アスペルガーの館の掲示板

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[#2111] 秋桜(コスモス)の部屋オープン Shinyu(管理人) 04/12/12(日) 17:30 [未読]

[#2706] Re:音韻学習 風呂糸 05/1/2(日) 14:42 [未読]
[#2743] Re:音韻学習 秋桜 05/1/4(火) 12:19 [未読]

[#2706] Re:音韻学習
 風呂糸  - 05/1/2(日) 14:42 -

引用なし
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    風呂糸です。
今年もよろしくです。

最近感銘を受けたHPからの引用です。
先住民の多くは文字を持たなかったので、より印象に残り気持ち良い形へと変化していったのでしょうか、言葉の音、韻を大切にしていたようです。
そして、口から口へと口承されていったようです。

江戸時代から100年余りでアイヌ文化はほぼ絶滅させられてしまい、
形の残らないそれらの多くは失われてしまったようですが、近年先住民の文化の豊かさが広く知られるようになり、復活させようとしている人も多いようです。
日本人は、アイヌ民族・縄文系と渡来系の弥生民族系とのハイブリッド、混血と言われております。
ただ残念ながら、現在のこの国の象徴とされてる一家が渡来系らしいので、古事記や日本書紀以前の歴史は殆ど失われてしまって、研究も余りされていないようで残念です。
でも青森の「三内丸山古墳」など、「縄文文化は原始人のようだった」という説を覆すような発見が多く見つかり、最近では、「縄文文化は地球上で1万年続いた、最も優れた文化文明ではなかったのか?」という説まで出てきております。(当時は完璧なリサイクル社会だっただろうし)

またアイヌ民族は船を操る事にも長けており、中国へなども行っていたという記録があります。
中国においては漢文の五言律詩などが、やはり韻をふみますよね。
僕は漢文を読んでいると情景が浮かぶので好きなのです。。。
以下のHPからのリンクで「いなばの白兎」の話もアイヌ語で語ると、その本当の形がわかる、と解説されていて非常に興味深いです。

---------------------------------------
以下引用。

アイヌ文学の特徴
http://www.dai3gen.net//ainubun.htm

知里真志保は「アイヌ民譚集」(岩波文庫赤81-1)の注記(p236)で「同語を反復し、対語で畳み、時には頭韻を利かせて、流れるような行文の上に汲みとるばかりの音調美をただよわせていることがある。」 と書いています。これは同書のパナンペ説話に関する注記で、サンプルとして、同説話から次の個所を挙げています。

punkar kari peka pon-kusan pon chikappo    蔓(つる)を伝って可愛らしい小鳥が    p,k,p の反復    
terke terke kane    あっちへ飛びこっちへ飛び    同語の繰り返し    

そして、「語る者にも聞く者にも非常にソノラスな印象をもたらすのである。この音調的な美しさはアイヌ文学の特徴の一つであって文字の無かったため主として聴覚に訴えられることも原因の一つであろうと思う。」としています。

私が、ヤマトタケルの「カガナベテ」説話に見た、このソノラスな印象も、日本語だけからは感じることが出来ないものです。

こういうアタマでおりますと、見るもの聞くものがしばしばアイヌ語で解読すると興味あることが判ることがあります。

ここに静岡県賀茂郡河津町田中にある「杉鉾別命神社」の由緒、があります。

由緒

御神体を浜の方に祀ると船が進まなくなるので、天城山の方角に祀ると言う。

往古、杉鉾別命が酒に酔っぱらって野原の枯れ草の中で眠ってしまった。
その時野火が起こり、命はすっかり取り囲まれて絶対絶命の状態になった。
するとどこからともなく小鳥の大群がやってきて、濡れている羽から水滴をたらしていった。
いくどもいくども繰り返された。さしもの野火も消え、命は危うく一命をとりとめることができた。 当社の氏子達は12月17日から24日までの一週間は酒を断ち、小鳥を捕らない事になっている。神社の掲示では鶏肉、卵も食さないとしているが、12月23日までとしている。

