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やれやれ、ずいぶんにぎやかなスレッドになったもんだ。
▼みーぽんさん:
>ごめんなさい…予防教育支援がどういうものをさすのか、
>実はイメージがわかないのです。
キーワードが出揃っているのでできれば自力で調べた方がいいとは思う。
俺も含めてこのサイトでは色々な人間が色々な思惑を持って情報を流す。
そう簡単に中立性のある情報を得ることは難しいと言っておこう。
そのことを断った上で俺から説明をする。
あくまでご自身でもお調べになって、よく吟味されることを希望する。
予防というのはコミュニティーモデルの心理学で使われる言葉で、
第1次予防,第2次予防,第3次予防の3つのレベルで考えている。
第1次予防…問題が起こらないように予防していく活動
第2次予防…「問題」が起きてしまった場合早期に対応し、
「症状」がこじれ慢性化させないようにする作業
第3次予防…「障害」に陥った人が社会的,経済的な不利益を蒙らないように、
それ以上のマイナスを背負ってしまわないようにする努力。
(山本和郎『コミュニティー心理学』東京大学出版 1986年参照)
そして、現在の障害者支援は全体的に第1次的予防,
第2次的予防に力を入れる場合が多い。
発達障害児支援の場合も例外ならずで、
発達障害者支援法案にも「早期発見,早期対応」
という条文が盛り込まれている。
>たぶん、療育の事を指しているのかなとは思ったのですが…。
今、みーぽんさんのお子さんが受けている指導は
第1次的予防に属する予防教育と言える。
早期発見,早期対応を軸とした予防教育に対する批判としては
以下のようなものが挙げられる。
1.先回り的であり、発達障害児が選択する余地がなくなる。
(これは前に紹介した1994年のサラマンカ宣言に沿った批判)
2.「問題を起こしそうな子供」の管理装置になってしまう可能性がある
3.早期対応といいながら、早期対応するためのノウハウが確立されて、
早期発見,告知によって家族の不安だけを煽る結果に陥っている。
(この批判は技術的なもので、技術的問題が解決すれば消滅する)
4.発達障害児ばかりに焦点を当て、
取り巻く環境を改善するという観点が欠如している。
(これは以前に紹介したDPI,日本障害者フォーラム,JDなどから、
批判が出されている)
どう判断されるもみーぽんさんの自由だが、
自分が賛成する意見,反対する意見の両方を吟味する癖を
身につけておくことだけはお勧めしたい。
以上だ。
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