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[#1910] 本日放送!!「発達障害者支援法」 Camei Gackt 04/12/3(金) 8:01 [未読]

[#1916] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/4(土) 0:16 [未読]
[#1917] Re:発達障害者支援法 ジョン 04/12/4(土) 1:19 [未読]
[#1931] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/5(日) 0:20 [未読]
[#1939] Re:発達障害者支援法 ジョン 04/12/5(日) 22:31 [未読]
[#1941] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/6(月) 3:56 [未読]
[#1943] Re:発達障害者支援法 秋桜 04/12/6(月) 9:35 [未読]
[#1944] Re:発達障害者支援法 みーぽん 04/12/6(月) 12:12 [未読]
[#1947] Re:発達障害者支援法 ジョン 04/12/6(月) 15:50 [未読]
[#1949] Re:発達障害者支援法 みーぽん 04/12/6(月) 20:50 [未読]
[#1951] Re:発達障害者支援法 ジョン 04/12/6(月) 23:17 [未読]
[#1952] Re:発達障害者支援法 素朴な疑問 04/12/6(月) 23:42 [未読]
[#1968] Re:発達障害者支援法 ジョン 04/12/7(火) 23:26 [未読]
[#1972] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/8(水) 1:12 [未読]
[#1974] Re:発達障害者支援法 素朴な疑問 04/12/8(水) 1:23 [未読]
[#1978] Re:発達障害者支援法 ジョン 04/12/8(水) 6:19 [未読]
[#1985] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/8(水) 13:18 [未読]
[#2002] Re:発達障害者支援法 素朴な疑問 04/12/8(水) 23:39 [未読]
[#2003] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/9(木) 0:16 [未読]
[#1953] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/6(月) 23:44 [未読]
[#1954] Re:発達障害者支援法 素朴な疑問 04/12/7(火) 0:14 [未読]
[#1957] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/7(火) 1:29 [未読]
[#1955] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/7(火) 0:32 [未読]
[#1956] Re:発達障害者支援法 素朴な疑問 04/12/7(火) 0:52 [未読]
[#1959] Re:発達障害者支援法 みーぽん 04/12/7(火) 12:54 [未読]
[#1970] 補足 POLINECIA 04/12/8(水) 0:41 [未読]
[#1973] Re:補足 素朴な疑問 04/12/8(水) 1:18 [未読]
[#1976] Re:補足 POLINECIA 04/12/8(水) 2:52 [未読]
[#2012] Re:補足 みーぽん 04/12/9(木) 13:51 [未読]
[#2006] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/9(木) 8:44 [未読]
[#2011] Re:発達障害者支援法 みーぽん 04/12/9(木) 13:34 [未読]
[#2016] Re:発達障害者支援法 秋桜 04/12/9(木) 15:37 [未読]
[#2028] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/10(金) 0:52 [未読]
[#2054] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/11(土) 2:30 [未読]
[#2190] Re:発達障害者支援法 秋桜 04/12/14(火) 17:26 [未読]
[#2201] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/14(火) 23:51 [未読]
[#2129] Re:発達障害者支援法 理沙 04/12/13(月) 10:41 [未読]
[#2134] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/13(月) 13:03 [未読]
[#1945] Re:発達障害者支援法 POLINECIA 04/12/6(月) 13:25 [未読]
[#1950] Re:発達障害者支援法 素朴な疑問 04/12/6(月) 22:17 [未読]

[#1916] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/4(土) 0:16 -

引用なし
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   ▼ジョンさん:
>「発達障害を早期に発見し、途中略、学校教育における発達障害者への支援、
>発達障害者の就労の支援」と早期発見と支援がセットになっています。
>この早期発見が支援のためなのか、犯罪防止なのかはっきりしません。

ここに微妙な問題がある。「(3条4)警察との連携」もそうだが、
発達障害児・者がトラブルに巻き込まれるのを未然に防ごうとしているのか、
発達障害児・者がトラブルを起こすのを未然に防ごうとしているのか、
釈然としない。二義的に解釈できるところがある。
そしてASと犯罪を結びつける報道がなされた場合、
後者の解釈がなされる可能性もあるだろう。
「トラブルを起こしそうな障害者を、
警察,病院はきちんと監督しておけ」という具合に。

[#1917] Re:発達障害者支援法
 ジョン メールホームページ  - 04/12/4(土) 1:19 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:
>ここに微妙な問題がある。「(3条4)警察との連携」もそうだが、
>発達障害児・者がトラブルに巻き込まれるのを未然に防ごうとしているのか、
>発達障害児・者がトラブルを起こすのを未然に防ごうとしているのか、
>釈然としない。二義的に解釈できるところがある。
>そしてASと犯罪を結びつける報道がなされた場合、
>後者の解釈がなされる可能性もあるだろう。
>「トラブルを起こしそうな障害者を、
>警察,病院はきちんと監督しておけ」という具合に。

ジョンです。お久しぶりです。

私は、厚労省は、体験殺人事件などが続発したころから
「発達障害者支援法」の準備にとりかかったと思っています。
小泉首相が、駿ちゃん殺人事件のインタビューに答えて
微妙な表現をしています。
衆議院委員会で民主党の議員が質問していますが、原稿棒読みで、
厚労省の担当者は、支援を強調しているわりには、早期発見による
これまでの支援については、一言も触れていません。

私は、犯罪防止と支援の両方があってもいいと思っています。
厚労省は、保身のために、社会の批判をかわすことができるし、
われわれにとっては、「発達障害の専門医を1000人に増やす」と
言っていましたし、法律には「発達障害者の就労の支援」も盛り込まれて
いるからメリットがあると思っています。
甘く見て、2割対8割、厳しく見て、4割対6割で、メリットの方が
大きいと思っています。どうでしょうか。
   

[#1931] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/5(日) 0:20 -

引用なし
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   ▼ジョンさん:
>ジョンです。お久しぶりです。

少し感情が昂ぶっておられるようにお見受けしたが、如何?
調子が悪いようであれば、ゆっくりと投稿されるように。

>私は、犯罪防止と支援の両方があってもいいと思っています。

まずは原則論から述べておこう。
以下は平成16年に改正された障害者基本法の条文だ。
障害関連の支援法案を考える時に参考になる。

http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kihonhou/kaisei.html

障害者基本法は様々な検討がなされた結果、
かなり障害者の人権保障がしっかりした法律になりつつある。
(まだ、不十分な点もあるだろうが)
この法律の第3条の理念から考えれば、
特定の障害者を犯罪予備軍視して
管理,監視を行うことは重大な人権侵害に当たる。
(障害を理由にした差別は許されていない)
発達障害者を対象にした法律ではなく拘束力はないが、
いちおう踏まえておいた方がいいだろう。
多くの精神障害者,知的障害者が「治安維持」のために、
監視,拘束の対象になっていた歴史がこの条文には反映されている。

(参考文献)
寺本晃久「能力と危害」『障害学の主張』(2002年明石書店)

発達障害者支援法案にそう明記されてはいる訳ではないが
仮にそういう目的が含まれているとすれば、
間違いなく精神病者監護法(1900年施行)や
精神衛生法(1965年施行)の理念に逆戻りしている。
発達障害関係者の人権感覚,時代感覚が疑われかねないので、
さすがに俺は「犯罪防止があってもいい」とは発言することができない。

>われわれにとっては、「発達障害の専門医を1000人に増やす」と
>言っていましたし、

どういう目的で専門医を増やすのかも念のために探っておく必要があると思う。
当事者のためなのか?治安維持のためなのか?
例えば、1965年の精神衛生法では
精神病者を強制的に精神病院に収容することが可能になったが、
その時も精神病院が増加していった。
昔あったことが現在に繰返されるとは思わないが、
本当に「われわれのため」になっているかどうかは保留を要する。

>法律には「発達障害者の就労の支援」も盛り込まれて
>いるからメリットがあると思っています。

これは評価して大丈夫だろう。
既に障害福祉サービスの対象になっている障害者たちも、
就労には苦戦しているのが現状だが、
ないよりはあった方がいいと言える。
あとはその就労支援をどうするのかが問題なのだが。
今のところ、発達障害者の就労支援の方法は確立されていないし、
発達障害にアンテナを張っている障害者就労支援関係者も多くはない。

>甘く見て、2割対8割、厳しく見て、4割対6割で、メリットの方が
>大きいと思っています。どうでしょうか。

俺はそもそも障害者という集団の幸福をひとまとまりには考えない主義なのだが、
話を合わせるために、一部ジョンさんの規準を採用して評価をしておこう。

専門家,障害者家族にとっては3割対7割でメリットがあり、
発達障害者にとっては5割対5割で差し引きゼロになると思う。
発達障害者にとってのメリットの評価が少し厳しくなっているのは、
発達障害者の権利に対する規定が不十分と考えているからだ。

これは将来的に見なおしていけばいいだけのことなのだが。

少しだけ法律関係の仕事に関わっているため、
少しだけ法律にはうるさい。ご寛恕いただきたい。

[#1939] Re:発達障害者支援法
 ジョン メールホームページ  - 04/12/5(日) 22:31 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:
>障害者基本法は様々な検討がなされた結果、
>かなり障害者の人権保障がしっかりした法律になりつつある。
>(まだ、不十分な点もあるだろうが)
>この法律の第3条の理念から考えれば、
>特定の障害者を犯罪予備軍視して
>管理,監視を行うことは重大な人権侵害に当たる。
>(障害を理由にした差別は許されていない)
>発達障害者を対象にした法律ではなく拘束力はないが、
>いちおう踏まえておいた方がいいだろう。
>多くの精神障害者,知的障害者が「治安維持」のために、
>監視,拘束の対象になっていた歴史がこの条文には反映されている。
>
>発達障害者支援法案にそう明記されてはいる訳ではないが
>仮にそういう目的が含まれているとすれば、
>間違いなく精神病者監護法(1900年施行)や
>精神衛生法(1965年施行)の理念に逆戻りしている。
>発達障害関係者の人権感覚,時代感覚が疑われかねないので、
>さすがに俺は「犯罪防止があってもいい」とは発言することができない。
>
>少しだけ法律関係の仕事に関わっているため、
>少しだけ法律にはうるさい。ご寛恕いただきたい。

ジョンです。ご主旨はよく分かりました。
私が少し軽率であったかもしれません。
ご主旨に沿って若干意見を述べさせて頂きたいので、投稿します。

法案は衆議院内閣委員会で若干質疑応答されただけで、
ほとんど与野党の反対なく衆議院、参議院を通過しました。
われわれ発達障害を持つ多くの要請に、議員が応じてくれた結果だと
ありがたく思っています。

その国会での議論を見ていると、質疑に対する厚労省の応答は、
国立秩父学園での発達障害児童への対応に限定されていますが、
国の発達障害児童への対応は、国立秩父学園に限らず、例えば、
国立精神・神経センターでの療育も上げられますし、児童相談所を
核にして、発達障害センターができつつあるわけですが、
(ご参考:
http://www.interq.or.jp/japan/aschiba/domoto/domoto_2002answer.htm
厚生労働省の自閉症・発送障害センターの予算要求が財務省で
認められたと聞いております。)
発達障害センターでの対応も可能であるはずです。
ところが、私の同僚でADHDのお子さんを持っている方の話を
聞くと、国立精神・神経センターでの療育はなされていないそうです。
現段階で、国は、医師が不足して、療育・支援できない、としています。

以上をまとめると、国は、発達障害者の早期発見、早期支援を標榜
しながら、平成14年に予算化した、自閉症・発達障害センター
を通じた、発達障害者の早期発見、早期支援を積極的には行って
いないという説明です。

今回の発達障害者支援法の可決を前回の160国会で見込んでいた児童相談所は
その予算で自閉症・発送障害センターの職員の採用を見込んでいましたが、
国会で審議されなかったので、かなりあわてたようです。
自閉症・発送障害センターについては、既に、
厚労省は予算化しているわけですから、児童相談所にとっては、
発達障害者支援法の成立は一連の予定に組み込まれていたはずです。
http://www.mhlw.go.jp/wp/seisaku/jigyou/jizen/syougai.html#52
現在の児童相談所の職員では、発達障害者全てに対して、対応ができない
からです。
未成年者に対して法的対応ができるのは、児童相談所しかありません。
警察は、その非行の事実を児童相談所に通報することはできても、
措置を行う権限は児童相談所が持っています。
今回の161国会で法案が可決されたことにより、児童相談所は予算的
裏づけもできましたので、これまでよりも一層の対応が可能になったと
言えます。

この事情を考えますと、国は、狭い早期発見、早期支援を考えて
いるのではなく(それは、やろうと思えば、今までもできたが、
やっていない。)かなり広範な早期発見、早期支援を考えていると
思って間違いないと思います。

それが、いわゆる「犯罪防止」なのか、支援なのか、表立って公表される
ことはないと思いますが・・・。関係者だけが知っていることではないかと
思います。私は、「支援」に重点が置かれることを願っていますが。
   

[#1941] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/6(月) 3:56 -

引用なし
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   情報提供およびご意見に感謝したい。
御礼に少しだけ、俺の知っている法案や支援の見方を紹介しておこう。
特に賛成する必要はない。
こういう見方もあるのだということだけを伝われば今は十分だ。

