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この国(日本)では、少数派(精神障がい者や発達障がい者や外国人など)は差別されています。私たちは、この国における差別の問題をどう考えれば良いのでしょうか。
「人に・なるべく・後ろ指を指されないようにしよう」というのは当り前の事です。でも「少数派は・人に・なるべく・後ろ指を指されないようにしよう」と言うのは間違っています。「差別をする社会や政治体制やマスコミなどに反対しよう」という意見に対抗する形で、「少数派は・人に・なるべく・後ろ指を指されないようにしよう」と言うのは間違っています。それは「差別は「自業自得」だ」という考えです。「差別は「自業自得」だ」という考えは間違っています。それは差別への加担以外の何物でもありません。
世の中には色々な人たちがいます。現代社会では、誰だって犯罪の加害者にも被害者にもなる可能性があります。多数派(例えば日本人の健常者)による犯罪も少数派による犯罪も、ユートピアでも実現しない限り、なくなりません。少数派がいくら自分の言動に注意したって、少数派(や少数派であると疑われた人など)による犯罪をなくす事など不可能です。そして少数派(や少数派であると疑われた人など)による事件が起きる度に、少数派を差別する報道は繰り返されます。事件が大きければ大きい程、マスコミはセンセーショナルに報道します(「ヒロヒトラーが死んだ時のセンセーショナルな報道」や「死刑制度を支持するセンセーショナルな報道」などの事を考えて下さい)。
「人に・なるべく・後ろ指を指されないようにする」努力がユダヤ人に足りなかったから、ユダヤ人はナチス・ドイツに虐殺された訳ではありません。ユダヤ人が虐殺されたのは「自業自得」だ、などという考えは間違っています。ナチス・ドイツを打倒する事によってしか、強制収容所からユダヤ人を助け出す事は出来なかったのです(この部分は比喩です。「マスコミには、ナチス・ドイツと共通する部分が沢山ある」と私は思っています。でも「だから、マスコミを暴力で打倒しよう」などと私は主張している訳ではありません)。少数派に対する差別をなくすためには、少数派を差別する社会や政治体制やマスコミなどを変革しなければなりません。
……ナチス・ドイツは、精神障がい者の事も虐殺しました。ナチス・ドイツの犯罪は、ナチス・ドイツを支持した一般のドイツ人の犯罪でもありました。戦争(アジア太平洋戦争)中の日本で、「自分たちが・人に・なるべく・後ろ指を指されないようにすれば、差別はなくせると考えた少数派の人たち」は国家(天皇制国家)に屈伏し、戦争に協力していきました。私たちは、これらの事も記憶する必要があります。私たちは、間違いを繰り返さないようにしなければなりません。これらの事についても触れておきたい、と私は考えます。
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