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アスペルガー症候群当事者の会社員、笛と申します。
私は2年前にアスペルガー症候群の確定診断が出たばかりです。
検査を受けようと決めたきっかけは、私が色々な原因から抑うつ状態になり、心療内科で抗うつ剤を処方されていたのですが、予後が思わしくなく、
私の日頃からの言動を見ていた知人が、「AS」の可能性を指摘してくれたことです。
その知人はお子さんがADHDであることから、発達障害について詳しく勉強されている人でした。
私はその時はアスペルガー症候群ということばを聞いたこともありませんでしたので、不審に思いながらもインターネットで詳しく調べました。
インターネットで手に入るだけの情報を集め、幼い頃からの自分に照らし合わせ、独りよがりの判断に頼らないよう、姉が記憶していることは確認し、
何よりも自分が今現在も困っていることが多く、その困っている原因がアスペルガー症候群に由来するものであるなら、
自分の特性を知り、少しでもこれからの生活を楽に生きられるよう相談したり適切なアドバイスをもらったりするために、検査を受ける決心をしました。
不思議なことに、アスペルガー症候群というものを知るまでは、自分のことを駄目な人間としか捉えていなく、したがって「困り感」「生きにくさ」などという事は感じていませんでした。そんな単語について考えたこともありませんでした。
自分がいかに困っていたか、を知ったのです。
医療機関もインターネットで調べました。
私には自分が記憶している限り、誰かに聞いて情報を得るという考えが思いつきにくいらしく、可能な限り本やインターネットなどのデータベースを利用することが多いです。
成人のアスペルガー症候群や発達障害などを診療科目に揚げている医療機関で、通院可能圏内にあるところを見つけ、電話をして「アスペルガー症候群の検査を受けたい」と言って予約を入れました。
そのクリニックは、初診は1ヶ月に一人しか診ないため、私の初診日は1年後でした。
予約を入れた段階で、初診日に持参するものとして、母子手帳・小学生の頃の成績表と言われました。
また初診当日、医師と面談する前に発達障害に関わるような設問の問診票や検査希望に至った経緯などを記入しました。
医師との面談では、母子手帳や成績表を参照しながら1時間ほど医師の質問に答えました。
私は文章を書くのはまだ良いのですが、そういう場面では特に何を話したらいいのかわからなくなり、無言になってしまい説明どころではなくなるからです。
(又、医師は私が視線を合わせて会話をすると集中力に欠けてしんどいことに気づき、無理をして目線を合わせなくても良いと言ってくれたおかげで、今でも私は主治医の顔をよく知りません。)
医師は、その場でアスペルガー症候群の可能性を指摘しました。それで検査へ進むことになりました。
色々な質問項目の書いてある用紙を数枚宿題にもらいました。
(特に幼い頃のことでよく知っている人から話を聞いて書いてくるように、という指示のあるものもありました。)
2回目の予約時は、WAIS-Rという知能検査を受けました。その後医師から1時間ほど質問を受けました。前回もらった宿題の返答についてでした。
3回目の予約時は、脳波の検査を行いました(20分間)。その後医師から前回の知能検査の結果説明がありました。
4回目の予約時は、脳波の検査結果の説明と今までの検査や私との会話、小学校6年間の成績表の担任教師のコメント、質問票の答えなどから総合して、アスペルガー症候群の確定診断がおりました。
長くなってしまってすみません。
ですから、私の場合は初診から確定診断までに3ヶ月強かかったことになります。
脳波の検査はしない医療機関もあると聞きました。
主治医は、脳波検査でてんかん波が見られる場合、それがパニックの原因となる可能性を考慮し、パニック発作を起こしにくくするため、抗てんかん薬を処方します。
現在私は、この抗てんかん薬と最少量の抗うつ剤、あとはその時々の状態に合わせて睡眠導入剤などを処方してもらっています。
通院は1ヶ月に1回です。
もちろん、アスペルガー症候群自体が完治するわけではありませんが、処方薬のせいでパニックが減り、色々な面で生活が楽になったことも大きな利点ですし、
困った事や疑問を定期的に専門家に相談出来るので、具体的な生活面で非常に助かっています。
ご参考になれば、と思います。
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