(専門家、専門職員増員の要望について)
>ところが、私の同僚でADHDのお子さんを持っている方の話を
>聞くと、国立精神・神経センターでの療育はなされていないそうです。
>現段階で、国は、医師が不足して、療育・支援できない、としています。
(中略)
>現在の児童相談所の職員では、発達障害者全てに対して、対応ができない
>からです。

これはよく発達障害専門家サイドから専門家の増員,養成という形で、
よく要望が出されている。
確かに児童精神科医あたりは不足しているというのは事実だろう。
この辺りの事情は俺も少しわかっている。

一方でこの要望が専門家サイドの自己増殖のために利用されることもある。
例えば、専門家を増員することによって後進の雇用を確保したい場合や、
専門家を養成するためのセミナーを開いて資金稼ぎをしたい場合などだ。
この場合、専門家サイドは
「専門家が足りていない」「専門家を育成すべきだ」
「専門家,あるいは専門的知識を有する者でなければ、この問題に対処することはできない」
と声を大にして主張しておいた方が得をするだろう。
じっさい、俺が発達障害で利潤を得ようと思った場合、
やはりそのように主張する可能性が限りなく高い。
(誤解がないように言っておくと、ここでその手口を明かしてしまった以上、
俺自身はこの手口で金もうけをすることはできない。
もうけるためには裏の意図を隠して沈黙しなければならないからだ)

発達障害支援者も食っていかなければならない以上、プロ化が全く悪いとは言えない。
しかし、最悪の事態も想定しておく必要がある。
例えば発達障害者に対応できる職員の雇用,施設の増設,
専門家育成のためのセミナーに莫大な予算を費やした結果、
発達障害者及びその家族を直接支援することに予算が回せなくなってしまう場合だ。
この場合、支援法案は専門家サイドの利益にしかならなくなる。

発達障害者,発達障害者家族,職業的支援者,専門家は協力者であると共に
異なる利害を抱えており、その利害は決して一枚岩ではない。
これは決して悪いことではなく、むしろそのことを自覚的に捉えておくことの方が大切だ。
そして、これらの四者の間で綿密に利害調整を行っておくことを提言しておこう。
ちなみに、国連が教育について提言を行ったサマランカ宣言(1994)では、
(はじめに)の部分に以下のような内容が盛り込まれている。

>障害をもつすべての人びとは、確かめうるかぎり、彼らの教育に関する願望を表明する
>権利をもっている。両親は、彼らの子どもたちのニーズ、状況、熱望に最適の教育形態
>について相談を受ける固有の権利をもっている。
http://www.dove.ne.jp/sumomo/siryou_folder/Salamanca.html

最高決定者はあくまで「障害児」とされている。
利害調整の際に発達障害児が望むことが何であるのかよく耳を傾けることを切望する。

>これが、いわゆる「犯罪防止」なのか、支援なのか、表立って公表される
>ことはないと思いますが・・・。関係者だけが知っていることではないかと
>私は、「支援」に重点が置かれることを願っていますが。

ジョンさんからいただいた情報を鑑みる限り、
教育,医学,就労(職業訓練,ジョブコーチなど指導中心)など、
「発達障害児・者の社会順化」に大きなウェイトが置かれているのだろう。
このタイプの支援は「支援」と「治安維持」の目的が明確には区別できなくなり、
「支援」と「治安維持」が表裏一体をなすことも多い。
複雑な判断を必要とされる支援の形態だが、
そこから次なる発達障害支援のあり方を考えていっていただきたいと思う。
今回の支援法はあくまで出発点だというのが俺の考えだ。

(PS)
参考までに求める支援としてどんな内容があるのかを挙げておこう。
考えうる支援は発達障害支援法案で扱われている内容よりもはるかに広い。

http://www.jfd.or.jp/int/ida/misc/2003-03-02-ida-statement-2adhoc.html

[#1943] Re:発達障害者支援法
 秋桜  - 04/12/6(月) 9:35 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:

はじめまして。秋桜と言います。他のレスにも書いたのですが、発達障害児の訓練専門の医療機関で働いています。私自身もアスペです。
現在は体を壊して自宅療養をしています。

>これはよく発達障害専門家サイドから専門家の増員,養成という形で、
>よく要望が出されている。
>確かに児童精神科医あたりは不足しているというのは事実だろう。
>この辺りの事情は俺も少しわかっている。
>
>一方でこの要望が専門家サイドの自己増殖のために利用されることもある。
>例えば、専門家を増員することによって後進の雇用を確保したい場合や、
>専門家を養成するためのセミナーを開いて資金稼ぎをしたい場合などだ。
>この場合、専門家サイドは
>「専門家が足りていない」「専門家を育成すべきだ」
>「専門家,あるいは専門的知識を有する者でなければ、この問題に対処することはできない」
>と声を大にして主張しておいた方が得をするだろう。
>じっさい、俺が発達障害で利潤を得ようと思った場合、
>やはりそのように主張する可能性が限りなく高い。
>(誤解がないように言っておくと、ここでその手口を明かしてしまった以上、
>俺自身はこの手口で金もうけをすることはできない。
>もうけるためには裏の意図を隠して沈黙しなければならないからだ)
>
>発達障害支援者も食っていかなければならない以上、プロ化が全く悪いとは言えない。
>しかし、最悪の事態も想定しておく必要がある。
>例えば発達障害者に対応できる職員の雇用,施設の増設,
>専門家育成のためのセミナーに莫大な予算を費やした結果、
>発達障害者及びその家族を直接支援することに予算が回せなくなってしまう場合だ。
>この場合、支援法案は専門家サイドの利益にしかならなくなる。

こちらの意見に対しては現場サイドにいる人間として違和感を感じます。
他のレスにも書いたのですが、私の職場も予約をしてからドクターの初診に入るまで1年近くかかっている状態です。それでも自治体の訓練よりもこちらの方が適切な訓練をしてもらえるからと言って訓練を希望される人が殺到しています。中には車で1時間以上かけて通ってきている人もいます。
そのため職員は全員ギリギリの状態で仕事をしています。私も倒れる直前まで12時間位仕事をしていました。倒れても代わりの人がいないので訓練はストップしています(患者さんたちには本当に申し訳ないのですが、他の人も限界に近い状況なので頼めないんです)。

こう書くと中には疑問に感じられる方がいると思います。私の実家の家族も不思議がっていたので、下に簡単に事情を書きます。

私が勤務している県は各自治体で訓練士がいることにはなっています。でもどうしてそんなに訓練希望者が殺到するのか?というのは、自治体で雇用している訓練士は非常勤職員がほとんどで、勤務日が限られているので、訓練の回数が少ないというのが1つ目の事情です。
2つ目は私が勤めているような専門病院に比べて職員に入ってくる情報量が圧倒的に違ってきます。大抵の自治体は一人職場が多いですし、スパーバイズしてもらえる環境が整っていないのが現状です。中にはがんばっている方もいますが、相当本人が努力する必要があります。その結果、指導の質に差が出てきているのが現状です。
3つ目は長期間診てもらえないという事情があります。官僚の縦割り行政のため、就学までは厚生労働省、就学後は文部科学省の管轄になります。そのせいで自治体でも就学までは保健センター、就学後は教育委員会ということが多く、そこで情報が途切れてしまうのです。私の職場にも就学で自治体の訓練が終了するので、できたら専門家の訓練を継続して受けたいといって来院される方が多数います。

特にアスペルガーは対応に慣れていないと難しく、自治体でもどうしたらいいか分からず、混乱しています。そのため最近は丸投げ状態で紹介されてくることが増えてきました。他のスレッドでも書いていますが、学校現場も適切な対応ができていない(できないというのが正確でしょう)ため、困っている人がたくさんいます。
就学後こそ指導が必要なのに、その時期に医療的なケアが難しいというのは問題だとは思いませんか?

POLINECIAさんがおっしゃっているように、中には営利をむさぼっている人も確かにいます。でもこういうことは他の病気などでもありますよね(例えば「ガンに〜が効く!」など)。
大多数の発達障害の専門家は身を削ってがんばっていますよ。とにかく安心して診断・訓練できる基盤すらない現状を何とかする必要があると思います。

[#1944] Re:発達障害者支援法
 みーぽん  - 04/12/6(月) 12:12 -

引用なし
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   アスペルガーの子を持つ親として、秋桜さんの書いてくださったレスは、まさしく!私の実情を代弁してくれたかのように感じました。
発達障害者支援法、成立直後(つまり現時点)の一人の親の実情はこんなもんです。

私の子供は来年度、いよいよ就学相談が始まります。
同じ学年のごく普通の定型発達のお子さんたちは来年の11月ころに検診を受けるだけですみますが、発達障害の子供たちは来年早々から就学相談をしながらいろいろな準備・検査が必要になってきます。
親としては、その流れや時期、行われる内容なんかもあらかじめ知っておきたいところですが、実際には情報はどこからもまったく入ってきません。
唯一同じ発達障害を持っているお子さんの親御さんから断片的に情報をもらって、やっと知るという感じなのが実情です。
保護者同士で連絡しあい、先に就学しているお子さんの情報を元に動きはじめるかたも多いはずです。
行政側は連絡が保護者から来るのを待つのみで、保護者はいったいどこに問い合わせをしたらいいのかそれすらもわからずに右往左往するのです。
なかには当然、インターネットを使えない環境の親御さんだっているでしょう。
不安で不安でたまりません。
たとえ療育を市から受けていて発達障害の診断がおりていると市に連絡してあっても、その情報が児童相談所に受け継がれることも教育センターに行くこともありません。

でも、それ以上に問題なのは今現時点で、まったく療育支援がないことです。
幼稚園に入る前は療育の教室に通っていました。
でも入園すれば、それで完全に終わりです。
心理の先生の巡回サービスというものがありますが、幼稚園側が望まないとダメなのでサービスを受けるのが難しいとわかりました。
私が望むスタイルは、診断もしてくれる専門医がいて、その専門医がいる病院なり施設に療育機関が併設されてて医師と療育訓練士の間で連携がとれているところです。
もし私が秋桜さんのお勤めの発達障害児の訓練専門の医療機関のそばに住んでいたなら、ためらうことなく行ったことでしょう。
たとえ一時間以上かかる場所であっても。
現実にそれだけ、まず「専門医があまりにも少ない」、「療育機関がない」、「発達障害について相談する(現実問題に即した対処法を求める)場がない」「専門医がいる病院はすでにパンク状態で診察は一日がかり、かつ予約がとれない」などの切迫した問題が転がっているのです。

>他のレスにも書いたのですが、私の職場も予約をしてからドクターの初診に入るまで1年近くかかっている状態です。それでも自治体の訓練よりもこちらの方が適切な訓練をしてもらえるからと言って訓練を希望される人が殺到しています。中には車で1時間以上かけて通ってきている人もいます。
>そのため職員は全員ギリギリの状態で仕事をしています。
医師、そして職員のかたがたの超多忙状態はこの目で見て知っています。
こちらが「体が持つのか?」と心配になることもたびたび。
子供の診察時、午後一番で予約が入っていたにもかかわらず、待って待ってなんと実際の診察時間は夜の7時。これから午後の診察がはじまるのか?と思ってびっくりしたことも。
先生は「お待たせして申し訳ない」と謝ってくださいましたが、午前中の診察が長引いたとのこと。
学会にも出席して最新の情報も勉強もしたいし、かといって診察をいいかげんなものにしたくない、でもこの人数に対応しきれないんだとポツリもらされてました。

>私が勤務している県は各自治体で訓練士がいることにはなっています。でもどうしてそんなに訓練希望者が殺到するのか?というのは、自治体で雇用している訓練士は非常勤職員がほとんどで、勤務日が限られているので、訓練の回数が少ないというのが1つ目の事情です。
>2つ目は私が勤めているような専門病院に比べて職員に入ってくる情報量が圧倒的に違ってきます。大抵の自治体は一人職場が多いですし、スパーバイズしてもらえる環境が整っていないのが現状です。中にはがんばっている方もいますが、相当本人が努力する必要があります。その結果、指導の質に差が出てきているのが現状です。
>3つ目は長期間診てもらえないという事情があります。官僚の縦割り行政のため、就学までは厚生労働省、就学後は文部科学省の管轄になります。そのせいで自治体でも就学までは保健センター、就学後は教育委員会ということが多く、そこで情報が途切れてしまうのです。私の職場にも就学で自治体の訓練が終了するので、できたら専門家の訓練を継続して受けたいといって来院される方が多数います。
私の県でも、まさしく仰るとおりです。
自治体の訓練士は実のところ入れ替わりがあまりにも激しく、次の年になるとほとんど人が入れ替わってしまったりします。
当然情報は受け継がれません。
訓練の仕方も変わってしまったりで質は落ちてしまいます。
3つ目の問題は大問題です。先にも書きましたが切実です。
そのため、行政に頼らず、民間の病院・医療機関で継続的にケアが望めるところがあれば親はそこを頼ろうとします。
数が圧倒的に足りませんから、当然パンク状態になるでしょうね…
どんなに超混みで待とうとも、行くのに県をまたごうとも、それでも親にとってわが子はかけがえのない宝、子供のためならと必死で療育できる場を探すのです。
実際、知人は子供のため他県の病院に電車で何時間もかけて通っているのです。

発達障害者支援法の成立により、少しでも専門家が増えてほしいと思います。
もちろん、POLINECIAさんの仰るとおりの危険性をはらんでいることを考慮したうえでも。
講演会もセミナーもまだまだ足りないでしょう。
講演会に出席しても私の地域では参加人数の少なさに驚かされます。
それだけ、実際に発達障害者がかかえる問題に直接に携わっている人間が少ないということです。
関心を持ってくださるかたも現時点では少ないということでしょう。

