が相手を非難しない限り、
「何でもあり」という考えがあったからこそ実際に
なされた、と考えています。この掲示板の敷居の
低さは、限界に達した人にとっては、越えやすい低さ
だと思っています。勿論、そのことによる、二次災害に
ついては、さまざまな議論があることも事実です。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、私は、
50歳になって、会社の管理職であり、何よりも
家内と2人の子供の家庭を持っていながら、自傷行為を
行っている自分に情けなくなります。勿論、若くはないので、
リストカットなどの派手なことはできませんが、静かに
やっています。
私の2人の主治医のうちの1人である慶●病院の先生は
「アスペルガー症候群はもともと大人しい」と言って
いましたので、アスペルガー者すべてが自傷行為を
行っているわけではありません。
まして、サイボーグ教師さんは合気道をやって
おられる関係上、あまり縁がないのでは、と思って
います。しかし、「アスペルガー」の二次障害は
うつですので、自傷行為のある方もいるわけです。
私の考えから言わせていただくと、これは、ASの
こだわりからくるのではないかと思っています。
自分の考えにこだわる。自分の意見と異なる。これを
突き詰めていくと、自傷行為に達します。
白鳥は死ぬ時に美しい歌を歌って死ぬと言われています。
おそらくは、自傷行為の1/2は、自殺のサインで、
気づいて欲しい、もっと自分を愛してほしい、という
ものだと思います。いぬかいさんの「心の叫び」では
ないでしょうか。だから、自殺を前提とはしていません。
1/2は自殺企画だと思います。自分を追い詰め、
リストカットによる失血死、ODによる薬物死を
目的としており、前段の症状として、うつがあるかも
しれませんし、アスペルガーのパニックによるもの
「アスペルガー症候群とパニックへの対処法」
(ブレンダ・スミス)かもしれません。
自分はなぜ「アスペルガー」に生まれたのだろう、と
自分を恨む気持ちをプラスに転じることのできる人と
マイナスのまま持ちつづける人とがいると思います。
勿論、プラスに転じることができれば、これ以上の
幸福はありません。しかし、アスペルガー者が全員
トム・クルーズになれるわけではありません。
悪くすると、いや、かなりの場合、生涯、マイナスの
まま、気持ちを持ちつづけるかもしれません。
しかし、それは、いけないことなのでしょうか。
はっきり言って「自閉症の自傷行為を防ぐ」方法は
医師の診察を受けることですが、ここで、議論するべきは、
自傷行為のある人と共に悩み苦しむことでは
ないかと思っています。なぜなら、自傷行為に
よって、自殺に至る場合は、その前段階で
疾患に罹患している場合がほとんどで、
自殺に至った場合は、周囲が見逃していた場合が
ほとんどだからです。自殺者の1/2は自殺未遂者です。
自殺者に対して、自殺未遂者は5倍います。
自殺者の自殺未遂者に占める割合は非常に高い
のです。この、自殺防止は、個人の掲示板で
扱う問題としては、重すぎます。
ここで議論できる範囲は、マイナス感情を持ちつづける
アスペルガー者に対する対応だと思います。
私が最も危惧したのは、「自傷行為は止めよう」
キャンペーンでした。私はむしろ、アスペルガー者の
マイナス感情を矯正するのではなく、理解してあげる
ことの方が重要だと思います。そうでなくても、
本人は、自分を責めつづけて、しかも、自分を責めつづける
理由すら分からなくて、困っているわけですから、
「頑張れ」と言われたとたんに、それでは、今まで、
頑張ってきた自分は何だったんだろうと、自殺に一層
拍車がかかることは、目にみえるようです。
私がお願いしたいと思っているのは、「私はこのようにして
自傷行為を克服しました」という温かいお気持ちと、
同時に、自傷行為者に対する、「甘えている、しっかりしろ、
止めろ、性根を直せ」といった、叱咤を避けて
いただきたい気持ちです。
私は、アスペルガー者がマイナス感情を持ち続けても
いいと思っています。私達は、負の面を持ちながらでも
命をつないでいるからです。もしかして、そのつなぎめが
途中で切れてしまうこともあるかもしれません。
それは、努力が足りなかったからではなく、努力し過ぎた
からだと理解して欲しいと思っています。
2000年に千葉県で中学生の女子が
いじめを苦に自殺しました。その生徒は、小学校から
いじめを受け、我慢して、我慢して、末は、
いじめっこと同じ中学に進学して、亡くなったのです。
彼女が、我慢しなければ、自殺はなかったと思います。
アスペルガーの自傷行為は、この「頑張る」から
発生します。しかし、アスペルガー者は頑張らない
ことが苦手なのです。
|
|