[#1945] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/6(月) 13:25 -

引用なし
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   ▼秋桜さん:
>はじめまして。秋桜と言います。他のレスにも書いたのですが、
>発達障害児の訓練専門の医療機関で働いています。私自身もアスペです。
>現在は体を壊して自宅療養をしています。

お初にお目にかかる。確か管理人さんの奥さんだったな。
将来に備えて、ゆっくりご休養されんことを。

まずは結論部分からコメントしていこう。

>POLINECIAさんがおっしゃっているように、中には営利をむさぼっている人も確かにいます。
>でもこういうことは他の病気などでもありますよね(例えば「ガンに〜が効く!」など)。

もちろん、他の障害,慢性疾患を視野に入れながら話をしているつもりだ。
それらと比較対象しながら、
ようやく公的支援の対象になった発達障害の支援全体の流れを考えている。

>大多数の発達障害の専門家は身を削ってがんばっていますよ。
>とにかく安心して診断・訓練できる基盤すらない現状を何とかする必要があると思います。

大多数の専門家が身を削ってがんばっているということについても否定しない。
特に予防教育中心の支援というのはひどく手間がかかる。
俺自身はアマチュアだが、自宅で夜を徹しての作業を行うこともしばしばだ。
ただし、こう自問することがある。本当に訓練中心の支援でいいのだろうか、と。

今、俺が追跡している問題は、
なぜ日本の発達障害支援の中核が予防教育中心になっていて、
予防教育をいかに行うかばかりに議論が集中しているのかという点だ。
もちろん、国連あたりの議論でも教育,医療は障害者支援の重要な項目にはなっているが、
それだけが支援の全てという訳ではない。
現在、国連の国際障害者人権条約などの草案も検討中だが、
教育,治療という支援により高い特別な地位が与えられているということもない。
(中には障害者に対するの人権侵害になると考えられている教育,治療もある。
言語,聴覚訓練なども時々槍玉に挙げられる場合がある)
にも関わらず、専門家は専門家サイドは予防教育の必要性を強調し、
職業的支援者や家族も予防教育に集中して要望を出していくという事態が続いている。

行われうる支援を全て網羅した上で、
やはり教育,医療に関する支援が最も必要だと考えているなら話は別だ。
しかし、日本国内の学会,シンポジウムなどで予防教育に関する海外の情報だけが紹介され、
それ以外の支援に関する情報があまり紹介されていなかったとすればどうか?
かなり視野狭窄に陥った議論がここに展開されることになる。
ついでに言えばそれが予防教育を希望する障害者家族の殺到という事態にもつながる。
秋桜さんの職場で起こっている事態だな。

そういう訳で、予防教育を担っている職業的支援者が頑張っているという点は認める。
しかし、力の入れどころが本当にそこなのかという点については議論の余地があると思う。

>2つ目は私が勤めているような専門病院に比べて職員に入ってくる情報量が圧倒的に違ってきま
>す。大抵の自治体は一人職場が多いですし、スパーバイズしてもらえる環境が整っていないのが
>現状です。中にはがんばっている方もいますが、相当本人が努力する必要があります。その結果、
>指導の質に差が出てきているのが現状です。
(中略)
>特にアスペルガーは対応に慣れていないと難しく、自治体でもどうしたらいいか分からず、
>混乱しています。そのため最近は丸投げ状態で紹介されてくることが増えてきました。他
>のスレッドでも書いていますが、学校現場も適切な対応ができていない(できないというの
>が正確でしょう)ため、困っている人がたくさんいます。
>就学後こそ指導が必要なのに、その時期に医療的なケアが難しいというのは問題だとは
>思いませんか?

これは俺から出せるヒントだ。
高い職能の必要な支援というのは、素人が手を出せるものではなくなってしまうから、
必然的に支援において専門家,専門機関への依存度が高くなる。
そしてきりがないくらい、次から次へ高い専門性,最新の療法を求められていくだろう。
特に障害児教育,医療支援ではこの傾向は顕著だ。

そんな訳でこの方向性も少し軌道修正が必要になると思う。
予防教育関係者が訓練による社会順化の限界を認めて力の入れどころを変えていくとか、
教育支援の内容を職能を要するものではなく誰でもできるものに変えていくと言った具合に。

[#1947] Re:発達障害者支援法
 ジョン メールホームページ  - 04/12/6(月) 15:50 -

引用なし
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   ▼みーぽんさん:
>アスペルガーの子を持つ親として、秋桜さんの書いてくださったレスは、まさしく!私の実情を代弁してくれたかのように感じました。
>
>発達障害者支援法の成立により、少しでも専門家が増えてほしいと思います。
>もちろん、POLINECIAさんの仰るとおりの危険性をはらんでいることを考慮したうえでも。

ジョンです。

みーぽんさん、ご無沙汰しています。

実は、私とPOLINECIAさんが議論していたことは、みーぽんさんの議論と
合い矛盾しないことなのです。
私も発達障害者支援法案成立キャンペーンに賛成して、議員、政党への
メール送信、意見送信をしました。
POLINECIAさんも今回の「発達障害者支援法」は出発点だと考えていると
おっしゃっています。

私も秋桜さんの言っておられるような現実を知って、法案の通過を要望
していました。
国立精神・神経センターで診断をお願いしたとき、「ジョンさんは診断
だけなので特別1ヶ月で済ませるようにします。」と言われ、「なぜ
そんなにかかるのか」お聞きしたところ、児童の場合は、初診の予約が
2,3ヶ月先までいっぱいだと言っていました。
また、現在、親切な方に紹介され通院している発達障害を扱っている
個人病院も(東京、中央区)予約は2,3ヶ月先までいっぱいだ
そうです。
是非とも法案の成立は今国会でと望んでいました。

一方で、自分の子供が、支援を受けられることと同時に、学校や
児童相談所から「マーク」されたとしたら、たまらない気持ちに
なると思います。とかく、自分の子供だけは、犯罪者じゃない、と
考えますが、それは、手に入る情報の量によって決まることであって、
極端に少なければ、自分の子供を、意に沿わない形で、犯罪者に
することもあるかもしれません。そのために、私は、方々のサイトに
ごやっかいになって、情報収集しています。
もう、10年前の話になります。大阪で、娘の泣き方がひどかったので、
大阪府の保健所の保健婦さんに相談に行きました。小児科の先生にも
相談しました。だれも自閉症のことは知りませんでした。
娘は駿ちゃん殺人事件の少年と同じ年齢です。幸い、娘は、東京の
新宿区の大学病院の先生に診てもらうことができました。私たち夫婦は
娘が犯罪とかかわることから逃れることができたと思っています。
子供が生き延びることができるか、それは情報によると思っています。
しかし、それと引き換えに、「マーク」されることは、あってはならない
のではないか、というのが、私とPOLINECIAさんの議論でした。

どうか、議論を精査の上、ご賢察をお願いしたい次第です。
   

[#1949] Re:発達障害者支援法
 みーぽん  - 04/12/6(月) 20:50 -

引用なし
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   こちらこそ、ご無沙汰しております。
ジョンさん。

>実は、私とPOLINECIAさんが議論していたことは、みーぽんさんの議論と
>合い矛盾しないことなのです。
>私も発達障害者支援法案成立キャンペーンに賛成して、議員、政党への
>メール送信、意見送信をしました。
>POLINECIAさんも今回の「発達障害者支援法」は出発点だと考えていると
>おっしゃっています。

実は私自身、自分のレスがだいぶ横レスぎみだなーとは思っていました。
大変申し訳ないです。
単に秋桜さんのお話があまりに的確だったので、つい書き込みしたくなった、というのがホントのところです(^^;)ゞ

ただ正直、お二人の会話は高度すぎて私程度の頭脳の持ち主(^^;)には必死に何度も読みながらやっと推察する、という感じでした。
だから正確には意味が把握できてなかったのでしょう。
ですが…全部読み終わり残ったイメージ…それは発達障害者支援法は発達障害者(児)を犯罪者予備軍扱いしかねない危険なものなのか?というマイナスイメージだけが残ったのです…
もしかしたら、私だけかもしれませんが…。

そして、POLINECIAさんの
>一方でこの要望が専門家サイドの自己増殖のために利用されることもある。
>例えば、専門家を増員することによって後進の雇用を確保したい場合や、
>専門家を養成するためのセミナーを開いて資金稼ぎをしたい場合などだ。
を拝見して、きっと掲示板という性質上、ふらりときて、すらっと読み流されていくかたなんかはどう受け止めていくのだろう?と思ってしまったのです。

そして、これはあくまでも私個人の感じ方なのですが、なんというかうまくいえないのですが…会話の中に生活感というか、逼迫した生活の匂いみたいなものが感じられなかったのです。
たとえが悪いですが、政治家や評論家がTVのなかで論じているみたいな…
そのため、障害児をとりまく環境の実態を本当にご存知なのかな?と思ったため書いた次第です。
でも、ジョンさんの[#1947]のレスを拝見して私の誤解であったことがわかりましたm(__)m

正直、発達障害者支援法への期待は大きいです。
法律そのものというよりも、社会に障害を認めさせることができるから。
いままで、どれだけ「親のしつけが悪い」「何甘えさせてるんだ、厳しくしないからだ」「育て方が間違ってるんだ」といわれてきたことか。(T_T)

[#1950] Re:発達障害者支援法
 素朴な疑問  - 04/12/6(月) 22:17 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:
>情報提供およびご意見に感謝したい。
>御礼に少しだけ、俺の知っている法案や支援の見方を紹介しておこう。
>特に賛成する必要はない。
>こういう見方もあるのだということだけを伝われば今は十分だ。
>
>(専門家、専門職員増員の要望について)
>>ところが、私の同僚でADHDのお子さんを持っている方の話を
>>聞くと、国立精神・神経センターでの療育はなされていないそうです。
>>現段階で、国は、医師が不足して、療育・支援できない、としています。
>(中略)
>>現在の児童相談所の職員では、発達障害者全てに対して、対応ができない
>>からです。
>
>これはよく発達障害専門家サイドから専門家の増員,養成という形で、
>よく要望が出されている。
>確かに児童精神科医あたりは不足しているというのは事実だろう。
>この辺りの事情は俺も少しわかっている。
>
>一方でこの要望が専門家サイドの自己増殖のために利用されることもある。
>例えば、専門家を増員することによって後進の雇用を確保したい場合や、
>専門家を養成するためのセミナーを開いて資金稼ぎをしたい場合などだ。
>この場合、専門家サイドは
>「専門家が足りていない」「専門家を育成すべきだ」
>「専門家,あるいは専門的知識を有する者でなければ、この問題に対処することはできない」
>と声を大にして主張しておいた方が得をするだろう。
>じっさい、俺が発達障害で利潤を得ようと思った場合、
>やはりそのように主張する可能性が限りなく高い。
>(誤解がないように言っておくと、ここでその手口を明かしてしまった以上、
>俺自身はこの手口で金もうけをすることはできない。
>もうけるためには裏の意図を隠して沈黙しなければならないからだ)
>
>発達障害支援者も食っていかなければならない以上、プロ化が全く悪いとは言えない。
>しかし、最悪の事態も想定しておく必要がある。
>例えば発達障害者に対応できる職員の雇用,施設の増設,
>専門家育成のためのセミナーに莫大な予算を費やした結果、
>発達障害者及びその家族を直接支援することに予算が回せなくなってしまう場合だ。
>この場合、支援法案は専門家サイドの利益にしかならなくなる。

これはいつ頃に想定される問題ですか?
対応できる職員が雇用されたのに、直接に支援に予算が回せなくなるというのはどういう意味ですか? 
セミナーにかかるコストなんて、大した金額ではないと思うのですが?
上記の最悪の事態をわざわざ想定しないといけない理由がわからないので、教えて下さい。
まったく実体のない議論だと思いますが。発達障害に関わったって、利益にはつながらないし、発達障害の好きな人が趣味で支援をやっているのが現段階では?
自己増殖して欲しいですよね、できるものなら。どこからそういう人材が出てくるのでしょうか。この領域に人材が流入する可能性があるとでもお考えですか?

>
>発達障害者,発達障害者家族,職業的支援者,専門家は協力者であると共に
>異なる利害を抱えており、その利害は決して一枚岩ではない。
>これは決して悪いことではなく、むしろそのことを自覚的に捉えておくことの方が大切だ。
>そして、これらの四者の間で綿密に利害調整を行っておくことを提言しておこう。
>ちなみに、国連が教育について提言を行ったサマランカ宣言(1994)では、
>(はじめに)の部分に以下のような内容が盛り込まれている。
>
>>障害をもつすべての人びとは、確かめうるかぎり、彼らの教育に関する願望を表明する
>>権利をもっている。両親は、彼らの子どもたちのニーズ、状況、熱望に最適の教育形態
>>について相談を受ける固有の権利をもっている。
>http://www.dove.ne.jp/sumomo/siryou_folder/Salamanca.html
>
>最高決定者はあくまで「障害児」とされている。
>利害調整の際に発達障害児が望むことが何であるのかよく耳を傾けることを切望する。

まったくその通りですが、法案のなかで何をどうすべきだったという具体的なことを提案されているのかよくわかりません。
「発達障害児が望むこと」について、本人が自覚的に論じられるまでは、発達障害の発達支援をすべきではないということを論じておられるのですか?


>
>>これが、いわゆる「犯罪防止」なのか、支援なのか、表立って公表される
>>ことはないと思いますが・・・。関係者だけが知っていることではないかと
>>私は、「支援」に重点が置かれることを願っていますが。
>
>ジョンさんからいただいた情報を鑑みる限り、
>教育,医学,就労(職業訓練,ジョブコーチなど指導中心)など、
>「発達障害児・者の社会順化」に大きなウェイトが置かれているのだろう。
>このタイプの支援は「支援」と「治安維持」の目的が明確には区別できなくなり、
>「支援」と「治安維持」が表裏一体をなすことも多い。
>複雑な判断を必要とされる支援の形態だが、
>そこから次なる発達障害支援のあり方を考えていっていただきたいと思う。
>今回の支援法はあくまで出発点だというのが俺の考えだ。

今回のような形ででも、出発をしないで、どういう具体的な進め方があったと思いますか? 大きな期待をせず、気をつけていく必要があるという警鐘を論じておられるのか、そもそもこの法律が反対だったと述べておられるのか、「これが俺のヒントだ」というわりには何のヒントかもわかりませんし、わからないで困っています。
今回の法律は単なる啓発法で、実際の何らかの効果が自動的にもたらされるものでないし、別にこれで「犯罪予防」や「治安維持」ができるとも思いませんが。100%理想どおりでなければゼロという議論をされているのですか? 反対のための反対の議論をされているのか、できたものを何に気をつけてどう利用しようかという議論かわかりません。
支援を受けたい人が受けたい時に利用できる根拠を与えるだけのことで、それも当事者たちが上手に利用しないと、要するに、できただけで実効のない法律になる危険性はありますが、残念ながら、「犯罪予防」にも「治安維持」にもならないのではないでしょうか。
あんまりもったいぶった言い回しをしているよりも、この法律を、どのように障害者本人が利用したらメリットがあるか、どういう使い方はデメリットがあるか、具体的に提案しあった方が有益ではないですか?

[#1951] Re:発達障害者支援法
 ジョン メールホームページ  - 04/12/6(月) 23:17 -

引用なし
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   ▼みーぽんさん:
>そして、POLINECIAさんの
>>一方でこの要望が専門家サイドの自己増殖のために利用されることもある。
>>例えば、専門家を増員することによって後進の雇用を確保したい場合や、
>>専門家を養成するためのセミナーを開いて資金稼ぎをしたい場合などだ。
>を拝見して、きっと掲示板という性質上、ふらりときて、すらっと読み流されていくかたなんかはどう受け止めていくのだろう?と思ってしまったのです。
>
>そして、これはあくまでも私個人の感じ方なのですが、なんというかうまくいえないのですが…会話の中に生活感というか、逼迫した生活の匂いみたいなものが感じられなかったのです。
>
>正直、発達障害者支援法への期待は大きいです。

ジョンです。

みーぽんさんの投稿は横レスでも何でもありません。まさに私と
POLINECIAさんの議論は「逼迫した生活」にかかわる議論だと思っています。
みーぽんさんの期待している支援に使われる予算はどこへ行くのか、
POLINECIAさんは心配しているわけです。
さて、実際に法律が実施されたとき、みーぽんさんが「あれ?私の期待と
違うわ。」ということにならないようにしたい、というのが、私と
POLINECIAさんの願いです。

話は全く変わり、本題と違って来ますが、TEACCHというプログラムが
あります。TEACCHは発達障害の支援には欠かせないプログラムですが、
やはり費用がかかります。TEACCHが8月28日29日に行ったコンファレンス
に私も出ましたが、その時集めた資金は概算で1300万円から2000万円と
考えられます。それだけ、発達障害の支援には費用がかかるということ
だと思います。政府の予算がどこに使われ、必要としている方に届くのか
ということは、今から議論しても早すぎることはない、と思います。

発達障害者の支援が、第二の道路公団にならないように、本当に必要と
している方に届くことを願って止みません。
   

[#1952] Re:発達障害者支援法
 素朴な疑問  - 04/12/6(月) 23:42 -

引用なし
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   ▼ジョンさん:
>▼みーぽんさん:
>>そして、POLINECIAさんの
>>>一方でこの要望が専門家サイドの自己増殖のために利用されることもある。
>>>例えば、専門家を増員することによって後進の雇用を確保したい場合や、
>>>専門家を養成するためのセミナーを開いて資金稼ぎをしたい場合などだ。
>>を拝見して、きっと掲示板という性質上、ふらりときて、すらっと読み流されていくかたなんかはどう受け止めていくのだろう?と思ってしまったのです。
>>
>>そして、これはあくまでも私個人の感じ方なのですが、なんというかうまくいえないのですが…会話の中に生活感というか、逼迫した生活の匂いみたいなものが感じられなかったのです。
>>
>>正直、発達障害者支援法への期待は大きいです。
>
>ジョンです。
>
>みーぽんさんの投稿は横レスでも何でもありません。まさに私と
>POLINECIAさんの議論は「逼迫した生活」にかかわる議論だと思っています。
>みーぽんさんの期待している支援に使われる予算はどこへ行くのか、
>POLINECIAさんは心配しているわけです。
>さて、実際に法律が実施されたとき、みーぽんさんが「あれ?私の期待と
>違うわ。」ということにならないようにしたい、というのが、私と
>POLINECIAさんの願いです。

法律の施行については、発達障害支援センター以外は規定されていないのではないでしょうか? 法律の施行がどうこうという話と、厚生労働省や文部科学省の予算執行はリンクしていますが、同じものではないのではないでしょうか?
予算がどこへ行くのかを心配するよりも、予算がつくのかの方が切実な問題ではないですか? 法律そのものについて、予算が自動的につくようなものではなく、法律ができては見たけど、できただけで何もない可能性のほうがはるかに高いのではないでしょうか? 取らぬ狸の皮算用をするよりも、まずはせっかくできた法律をたてにとって、予算をもらえるように声をあげていく方が有益だと思っています。
いかに本人たちのところに有効に予算が回ってくるように、どう提案するかが問題なのではないでしょうか?

>
>話は全く変わり、本題と違って来ますが、TEACCHというプログラムが
>あります。TEACCHは発達障害の支援には欠かせないプログラムですが、
>やはり費用がかかります。TEACCHが8月28日29日に行ったコンファレンス
>に私も出ましたが、その時集めた資金は概算で1300万円から2000万円と
>考えられます。それだけ、発達障害の支援には費用がかかるということ
>だと思います。政府の予算がどこに使われ、必要としている方に届くのか
>ということは、今から議論しても早すぎることはない、と思います。

? 誰かが儲けたという純粋に考えた方がよくないですか?
講師を海外からファーストクラスで夫婦で、それも複数よんだということなのでしょうか? 
国内で具体的な、本人の支援に必要なメニューを考えて提案したとして、そんなにかかりませんよ。講師の費用は公的にやる場合は規定で決まっています。

>
>発達障害者の支援が、第二の道路公団にならないように、本当に必要と
>している方に届くことを願って止みません。

まったく理解できません。「第二の道路公団」になるくらいの予算が来ると本気で考えているのですか?
まずは予算を獲得できるかどうかが問題なのではないでしょうか? そんなに当たり前に予算は来ませんよ。総額を減らしているのに。
法律ができたけど何もないことが起こらないように、本人の支援にこれが必要という提案をした方がいいと思っています。
都道府県の精神保健福祉センターで、成人発達障害者の支援の場を作れとか。もちろん、これも行きたい人が行けるようになので、そこに行くと、「犯罪防止」「治安維持」に利用されると思う人は行かなければいいだけだと思います。

[#1953] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/6(月) 23:44 -

引用なし
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   まずは事実確認だけしておこう。

▼みーぽんさん:
>ですが…全部読み終わり残ったイメージ…それは発達障害者支援法は発達障害者
>(児)を犯罪者予備軍扱いしかねない危険なものなのか?というマイナスイメージだ>けが残ったのです…

反対しているならば、
発達障害者支援法案が成立する前に批判を展開していただろう。
少なくとも成立が確実になるまでは表立っては発言しなかった。

>そして、これはあくまでも私個人の感じ方なのですが、なんというかうまくいえな>いのですが…会話の中に生活感というか、逼迫した生活の匂いみたいなものが感じ>られなかったのです。
>たとえが悪いですが、政治家や評論家がTVのなかで論じているみたいな…

このしゃべり方は気にするな。
あまりやりとりを白熱させないために、抑制を利かせている。

>そのため、障害児をとりまく環境の実態を本当にご存知なのかな?
>と思ったため書いた次第です。

環境の実態を知っているからこそ、
支援法に簡単に飛びつかずに、色々な角度からじっくり吟味している。
そして、手放しで喜ぶこともできないでいる。
(特に発達障害児の権利保障という点で。似たような経験をしているから、
似た意見を持つとは限らない)
発達障害支援法をしっかり読みこみ検討し、
今後に生かしていくことが俺なりの誠実さと思っていただこう。

[#1954] Re:発達障害者支援法
 素朴な疑問  - 04/12/7(火) 0:14 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:
>まずは事実確認だけしておこう。
>
>▼みーぽんさん:
>>ですが…全部読み終わり残ったイメージ…それは発達障害者支援法は発達障害者
>>(児)を犯罪者予備軍扱いしかねない危険なものなのか?というマイナスイメージだ>けが残ったのです…
>
>反対しているならば、
>発達障害者支援法案が成立する前に批判を展開していただろう。
>少なくとも成立が確実になるまでは表立っては発言しなかった。

特に反対というわけでもないということですね。今までの文面からはそうは理解できませんでした。

>
>>そして、これはあくまでも私個人の感じ方なのですが、なんというかうまくいえな>いのですが…会話の中に生活感というか、逼迫した生活の匂いみたいなものが感じ>られなかったのです。
>>たとえが悪いですが、政治家や評論家がTVのなかで論じているみたいな…
>
>このしゃべり方は気にするな。
>あまりやりとりを白熱させないために、抑制を利かせている。

とはあまり思えませんよ。何か読んでいる人を小馬鹿にしている印象の方を受けました。

>
>>そのため、障害児をとりまく環境の実態を本当にご存知なのかな?
>>と思ったため書いた次第です。
>
>環境の実態を知っているからこそ、
>支援法に簡単に飛びつかずに、色々な角度からじっくり吟味している。
>そして、手放しで喜ぶこともできないでいる。
>(特に発達障害児の権利保障という点で。似たような経験をしているから、
>似た意見を持つとは限らない)
>発達障害支援法をしっかり読みこみ検討し、
>今後に生かしていくことが俺なりの誠実さと思っていただこう。

何を今後にいかすのですか?
発達障害を法律の文案の上で、ともかく位置付け、ともかく考えられる支援の枠組みを羅列しただけの法律で、別に意味があるとは思いにくいのですが。
まずは、ともかくもできた発達障害者支援法案を生かして、本人の支援を作ることに知恵を集めた方がよくないですか?
せっかくの法律に関連する造詣の深い方のようですから、本人を助ける提案をたくさんしていただけると助かります。本当に支援が必要な人がたくさんいるのですから。
本当に、法律ができただけで何も得られない可能性のほうが高くないですか? 犯罪被害者支援基本法などと比較して、ほとんどのマスコミが何の扱いもしていないと思いますが。このまま忘れ去られる心配の方を感じます。

[#1955] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/7(火) 0:32 -

引用なし
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   で、こっちがみーぽんさんの見解のうち、
俺の議論と絡んでくるところだ。

▼みーぽんさん:
>アスペルガーの子を持つ親として、秋桜さんの書いてくださったレスは、まさし
>く!私の実情を代弁してくれたかのように感じました。
>発達障害者支援法、成立直後(つまり現時点)の一人の親の実情はこんなもんです。

俺はこのスレッドの中で、
発達障害者とその家族,職業的支援者(秋桜さんのような立場の人だな),
専門家は協力者であるとともに利害が1枚岩ではないとコメントした。
正確には「1枚岩ではない場合もある」と言った方が正確かもしれない。
特に発達障害児本人がそもそも障害児扱いされること自体を望まない場合、
支援をしたい家族や職業的支援者との利害は対立するものとなるだろう。
そして、その中でこの支援法は発達障害者の
メリットを最も優先させたいという立場から発言をしている。
要するに「発達障害児本人が困っていること」に対して、
何ができるのかという視点でこの支援法を見ているのだ。

みーぽんさんが言うように、
発達障害児の予防教育支援を最も重視する家族の立場から見れば、
発達障害者支援法のメリットはそれなりにある。
その点は俺もジョンさんとのやりとりの中で認めてきたはずだ。

ただし、発達障害児を家族の誰からも独立した一個の人格と認めた場合、
家族の要望が即発達障害児本人の要望にならないことは明らかだろう。
少なくとも、わりかし幼い発達障害児本人が自分から
「問題行動を改善するために予防教育を受けたい」
と切望する姿を俺は想像することができない。
面白い遊びでも用意しておけば、話は別かもしれないが。。。

みーぽんさんのコメントを見る限り、
発達障害児本人と家族の利害や要望を混同していないことはよく分かる。
ちゃんと、「一保護者として」という立場で発言しているしな。
そして、保護者の要望を実現させようとすることも間違っていない。
ただし、どんな支援を子供に受けさせる時にも自覚的であってほしいのだ。
「自分としては子供のためを思ってやっている療育支援でも、
それは発達障害児であるわが子自身が何を望んでいるかということとは、
無関係なのだ」と。

[#1956] Re:発達障害者支援法
 素朴な疑問  - 04/12/7(火) 0:52 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:
>で、こっちがみーぽんさんの見解のうち、
>俺の議論と絡んでくるところだ。
>
>▼みーぽんさん:
>>アスペルガーの子を持つ親として、秋桜さんの書いてくださったレスは、まさし
>>く!私の実情を代弁してくれたかのように感じました。
>>発達障害者支援法、成立直後(つまり現時点)の一人の親の実情はこんなもんです。
>
>俺はこのスレッドの中で、
>発達障害者とその家族,職業的支援者(秋桜さんのような立場の人だな),
>専門家は協力者であるとともに利害が1枚岩ではないとコメントした。
>正確には「1枚岩ではない場合もある」と言った方が正確かもしれない。
>特に発達障害児本人がそもそも障害児扱いされること自体を望まない場合、
>支援をしたい家族や職業的支援者との利害は対立するものとなるだろう。
>そして、その中でこの支援法は発達障害者の
>メリットを最も優先させたいという立場から発言をしている。
>要するに「発達障害児本人が困っていること」に対して、
>何ができるのかという視点でこの支援法を見ているのだ。
>
>みーぽんさんが言うように、
>発達障害児の予防教育支援を最も重視する家族の立場から見れば、
>発達障害者支援法のメリットはそれなりにある。
>その点は俺もジョンさんとのやりとりの中で認めてきたはずだ。

そもそも予防教育支援とは何のことを言っているのですか?
発達障害で特に自閉症の場合は、ずっと小さい時から「困ること」がたくさんあるのがわかっていただけますか? パニックをしたくてしていると思いますか? 過敏性で困っていたいと思っていると思っているのですか?
ともかく、困っている状態がたくさんいっぱいあって、その状態を少しだけよくしてもらって、それがどうして「予防教育支援」なんですか?
「予防教育支援」とかいうと、発達障害でも、全然困っていない人に、家族が無理やり人格改造か何か始めるという意味ですか?


>
>ただし、発達障害児を家族の誰からも独立した一個の人格と認めた場合、
>家族の要望が即発達障害児本人の要望にならないことは明らかだろう。
>少なくとも、わりかし幼い発達障害児本人が自分から
>「問題行動を改善するために予防教育を受けたい」
>と切望する姿を俺は想像することができない。
>面白い遊びでも用意しておけば、話は別かもしれないが。。。

発達支援の実際を頭で考えているだけなのですね。それならそれで別にいいと思うのです。今までのコメントでは、いかにも専門家という感じで書かれておられましたので。子どもの発達支援は、子どもが楽しめるものを用意しながら進めていく、楽しい体験をするのが基本だと思いますけど。
想像できない、わからにことを、ご自身の想像で空論を言っているならそれはそれでいいのではないかと思います。ただ、あくまでも実態をご存知のない立場でということを明確になさってくださったらよかったのに。

>
>みーぽんさんのコメントを見る限り、
>発達障害児本人と家族の利害や要望を混同していないことはよく分かる。
>ちゃんと、「一保護者として」という立場で発言しているしな。
>そして、保護者の要望を実現させようとすることも間違っていない。
>ただし、どんな支援を子供に受けさせる時にも自覚的であってほしいのだ。
>「自分としては子供のためを思ってやっている療育支援でも、
>それは発達障害児であるわが子自身が何を望んでいるかということとは、
>無関係なのだ」と。

その通りですが、だから何だというのか、そこまで書いていただけませんか? だから発達支援をすることはけしからないと読めますが。
困った状態で放置される絶望感、パニックの際のどうしようもなさ、周囲の言葉の恐さとか、「わが子自身が何を望んでいるかどうかわからないから」放置して置けないというのは、ある意味、本人の立場ではないのかしら。どう見たって、本人が困った状態なら、少しでも困らない形で手伝ってくれた方がいいですよね。
言葉で説明できる本人には、言葉で語れる段階で、保護者がやったことの是非も含めて話し合えばいいのではないのですか? 

[#1957] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/7(火) 1:29 -

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   ▼素朴な疑問さん:

俺におっかけが出てくるとは珍しいね。

[#1959] Re:発達障害者支援法
 みーぽん  - 04/12/7(火) 12:54 -

引用なし
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   POLINECIAさん、ご返信ありがとうございます。
ちょっと夜は子供にかける時間がどうしても多くて、遅くなってしまいましたm(__)m

▼POLINECIAさん:
>俺はこのスレッドの中で、
>発達障害者とその家族,職業的支援者(秋桜さんのような立場の人だな),
>専門家は協力者であるとともに利害が1枚岩ではないとコメントした。
>正確には「1枚岩ではない場合もある」と言った方が正確かもしれない。
この理論に関してはおっしゃるとおりだと私も思います。
たしかに、利益という面から純粋に見れば。
ただ、実際の現場では違っていると思いますよ。
もちろん、生活の手段としてのみの理由で働いている方もなかにはいるでしょう。
(虐待事件なんかもありましたしね…)
でも私の経験からでは、大多数の職業的支援者のかたが真剣に子供のことを考え、私たち親子は助けられています。
そして、職業的支援者の方の助けが無ければ、私はいまだに子供に対して怒り続け、子供はパニックすら親に理解してもらえなかったことでしょう。

>みーぽんさんが言うように、
>発達障害児の予防教育支援を最も重視する家族の立場から見れば、
>発達障害者支援法のメリットはそれなりにある。
>その点は俺もジョンさんとのやりとりの中で認めてきたはずだ。
ごめんなさい…予防教育支援がどういうものをさすのか、実はイメージがわかないのです。
たぶん、療育の事を指しているのかなとは思ったのですが…。

>ただし、発達障害児を家族の誰からも独立した一個の人格と認めた場合、
>家族の要望が即発達障害児本人の要望にならないことは明らかだろう。
>少なくとも、わりかし幼い発達障害児本人が自分から
>「問題行動を改善するために予防教育を受けたい」
>と切望する姿を俺は想像することができない。
>面白い遊びでも用意しておけば、話は別かもしれないが。。。
たしかにそうです。
本人はあくまで本人であって、それ以外ではありえない。
親と子供は別人格です。所有物でもありません。
支援する上で一番いい理想は、発達障害者本人が自分の将来を見据えて"的確"に判断し、家族が惜しまず協力できればいいわけです。
…ですが、現実には発達障害を持ち、どうしても精神遅滞が起こりがちである上に、まだ幼い幼児に将来を見据えてどうしたいか考えろといったところで、無理な話です。
また、ここはアスペのかたが多くいらっしゃいますが、現実には言葉を持たない自閉のお子さんもたくさんいらっしゃるわけです。
心では感じていても、意思の疎通がまだできない。
また、自分で自分の進路を考えられる年齢に達するまで待っていては、実際には遅すぎてしまうのです。
そこらへんの事情はご存知かと思います。

親は教育の義務があります。
いや、そんなものなくても幸せに生きてほしい、少なくとも自分よりは、と思うものです。
私自身アスペの傾向が強くありますから、自分の子がだいたいどんなところでつまづくかはある程度は予測できます。
つまづくことはいい経験だと思うのです。
ですが、ほっておくのは間違いです。
子供が自分で解決できそうなことは本人にさせますが、アスペの特性上どうしてもできないこと・我慢できないことなんかもあるわけです。
それを親や支援者が理解し、子供と一緒に、どう現実的に社会と共存できるスタイルに替えていけるか考えてあげるのが大切だと思うのです。
本人の苦痛を思えば、それは幼いうちからはじめなければなりません。

療育というのは子供を社会順化させるものではありません。
その発達障害の特徴をよく捉え、子供にとってどんなスタイル(絵・写真・音)が最も本人に理解しやすいかを見つける作業でもあります。
また、他人を意識していない子供たちに、他人のなかにも信頼できる人間がいる・理解してくれる仲間がいるんだよということを覚えてもらう場でもあります。
そしてもっと大事なことに、親が発達障害を少しづつ理解し、今まで問題だと思っていたことがそうではないんだ、と気づく場なのです。
そして、無理やり「普通」に押し込むのではなく、こうすれば子供に無理の無い方法で集団生活もうまくできるんだということを、親子ともに学ぶ場なのです。
>
>みーぽんさんのコメントを見る限り、
>発達障害児本人と家族の利害や要望を混同していないことはよく分かる。
>ちゃんと、「一保護者として」という立場で発言しているしな。
>そして、保護者の要望を実現させようとすることも間違っていない。
>ただし、どんな支援を子供に受けさせる時にも自覚的であってほしいのだ。
>「自分としては子供のためを思ってやっている療育支援でも、
>それは発達障害児であるわが子自身が何を望んでいるかということとは、
>無関係なのだ」と。
私自身は常に心の中で自問しています。
「これは本当にこの子のためなのか?自分のためではないのか?」
POLINECIAさんのこの考え方は非常に大事なものだと、私も思っています。
へたをすれば自分が克服したいことを子供の中に投影してしまう、そういった危険性を常にはらんでいるともいえます。
心に刻み付けておきたいです。

[#1968] Re:発達障害者支援法
 ジョン メールホームページ  - 04/12/7(火) 23:26 -

引用なし
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   ▼素朴な疑問さん:
>法律の施行については、発達障害支援センター以外は規定されていないのではないでしょうか? 

素人ではありますが、発達障害者支援法の解説をします。
法案は以下の通りです。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g16101013.htm
ここで、支援とは、「生活全般にわたる支援を図り、
もってその福祉の増進に寄与するため、発達障害を早期に発見し、
発達支援を行うことに関する国及び地方公共団体の責務を明らかに
するとともに、学校教育における発達障害者への支援、
発達障害者の就労の支援、発達障害者支援センターの指定等に
ついて定める」ことを言います。
当然ですが、発達障害支援センター以外にも、
第13条の児童相談所の規定にもあるように、
関係機関と連帯することが定められています。

>法律の施行がどうこうという話と、厚生労働省や文部科学省の予算執行はリンクしていますが、同じものではないのではないでしょうか?
リンクしていますので、同じものです。

>予算がどこへ行くのかを心配するよりも、予算がつくのかの方が切実な問題ではないですか? 
ご自分でお書きになっているように、上記の通りですので、
法律の施行と予算執行は同じものです。

>法律そのものについて、予算が自動的につくようなものではなく、法律ができては見たけど、できただけで何もない可能性のほうがはるかに高いのではないでしょうか? 取らぬ狸の皮算用をするよりも、まずはせっかくできた法律をたてにとって、予算をもらえるように声をあげていく方が有益だと思っています。
世の中では、既に以前から、予算の使い方について議論されています。
予算獲得について議論する必要を感じている方はおられないようです。
私も同じように考えていますが、考えが甘いでしょうか。
例として、ある県の議論を紹介します。
http://www.interq.or.jp/japan/aschiba/domoto/domoto_2002answer.htm
自閉症協会では「2.自閉症に関する各種施策を立案されるときは、
私たち千葉県支部から直接ヒアリングして決定してください。
A(障害福祉課):
今後自閉症に関する施策等の立案については、千葉県支部と協議して
対応したい。」と県側と議論して、予算獲得の議論ではなく、
予算の使い方について議論を行っています。

>いかに本人たちのところに有効に予算が回ってくるように、どう提案するかが問題なのではないでしょうか?
いかに本人たちのところに有効に予算が回ってくるようにするか、
私とPOLINECIAさんは議論してきました。

>>話は全く変わり、本題と違って来ますが、TEACCHというプログラムがあります。(以下略)
>? 誰かが儲けたという純粋に考えた方がよくないですか?
主催者の1人である朝日新聞社の方と話をしましたが、
朝日新聞社では利益はなく、むしろ拠出しているという話でしたので、
私は、TEACCHプログラムの活動資金になったと思っています。

>講師を海外からファーストクラスで夫婦で、それも複数よんだということなのでしょうか? 
>国内で具体的な、本人の支援に必要なメニューを考えて提案したとして、そんなにかかりませんよ。講師の費用は公的にやる場合は規定で決まっています。
講師はゲーリー・メジボフ先生でしたので、
交通費はアメリカの往復で約50万円ぐらいだと思います。
私は、TEACCHプログラムの活動資金になったと思っています。

>>発達障害者の支援が、第二の道路公団にならないように、本当に必要と
>>している方に届くことを願って止みません。

>まったく理解できません。「第二の道路公団」になるくらいの予算が来ると本気で考えているのですか?
>まずは予算を獲得できるかどうかが問題なのではないでしょうか? そんなに当たり前に予算は来ませんよ。総額を減らしているのに。
>法律ができたけど何もないことが起こらないように、本人の支援にこれが必要という提案をした方がいいと思っています。
http://www.mhlw.go.jp/wp/seisaku/jigyou/jizen/syougai.html#52
発達障害者支援法のなかった平成13年に
「自閉症・発達障害支援センター運営事業費」として
1億円の予算がありました。これでは不足ですが、今回、
発達障害者支援法が成立し、発達障害支援センター以外の支援が
予定されていることから、今回の予算は、この比ではないと考えています。

>都道府県の精神保健福祉センターで、成人発達障害者の支援の場を作れとか。もちろん、これも行きたい人が行けるようになので、そこに行くと、「犯罪防止」「治安維持」に利用されると思う人は行かなければいいだけだと思います。
今回の法律は、第5条第1項、第5条の2に記載されているように、
第五条 市町村は、母子保健法第十二条及び第十三条に規定する
健康診査を行うに当たり、発達障害の早期発見に十分留意しなければならない。
2 市町村の教育委員会は、学校保健法第四条に規定する健康診断を
行うに当たり、発達障害の早期発見に十分留意しなければならない。
とあるように、1歳児検診、3歳児検診、入学時検診と国民全体に、
投網をかけるように、その発達障害の検診を義務付けています。

以上、細かく述べましたが、これまでの議論が要点からそれているように、
本来、すべき議論がされていないことが残念です。
そのため、私とPOLINECIAさんは、支援が本当に必要としている方々に
行き渡るための方法を議論してきました。
これまでの議論を精査されて、ご理解いただきますようお願い致します。

[#1970] 補足
 POLINECIA  - 04/12/8(水) 0:41 -

引用なし
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   やれやれ、ずいぶんにぎやかなスレッドになったもんだ。

▼みーぽんさん:

>ごめんなさい…予防教育支援がどういうものをさすのか、
>実はイメージがわかないのです。

キーワードが出揃っているのでできれば自力で調べた方がいいとは思う。
俺も含めてこのサイトでは色々な人間が色々な思惑を持って情報を流す。
そう簡単に中立性のある情報を得ることは難しいと言っておこう。

そのことを断った上で俺から説明をする。
あくまでご自身でもお調べになって、よく吟味されることを希望する。

予防というのはコミュニティーモデルの心理学で使われる言葉で、
第1次予防,第2次予防,第3次予防の3つのレベルで考えている。

第1次予防…問題が起こらないように予防していく活動
第2次予防…「問題」が起きてしまった場合早期に対応し、
      「症状」がこじれ慢性化させないようにする作業
第3次予防…「障害」に陥った人が社会的,経済的な不利益を蒙らないように、
      それ以上のマイナスを背負ってしまわないようにする努力。

(山本和郎『コミュニティー心理学』東京大学出版 1986年参照)

そして、現在の障害者支援は全体的に第1次的予防,
第2次的予防に力を入れる場合が多い。
発達障害児支援の場合も例外ならずで、
発達障害者支援法案にも「早期発見,早期対応」
という条文が盛り込まれている。

>たぶん、療育の事を指しているのかなとは思ったのですが…。

今、みーぽんさんのお子さんが受けている指導は
第1次的予防に属する予防教育と言える。

早期発見,早期対応を軸とした予防教育に対する批判としては
以下のようなものが挙げられる。

1.先回り的であり、発達障害児が選択する余地がなくなる。
 (これは前に紹介した1994年のサラマンカ宣言に沿った批判)

2.「問題を起こしそうな子供」の管理装置になってしまう可能性がある

3.早期対応といいながら、早期対応するためのノウハウが確立されて、
 早期発見,告知によって家族の不安だけを煽る結果に陥っている。
 (この批判は技術的なもので、技術的問題が解決すれば消滅する)

4.発達障害児ばかりに焦点を当て、
 取り巻く環境を改善するという観点が欠如している。
 (これは以前に紹介したDPI,日本障害者フォーラム,JDなどから、
 批判が出されている)

どう判断されるもみーぽんさんの自由だが、
自分が賛成する意見,反対する意見の両方を吟味する癖を
身につけておくことだけはお勧めしたい。

以上だ。

[#1972] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/8(水) 1:12 -

引用なし
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   ▼ジョンさん:
>そのため、私とPOLINECIAさんは、支援が本当に必要としている方々に
>行き渡るための方法を議論してきました。
>これまでの議論を精査されて、ご理解いただきますようお願い致します。

とりあえず、
支援法にはまだ議論すべき点がたくさん残っているということが
この掲示板のメンバーに伝わったという意味では大成功だったと言える。
特に俺の意見に反対していた人間ほど、
支援法の意味について深く考えていたみたいだったしな。
(特に雰囲気だけで条文をよく読まずに賛成したり,
反対したりするのが一番まずいことだと思う)

様々なフォローに感謝。じゃあな。

[#1973] Re:補足
 素朴な疑問  - 04/12/8(水) 1:18 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:
>やれやれ、ずいぶんにぎやかなスレッドになったもんだ。
>
>▼みーぽんさん:
>
>>ごめんなさい…予防教育支援がどういうものをさすのか、
>>実はイメージがわかないのです。
>
>キーワードが出揃っているのでできれば自力で調べた方がいいとは思う。
>俺も含めてこのサイトでは色々な人間が色々な思惑を持って情報を流す。
>そう簡単に中立性のある情報を得ることは難しいと言っておこう。
>
>そのことを断った上で俺から説明をする。
>あくまでご自身でもお調べになって、よく吟味されることを希望する。
>
>予防というのはコミュニティーモデルの心理学で使われる言葉で、
>第1次予防,第2次予防,第3次予防の3つのレベルで考えている。
>
>第1次予防…問題が起こらないように予防していく活動
>第2次予防…「問題」が起きてしまった場合早期に対応し、
>      「症状」がこじれ慢性化させないようにする作業
>第3次予防…「障害」に陥った人が社会的,経済的な不利益を蒙らないように、
>      それ以上のマイナスを背負ってしまわないようにする努力。
>
>(山本和郎『コミュニティー心理学』東京大学出版 1986年参照)

何かえらく古い本を出してきましたね。どうせなら、もう少し新しいものを出したら?
特にこの領域の専門でもないのだから、あんまり専門家ぶらずにやればいいのに。

>
>そして、現在の障害者支援は全体的に第1次的予防,

あのね、発達障害は、特に自閉症領域に関しては、発達最早期にはもう障害特性は発現しているわけで、第一次予防なんて言うなら、出産前に何かをするとかいう場合でしょ? すでに、生まれた直後に、過敏性などの問題のある人はもう「問題」が出て、「症状」に回りが振り回され、下手をすると虐待や心中につながっているわけですよね。
ポリネシアさんは、関連領域の専門で、DPI関係か何かの方なんでしょうけど、もう少し、発達障害の人たちの発達的な問題の現われや、障害特性を調べてから書き込んだら?

>第2次的予防に力を入れる場合が多い。
>発達障害児支援の場合も例外ならずで、
>発達障害者支援法案にも「早期発見,早期対応」
>という条文が盛り込まれている。
>
>>たぶん、療育の事を指しているのかなとは思ったのですが…。
>
>今、みーぽんさんのお子さんが受けている指導は
>第1次的予防に属する予防教育と言える。

どうしてそう言い切れるんですか? すでに困っていることがあるかもしれないし、二次的問題が少しあるかもしれないし。療育=第1次的予防という発想そのものが空論ですよ。何故、それがわからないのだろう?

>
>早期発見,早期対応を軸とした予防教育に対する批判としては
>以下のようなものが挙げられる。
>
>1.先回り的であり、発達障害児が選択する余地がなくなる。
> (これは前に紹介した1994年のサラマンカ宣言に沿った批判)
>
>2.「問題を起こしそうな子供」の管理装置になってしまう可能性がある
>
>3.早期対応といいながら、早期対応するためのノウハウが確立されて、
> 早期発見,告知によって家族の不安だけを煽る結果に陥っている。
> (この批判は技術的なもので、技術的問題が解決すれば消滅する)
>
>4.発達障害児ばかりに焦点を当て、
> 取り巻く環境を改善するという観点が欠如している。
> (これは以前に紹介したDPI,日本障害者フォーラム,JDなどから、
> 批判が出されている)

こうした改善すべき点があるのは確かだと思いますよ。ただ、だからといって、発達障害の人たちが、支援の場から排除され(本当に、排除されてきたんですよ。その痛みがわかります?)てきた現状を放置してよいということにはならないと思います。どうも、DPIのHPの反対声明などは、そうした発達障害の人の抱えてきた痛みに対する共感が感じ取れないですね。身体障害の方たちと異なる障害特性がありうるという想像力を持って欲しいと思います。
まずは法的に、支援が欲しい人は支援をもらえるような位置付けをして、その上で、現在、検討されつつある他のいろいろな障害も含んだサービス法案などのなかでサービスを考えるという手順しかないでしょう。

>どう判断されるもみーぽんさんの自由だが、
>自分が賛成する意見,反対する意見の両方を吟味する癖を
>身につけておくことだけはお勧めしたい。

みーぽんさんは、両方の意見を吟味されているのでは? すでに。
ポリネシアさんご自身のご意見がとても中立だとは思えないですよ。明らかに、DPIをはじめ、法案に反対してきた人たちの意見の流れと同じものです。(それ以上の独自性も発展もないですね)。発達障害の人たちについての理解のなさからきている発言だと思います。障害のありようによって、同じ障害のなかでも違いがあるのを理解していただくことは難しいのでしょうか。

せっかく書き込まれるなら、アスペ本人の方が助けられる具体的施策の提言の方に力を貸せばいいのに。法案の危惧や不安を煽ってばかりいる段階ではないでしょう。法案をもとに、必要なことを社会に理解させることが必要なことなんじゃないんですか?

[#1974] Re:発達障害者支援法
 素朴な疑問  - 04/12/8(水) 1:23 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:
>▼ジョンさん:
>>そのため、私とPOLINECIAさんは、支援が本当に必要としている方々に
>>行き渡るための方法を議論してきました。
>>これまでの議論を精査されて、ご理解いただきますようお願い致します。
>
>とりあえず、
>支援法にはまだ議論すべき点がたくさん残っているということが
>この掲示板のメンバーに伝わったという意味では大成功だったと言える。
>特に俺の意見に反対していた人間ほど、
>支援法の意味について深く考えていたみたいだったしな。
>(特に雰囲気だけで条文をよく読まずに賛成したり,
>反対したりするのが一番まずいことだと思う)

それで、あなたのアスペ本人の方にとっての提言は?
それができないんなら、結局、あなた自身が一番この法案を理解していなかったことになるのでは?

あなたの意見は意見というほどの内容はなく、ただただ後ろ向きの「態度」が放置できないと感じてお付き合いしただけのことです。途中で、専門家ではないのだということがわかりましたので、それならそれで仕方ないと思いますが。
法律をどうこうより、発達障害の人のことをもう少し理解していただきたいと願います。

[#1976] Re:補足
 POLINECIA  - 04/12/8(水) 2:52 -

引用なし
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   ▼素朴な疑問さん:
>せっかく書き込まれるなら、アスペ本人の方が助けられる具体的施策の提言の方に>力を貸せばいいのに。法案の危惧や不安を煽ってばかりいる段階ではないでしょ
>う。法案をもとに、必要なことを社会に理解させることが必要なことなんじゃない>んですか?

そう思うなら、頑張ってくれ。
俺への反論などにエネルギーを浪費している場合じゃないぞ。

[#1978] Re:発達障害者支援法
 ジョン メールホームページ  - 04/12/8(水) 6:19 -

引用なし
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   ▼素朴な疑問さん:
>それで、あなたのアスペ本人の方にとっての提言は?

ジョンです。私は1人のアスペルガー者としてできるところから
やっています。
例えば、参加させて頂いている自助グループで希望を発言し、
その希望がゆくゆくは専門家を通じて、政府や自治体に届けば
ありがたい、と思っています。

これまでに紹介したように、自閉症協会は、政府や自治体との
交渉に主な役割をはたしていますが、
(障害福祉課:今後自閉症に関する施策等の立案については、
千葉県支部と協議して対応したい。)
もし、自閉症協会と異なる意見があれば、自助グループからの
提言を伝えたい、という希望があります。

自助グループは全国にいろいろあり、また、立ち上げ中のところも
あります。自助グループ間の協力ができればよりよくなるのでは、
と思っています。草の根的な地道な活動も重要だと思っています。

この掲示板を見ておられる当事者の方が、個人で意見を
主治医の先生や支援機関に伝えるだけではなく、団体として
自分の意見を伝えたいと思うなら、お近くの自助グループに
参加されるのも1つの方法ではないかと思います。

早速、内閣府共生社会政策統括官において、当事者の意見を募集
していることをフリージアさんが[#1958]でアナウンスして
頂きましたので、昨夜、情報を送りました。

私は、かねがねグループ間の意見が異なっても、協力していく
ことが重要だと主張してきました。それがアスペルガー者の
ためになるのではないかと思っています。
改めて、相互協力による意見のボトムアップを提案したいと
思います。
  

[#1985] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/8(水) 13:18 -

引用なし
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   ▼素朴な疑問さん:
>それで、あなたのアスペ本人の方にとっての提言は?
>それができないんなら、結局、あなた自身が一番この法案を理解していなかったこ>とになるのでは?

それぞれが己の問題意識に従って、
必要なサポート提言を行っていくことの方が大切だと思っている。
そして、様々な切り口から問題にアプローチしていくことが、
長い目で見て発達障害児・者の生活の改善につながると思っている。
という訳で、素朴な疑問さんが自分の問題意識に従って、
自分が主張したいサポートを矢面に立ちながら、
主張していけばよいことになるだろう。

素朴な疑問さんが主張する支援についても、
今後様々な異論が出されていくだろう。
そして、それは全く当たり前のことだと思っていただきたい。
支援を求めていく,見直しを求めていくというのはそういうことだ。

[#2002] Re:発達障害者支援法
 素朴な疑問  - 04/12/8(水) 23:39 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:
>▼素朴な疑問さん:
>>それで、あなたのアスペ本人の方にとっての提言は?
>>それができないんなら、結局、あなた自身が一番この法案を理解していなかったこ>とになるのでは?
>
>それぞれが己の問題意識に従って、
>必要なサポート提言を行っていくことの方が大切だと思っている。
>そして、様々な切り口から問題にアプローチしていくことが、
>長い目で見て発達障害児・者の生活の改善につながると思っている。
>という訳で、素朴な疑問さんが自分の問題意識に従って、
>自分が主張したいサポートを矢面に立ちながら、
>主張していけばよいことになるだろう。

やっぱり発達障害の支援と関連付けて、発達障害者支援法案を理解することは難しかったようですね。
具体的な支援のイメージがないからとんちんかんな批判ばかりを繰り返すことになりますよね。具体的な支援のイメージすらなくて批判をしていたのかと、少しがっかりしました。いくら専門家でなくても、これまでこれだけ法律の解釈を我が物顔でしてきたなら何かはイメージがあるのかと期待した方が馬鹿でした。今回、法案に反対した人たちは共通の、こういう発達障害に対するわかった振りで、否定的な側面(これがあることは全くそのとおりですよ)ばかりに注目をひき、不安を煽って、だから反対という方が多かったですね。イデオロギーとして、区別は差別みたいな、個別の配慮事態がけしからないという人もいましたね。もちろん、ある部分はわかりますよ。でも、だからといって、支援が必要な人が支援が受けられなくてそれでいいことにはならないでしょう。新たに法律を作らないといけないだけの大変さがそこにあったんだということにもっと共感をもって下さい。

>素朴な疑問さんが主張する支援についても、
>今後様々な異論が出されていくだろう。
>そして、それは全く当たり前のことだと思っていただきたい。
>支援を求めていく,見直しを求めていくというのはそういうことだ。

だからさ、ものには順番があるんだと思います。異論を言うのは、法律の施行状況を見て、それこそ、見直し期間の3年あたりで考えればいいことでしょ? まずは、この法律でアスペ成人の本人のためにどういう支援を作り出せるかを考える段階でしょう。デメリット以前に、メリットを作り出すようにできる範囲の協力をしてみることが先だと思います。
やっとできた法律に無邪気に喜びを感じて何が悪いの? 今は冷や水じゃなくて、具体的な支援の要望プランが必要なんだと思います。

[#2003] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/9(木) 0:16 -

引用なし
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   ▼素朴な疑問さん:
>やっとできた法律に無邪気に喜びを感じて何が悪いの? 

特に無邪気に喜ぶことを禁止するつもりもないぞ。
いちいち俺にそんなことを問い合わせる必要もない。

[#2006] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/9(木) 8:44 -

引用なし
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   おっと、もう一点忘れるところだった。

▼みーぽんさん:
>>発達障害者とその家族,職業的支援者(秋桜さんのような立場の人だな),
>>専門家は協力者であるとともに利害が1枚岩ではないとコメントした。
>>正確には「1枚岩ではない場合もある」と言った方が正確かもしれない。
>この理論に関してはおっしゃるとおりだと私も思います。
>たしかに、利益という面から純粋に見れば。
>ただ、実際の現場では違っていると思いますよ。

俺がこの件についてこだわるのは以下のような事件があったからだ。
(元ネタが毎日新聞HPから削除されているんで、一部引用で失礼する。
プライバシー保護のため、一部実名を伏せる)

>養育の悩みから自閉症の長男(当時14歳)を殺して殺人罪に問
>われた神戸市北区道場町生野、元新聞販売店従業員、T被告に対し、
>神戸地裁は15日、懲役3年、
>執行猶予5年(求刑懲役6年)を言い渡した。笹野明義裁判長は、
>情状酌量で「できる限りの世話を長年続けるなど同情できる点が
>多い」と述べた。T被告の友人や医療関係者、障害者団体などから
>、刑の減軽を求める嘆願書約2万人分が集まっていた。
>[毎日新聞5月16日] ( 2003-05-16-00:57 )

この手の事件は他にもあるのだが
「医療関係者、障害者団体などから、刑の減軽を求める嘆願書約2万人分」
というところにご注目いただきたい。
俺は某支援団体に自閉本人,自閉児の家族,
ボランティアという複雑な立場で所属していたから、
当然俺の元にも嘆願書への署名願いが送られてきた。
この保護者がとても気の毒だと思ったが、署名はしなかった。
殺した子供が自閉児だったら減刑されるという話にはついていけなかったからだ。
そして、2万人もの専門家,支援者,家族が自閉児の立場には立てず、
家族の立場で動かざるを得ない現実があった。

そして、新聞記事の最後にはこう記されている。

>弁護人は「被告の子どもへの愛情を理解した判決で評価できる」
>と話した。

この記事はその後も度々自閉児の家族の支援を訴えるために、
利用されている。

確かに支援を必要としている自閉児家族が多いことは間違いないだろう。
しかし、この記事からは自閉児と家族もまた
異なる利害を抱えているという事実が看過されている。
あるいは自分の障害を自覚している自閉児・者がこの事件を知ったら、
どんな反応をするかといったことについても触れられていない。
俺が四者の利害を混同してはならないと言っているのはそういう意味もある。

で、俺が今の法案について見直しが必要だと考えているポイントは1つ。
結論から言えば、
支援法には「発達障害児に対する差別禁止条項」
を今よりも具体的に設けておく必要があると考える。
それは単純に発達障害児に対する体罰,虐待の禁止だけではなく、
療育のような本人の自由を制限する可能性のある支援についても、
何をやってよく何をやってはならないのかを
明確に規定しておいた方がいいだろう。
もちろん言葉のない発達障害児・者もいて、
こんなことを要求できない場合が多いことは重々承知しているが、
「差別禁止条項」はむしろそういう発達障害児・者にこそ必要と言える。

以上だ。

[#2011] Re:発達障害者支援法
 みーぽん  - 04/12/9(木) 13:34 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:
>>養育の悩みから自閉症の長男(当時14歳)を殺して殺人罪に問
>>われた神戸市北区道場町生野、元新聞販売店従業員、T被告に対し、
>>神戸地裁は15日、懲役3年、
>>執行猶予5年(求刑懲役6年)を言い渡した。笹野明義裁判長は、
>>情状酌量で「できる限りの世話を長年続けるなど同情できる点が
>>多い」と述べた。T被告の友人や医療関係者、障害者団体などから
>>、刑の減軽を求める嘆願書約2万人分が集まっていた。
>>[毎日新聞5月16日] ( 2003-05-16-00:57 )
>
>この手の事件は他にもあるのだが
>「医療関係者、障害者団体などから、刑の減軽を求める嘆願書約2万人分」
>というところにご注目いただきたい。
>俺は某支援団体に自閉本人,自閉児の家族,
>ボランティアという複雑な立場で所属していたから、
>当然俺の元にも嘆願書への署名願いが送られてきた。
>この保護者がとても気の毒だと思ったが、署名はしなかった。
>殺した子供が自閉児だったら減刑されるという話にはついていけなかったからだ。
>そして、2万人もの専門家,支援者,家族が自閉児の立場には立てず、
>家族の立場で動かざるを得ない現実があった。
>
うーん、恥ずかしながら、私および主人もこの事件を知りませんでしたね。
悲しいかな、メディアでこういう事件はあまり取り上げてくれない現実がつらい。

私がPOLINECIAさんの立場ならどうだったろう…かなり複雑な心境ですね…
POLINECIAさんと同じ行動をとったかもしれないし…
でも、子供の行動やパニックで苦しんでいた直後なら、署名してたかもしれないですね。
けれど、本当に客観的に見るなら、たとえどんな理由があるにせよ、子供(他人)の命を奪うことの罪は変わらないはずですからね。
本来なら、嘆願書はおかしなものですね。
どうしても養育できないなら(理由が自閉症であっても病気であっても)、本当は施設へ預けるなりの他の措置を子供のために考えてあげるのが親の務めのはずですしね。

問題の根っこの部分に見え隠れするもの。
アスペの人などは情緒の部分が少し欠落してるせいもあってか論理的・合理的な見方が強くなる傾向が多いようですが、現実的には世間一般の多くの方々は、言ってる事は論理的に見えて実のところは感情の部分に強く支配されているように感じています。
「かわいそうだから」「なんとなくわかる(気がする)から」
大多数の人は単にそういう考えで署名していたのでは。
もちろん自閉症に対する偏見も大いに関係あるだろうとは思っていますが。
それにしても、自閉症児には共感してもらえないんだなぁ…

>で、俺が今の法案について見直しが必要だと考えているポイントは1つ。
>結論から言えば、
>支援法には「発達障害児に対する差別禁止条項」
>を今よりも具体的に設けておく必要があると考える。
>それは単純に発達障害児に対する体罰,虐待の禁止だけではなく、
>療育のような本人の自由を制限する可能性のある支援についても、
>何をやってよく何をやってはならないのかを
>明確に規定しておいた方がいいだろう。
>もちろん言葉のない発達障害児・者もいて、
>こんなことを要求できない場合が多いことは重々承知しているが、
>「差別禁止条項」はむしろそういう発達障害児・者にこそ必要と言える。
>
なるほど!
発達障害者本人を直接的に守る意味で、ですね。
私は法律にはまるで詳しくないですが、明文化することに賛成ですね。
特に発達障害者(児)はただのわがままに見えてしまう、本人の努力が足りないと思われてしまう。まったくそうでないのに。
「しつけが足りないんだ!」という誤った世間の認識が本人も家族も支援者をも泥沼に引きずりこみます。
発達障害の社会への理解を進めるのと同時に、少しでも悲しい事件を防ぐために
少しでも早く発達障害者の人権をはっきりと守っていく必要があると考えます。

掲示板ってホント面白いですね。
立場の違う、経験も違う人間が、違った視点から意見を交換できる。
当然、対立もする。
でも対立するからこそ、意見をすり合わせていけば、より先が見えてくる。
理想が球体だとすれば、一方向から見て丸に見えても実は円柱かもしれない。
いろんな人間がさまざまな角度から見て余分な部分を切り取って足りない部分を足していけば、限りなく球に近づいていく。

発達障害者支援法もそうであってほしいですね。
というか、そうしていけるように行動していく、できることから。

[#2012] Re:補足
 みーぽん  - 04/12/9(木) 13:51 -

引用なし
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   詳しい説明、ありがとうございますm(__)m


▼POLINECIAさん:
>どう判断されるもみーぽんさんの自由だが、
>自分が賛成する意見,反対する意見の両方を吟味する癖を
>身につけておくことだけはお勧めしたい。
>
もっともだとは思うんですけど。(^^;)ゞ

ただ、とても時間がとれずに日々忙殺される人間もいるわけです。
誰でも忙しいとは思いますが、一時的に時間が取れないこともある。
しかし、会話している最中に席をはずしっぱなしなのは相手に失礼ですよね。
で、話の一部の部分に関して説明をお願いしたわけですね。
総てを吟味してからでは、遅くなりすぎてしまって通常会話に加われなくなってしまうものです。(^^;)ゞ

[#2016] Re:発達障害者支援法
 秋桜  - 04/12/9(木) 15:37 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:
こんにちは。秋桜です。

>俺がこの件についてこだわるのは以下のような事件があったからだ。
>(元ネタが毎日新聞HPから削除されているんで、一部引用で失礼する。
>プライバシー保護のため、一部実名を伏せる)
>
>>養育の悩みから自閉症の長男(当時14歳)を殺して殺人罪に問
>>われた神戸市北区道場町生野、元新聞販売店従業員、T被告に対し、
>>神戸地裁は15日、懲役3年、
>>執行猶予5年(求刑懲役6年)を言い渡した。笹野明義裁判長は、
>>情状酌量で「できる限りの世話を長年続けるなど同情できる点が
>>多い」と述べた。T被告の友人や医療関係者、障害者団体などから
>>、刑の減軽を求める嘆願書約2万人分が集まっていた。
>>[毎日新聞5月16日] ( 2003-05-16-00:57 )
>
>この手の事件は他にもあるのだが
>「医療関係者、障害者団体などから、刑の減軽を求める嘆願書約2万人分」
>というところにご注目いただきたい。
>俺は某支援団体に自閉本人,自閉児の家族,
>ボランティアという複雑な立場で所属していたから、
>当然俺の元にも嘆願書への署名願いが送られてきた。
>この保護者がとても気の毒だと思ったが、署名はしなかった。
>殺した子供が自閉児だったら減刑されるという話にはついていけなかったからだ。
>そして、2万人もの専門家,支援者,家族が自閉児の立場には立てず、
>家族の立場で動かざるを得ない現実があった。
>
>そして、新聞記事の最後にはこう記されている。
>
>>弁護人は「被告の子どもへの愛情を理解した判決で評価できる」
>>と話した。
>
>この記事はその後も度々自閉児の家族の支援を訴えるために、
>利用されている。

私はこの事件を知っていました。他に心中事件などもありましたね。きっと色々な所で悩んでいるご家族があると思います。

ところで今年の7月上旬に毎日新聞でこの事件についてある弁護士がコメントされていたのをご覧になったでしょうか。自閉症について4日くらい連載されていたので、恐らくご存知かとは思いますが。
詳しい記事は職場にあって、今手元にないので大まかな内容しか書けないのですが、その弁護士さんは減刑に反対されていました。自分の子どもも自閉症なので、一緒に暮らす大変さはよく分かる。だからと言って減刑されるというのは間違いだし、そういう事件を起こす前に「もう面倒を見ることができない」と助けを求める方がお互いのためだったという内容でした。読んでいて非常に共感できました。

私が言いたいのは関係者であっても様々な意見を持っている人がいるし、できたらそういう記事も併せて紹介した上で議論をしてほしいということです。

「家栽の人」という漫画にも殺人事件を犯した少年に桑田判事が「人の生命を奪える程の不幸は存在しない。」一喝する場面があります(第八巻p.143)。当時この言葉を聞いたのは中学2年生でしたが、非常に重みを持って私に迫ってくることがあります。
こういうことを考えている「職業的支援者(であり、かつAS当事者)」もいるということをお忘れなく。

[#2028] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/10(金) 0:52 -

引用なし
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   ▼秋桜さん:

>ところで今年の7月上旬に毎日新聞でこの事件についてある弁護士がコメントされ>ていたのをご覧になったでしょうか。自閉症について4日くらい連載されていたの>で、恐らくご存知かとは思いますが。

7月4日の記事だな。記事の存在は知っている。
俺が掲載した2003年5月16日の記事が毎日新聞に掲載された後、
さすがに複数の障害者団体から「障害児殺しを正当化している」
とクレームがついて、7月4日の記事ではトーンが変わっている。
減刑に反対する見解が紹介されているのもそのせいだろう。
(ま、俺も抗議した1人だったから、他人ごとのように言うのも何なんだが)

今、ネット上で元記事を探しているのだが、
デッドリンクになっているようだな。
見つかり次第掲載するので、夜露死苦!!

[#2054] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/11(土) 2:30 -

引用なし
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   POLINECIA再び参上、と。

▼秋桜さん:
>ところで今年の7月上旬に毎日新聞でこの事件についてある弁護士
>がコメントされていたのをご覧になったでしょうか。自閉症につい
>て4日くらい連載されていたので、恐らくご存知かとは思いますが。

元記事は少し探すのに手間取っている。
だが、この記事があったことは俺もよく記憶していると言っておこう。
元記事を掲載できないのはやや心もとないが、
意見が異なりDMなどでコンタクトを取ったことのない両者が、
「確かに見た」と言っているということで納得してもらうしかなかろう。

>その弁護士さんは減刑に反対されていました。自分の子どもも自閉症なので、一緒>に暮らす大変さはよく分かる。だからと言って減刑されるというのは間違いだし、>そういう事件を起こす前に「もう面倒を見ることができない」と助けを求める方が>お互いのためだったという内容でした。

ほぼこういう主旨だったと記憶している。この点も保障しよう。

>私が言いたいのは関係者であっても様々な意見を持っている人がいるし、できたら>そういう記事も併せて紹介した上で議論をしてほしいということです。
(中略)
>こういうことを考えている「職業的支援者(であり、かつAS当事者)」もいるとい>うことをお忘れなく。

他意はないが、紹介しなかったことの不備は認める。
一方で、今回の意見は例えば自閉児の家族,職業的支援者,
専門家を断罪するために掲載している訳ではないということも指摘しておこう。

他の法律をかじっている連中がどうなのかは知らないが、
俺は法律や契約書を読む時は常に最悪の状況を想定しながら読んでいる。
ちょっとした法律や契約書の抜け穴が本人の不利益を招くからな。
(この辺はkwaiさんの意見に近い)
発達障害者支援法についてもこの点について例外ではない。
もちろん、秋桜さんが言うように良心的な関係者というのも多いだろう。
そして、発達障害者,家族,職業的支援者,専門家の歯車がうまく噛み合い、
支援が円滑に行われているという場合もあるだろう。
こんな時に法律の出番はほとんどないと言っていい。

しかし、4者の歯車が噛み合っていない場合はどうか?
ちょうど俺が掲載した毎日新聞の「障害児殺しの温情判決」記事や
つい最近別のスレッドで紹介された福岡県自閉症・発達障害支援センター
「ハレルヤ館」の不祥事のようなケースがこれに該当する。

http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200411/571.html
http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200411/561.html
http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200411/554.html

法律の出番が回ってくるのは本来こういう時だ。
そして、俺はこれらの最悪の状況に照準を当てながら、
発達障害者支援法において防止する術がないかどうかを検討している。
その結果としていきついた結論が、
「4者の歯車が噛み合っていない時に、発達障害児・者の人権が保護されたり,
行使できる権利が明確に規定される必要がある」
というものだった。
(「行使できる権利」については
言葉のある発達障害者にしか利用できないという難点はあるが、
発達障害児・者の未来のために用意をしておく必要があると思う)

少し回り道をしたが、
秋桜さんの問題提起に話を戻そう。
俺が提示している事例は発達障害児の家族,職業的支援者,
専門家がすべからく悪質であると言おうとしているのではない。
法律というものの性質上、
発達障害児・者本人の幸福にとって最悪の状況を吟味しながら、
考えを進めていく必要があると述べているに過ぎない。

この辺、齟齬が発生している可能性があるので、
念のために指摘しておいた。

なお、俺が提示しているような問題を考える時は、
以下のような文献が役に立つ。
既に読んでいるかもしれないが、いちおう紹介しておこう、

(参考文献)
・松友了編著『知的障害者の人権』
・副島洋明『知的障害者 奪われた人権』
・『アメリカの発達障害者権利擁護法 「ランダーマン法の理論と実践」』
・日本弁護士連合会人権擁護委員会編『障害のある人の人権と差別禁止法』

いずれも明石書店刊

こんなところだ。

[#2129] Re:発達障害者支援法
 理沙  - 04/12/13(月) 10:41 -

引用なし
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   ▼POLINECIAさん:
>で、こっちがみーぽんさんの見解のうち、
>俺の議論と絡んでくるところだ。
>
>▼みーぽんさん:
>>アスペルガーの子を持つ親として、秋桜さんの書いてくださったレスは、まさし
>>く!私の実情を代弁してくれたかのように感じました。
>>発達障害者支援法、成立直後(つまり現時点)の一人の親の実情はこんなもんです。
>
>俺はこのスレッドの中で、
>発達障害者とその家族,職業的支援者(秋桜さんのような立場の人だな),
>専門家は協力者であるとともに利害が1枚岩ではないとコメントした。
>正確には「1枚岩ではない場合もある」と言った方が正確かもしれない。
>特に発達障害児本人がそもそも障害児扱いされること自体を望まない場合、
>支援をしたい家族や職業的支援者との利害は対立するものとなるだろう。
>そして、その中でこの支援法は発達障害者の
>メリットを最も優先させたいという立場から発言をしている。
>要するに「発達障害児本人が困っていること」に対して、
>何ができるのかという視点でこの支援法を見ているのだ。
>
>みーぽんさんが言うように、
>発達障害児の予防教育支援を最も重視する家族の立場から見れば、
>発達障害者支援法のメリットはそれなりにある。
>その点は俺もジョンさんとのやりとりの中で認めてきたはずだ。
>
>ただし、発達障害児を家族の誰からも独立した一個の人格と認めた場合、
>家族の要望が即発達障害児本人の要望にならないことは明らかだろう。
>少なくとも、わりかし幼い発達障害児本人が自分から
>「問題行動を改善するために予防教育を受けたい」
>と切望する姿を俺は想像することができない。
>面白い遊びでも用意しておけば、話は別かもしれないが。。。
>
>みーぽんさんのコメントを見る限り、
>発達障害児本人と家族の利害や要望を混同していないことはよく分かる。
>ちゃんと、「一保護者として」という立場で発言しているしな。
>そして、保護者の要望を実現させようとすることも間違っていない。
>ただし、どんな支援を子供に受けさせる時にも自覚的であってほしいのだ。
>「自分としては子供のためを思ってやっている療育支援でも、
>それは発達障害児であるわが子自身が何を望んでいるかということとは、
>無関係なのだ」と。

うちの子は小学5年生ですが、クラス中からなぜ問題行動を起こしてしまうのか?とせめられ、自分でも解らない。治したくてもなぜそうなってしまうのかわからないと、みんなの前で泣きました。本人も出来ることなら、自分でわかるものなら、そんな行動はとりたくないと言ってます。自分から療育を望んで受けています。

[#2134] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/13(月) 13:03 -

引用なし
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   ▼理沙さん:
>うちの子は小学5年生ですが、
>クラス中からなぜ問題行動を起こしてしまうのか?
>とせめられ、自分でも解らない。
>治したくてもなぜそうなってしまうのかわからないと
>、みんなの前で泣きました。本人も出来ることなら、
>自分でわかるものなら、そんな行動はとりたくないと言ってます。
>自分から療育を望んで受けています。

俺がテーマにしているのはあくまで早期発見,
早期対応の対象となる学齢期期前〜小学校低学年ごろの子供の話だ。
発達障害児本人が周囲の目や自分の障害を気にしはじめることの多い、
小学校高学年については別のことを言わなければならなくなる。
ついでに言えば「本人との合意」ということを重視するならば、
合意ある療育支援を開始することができるのはこの時期からということになる。
もちろん、それでは遅すぎるという早期発見,早期対応論者もいるが、
果たしてこのサイトに顔を出している中途診断の発達障害者たちが、
「もう手遅れになった発達障害者」に見えるかどうかは、
よくご確認いただきたい。

それはともかく、「発達障害者の自発的意志」については、
以下のような場合を考えてみる必要がある。
例えば、子供本人が問題を起こすことに悩んでいるが、
解決策として大人からは「療育」という選択肢しか示されていない。
そのような場合、その子供は自発的な選択をしているように見えながら、
実は自由な選択はできていないかもしれない。

あるいは俺のダチが提示しているテーマに即して言うなら
それは好きで選んでいるのか仕方なく選んでいるのかいうことも問題になる。
例えば、いじめられている子供が「障害を治して」と泣き叫んだからと言って、
それを簡単に「本人がそう望んでいるのだ」と言いきっていいのかという話だ。
窮鼠が「何でもいいから、助けてくれ」と叫んだからと言って、
緊急の場合を除いて本当に助けるために何をしてもいいのかという点については、
議論の余地がある。
俺だったらその場合、一旦本人をいじめから保護して、
ある程度状況が落ち着いてから「お前は一体何を望んでいるのだ?」
と問いなおすだろう。
選択肢は発達障害児に対する最低限の人権保障がなされた上で複数示されるべき、
というのが俺の見解だ。

理沙さんのお子さんと直接関わっている訳ではないので、
どのような状況で「療育」を望んだのかという経緯については
もう少し詳しく話を聞かなければ分からない。
今のところ言えることは、
もし理沙さんのお子さんのようなケースがあったとしても
「早期発見,早期対応」と発達障害児本人の自己決定の問題に
決着がつく訳ではないということだ。
そして、自己決定はまだ難しいという前提を受け入れる場合でも、
発達障害児を取り巻く環境の改善,児自身の権利保障といった課題は
依然として残る。

[#2190] Re:発達障害者支援法
 秋桜 メールホームページ  - 04/12/14(火) 17:26 -

引用なし
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   昨日職場へ行く用事があったので、以前話題になっていた毎日新聞の記事を家に持って帰ってきました。

以下に記載します。これは7月3日〜7月7日に連載された「うちの子 自閉症児とその家族」の第1回目に載っていました。

−−−−−−−−−−−−ここから−−−−−−−−−−−−
毎日新聞 平成16年7月3日(土)朝刊(27ページ)
うちの子 自閉症児とその家族1
(略)
 14歳の自閉症の息子のパニックに悩み、手にかけてしまった父親にも取材を申し込んだ。執行猶予付きの有罪判決が出て、刑が確定している。
 「私と長男の生活は決して終わってしまうことはありません。今も一緒に呼吸し、眠り、会話を交わす毎日です。私の人生のすべてだった」
 丁重に取材を断る文面から息子への愛情と悔恨がにじみ出ていた。
 しかし、障害児を道連れにした心中事件を調べている市村大三弁護士(51)は「普通の殺人が懲役10年なのに、障害児を殺した親は重くて懲役5年。執行猶予が付くこともある。温情判決は命を軽んじている」と主張する。親に同情しての減刑嘆願運動にも批判的だ。「障害児の親の気持ちが分かっていない」と批判されることもあるが、「殺すくらいなら放り出せばいい。殺されるよりどれだけいいか」と反論する。市村弁護士の長男(15)の長男も自閉症だ。
    ×              ×
この豊かで成熟した時代に、なぜ自閉症児の親たちは追い詰められるのか。
悲しみに暮れる遺族の家から追い出された後、ボーッとしたまま私は携帯電話で自宅をコールした。聞きなれた妻の声に続いて、「あはーはん(おとーさん)」。うちの子の声が聞こえた。
−−−−−−−−−−−−ここまで−−−−−−−−−−−−

[#2201] Re:発達障害者支援法
 POLINECIA  - 04/12/14(火) 23:51 -

引用なし
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   ▼秋桜さん:
>昨日職場へ行く用事があったので、以前話題になっていた毎日新聞の記事を家に持>って帰ってきました。
>
>以下に記載します。これは7月3日〜7月7日に連載された「うちの子 自閉症児>とその家族」の第1回目に載っていました。

確かに確認した。感謝する。

なお、この記事を見て新たに補足することは特にない。

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