この由緒の中心部分の核となる語をアイヌ語で対比してみますと次のようになります。

杉鉾別命が酒に酔っぱらって野原の枯れ草の中で眠ってしまった。その時野火が起こり、命はすっかり取り囲まれて絶対絶命の状態になった。 するとどこからともなく小鳥の大群がやってきて、濡れている羽から水滴をたらしていった。いくどもいくども繰り返された。さしもの野火も消え、命は危うく一命をとりとめることができた。    我・呑む=chi ku
枯れ草=chi kina
野火=sir uhuy
小鳥の大群=chirruy
小鳥の大群=chikap ruy
小鳥の大群=chikap rup

鳥=chir とも言う(雅語)
濡れている羽=chirir rap
水滴が落ちる=wakka chik    

即ち、知里の書き方を真似れば、ch, k, r,の繰り返し、頻出がとても目立っています。もう少し特定的に言うと、
chi-ku, chi-kina, chikap, chirir, chik のようにchiで始まる語群、
rap, rup の類似音節の調和(対立),
chikap(鳥) ruy(群)を採れば sir(土地) uhuy(燃える) との踏韻、
chir(鳥) ruy(多い) を採れば sir uhuy との韻はもっと近くなる

日本語で聞けば他愛ない伝説ですが、起源はアイヌ語(おっと、縄文語か?)で語られていた物語ではなかったでしょうか。ヤマトタケルの野火にあった話の原形か?

最近解析していた「因幡の素兎」

http://www.dai3gen.net//sirousagi.htm

「隠岐の三つ子島」「伊予の二名島」なども、日本語へ翻訳されたため失われてしまったこの種の「ソノラス」な或いは言葉の遊びが原語(?)ではハッキリと覗えるのが判る。
---------------------------

長文失礼しました。

[#2743] Re:音韻学習
 秋桜 メールホームページ  - 05/1/4(火) 12:19 -

引用なし
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   ▼風呂糸さん:
> 風呂糸です。
>今年もよろしくです。

秋桜です。今年もよろしくお願いいたします。

>最近感銘を受けたHPからの引用です。
>先住民の多くは文字を持たなかったので、より印象に残り気持ち良い形へと変化していったのでしょうか、言葉の音、韻を大切にしていたようです。
>そして、口から口へと口承されていったようです。

古代の日本語は今の音韻体系とかなり異なるようですね。
以前言語学の授業で習った事があります。沖縄ことば(ウチナー口)の音韻に近いらしいとも聞いた事があります。
文字を持たない民族の音声を記録する作業は現在世界中で行われており、記録手段としては映像や音声の他、国際音声字母(IPA:International Phonetic Alphabet)という物が用いられています。

>江戸時代から100年余りでアイヌ文化はほぼ絶滅させられてしまい、
>形の残らないそれらの多くは失われてしまったようですが、近年先住民の文化の豊かさが広く知られるようになり、復活させようとしている人も多いようです。
>日本人は、アイヌ民族・縄文系と渡来系の弥生民族系とのハイブリッド、混血と言われております。

民族学的には日本人というのは究極の混血人らしいですね。私の父の実家は昔からアイヌ民族と交流があったと言われる地域で「アイヌの血が混じっているかも」と以前聞いた事があります。そのせいか私は体毛がすごく濃いです(^^;)。
夫の父親の実家の方は昔シベリアからインド・ヨーロッパ語族(つまり白人)が移住したのでは?という地域で、そのせいか夫は一見「ハーフ?(今はミックスとかダブルって言うんでしたっけ?)」という顔立ちをしています。

>ただ残念ながら、現在のこの国の象徴とされてる一家が渡来系らしいので、古事記や日本書紀以前の歴史は殆ど失われてしまって、研究も余りされていないようで残念です。
>でも青森の「三内丸山古墳」など、「縄文文化は原始人のようだった」という説を覆すような発見が多く見つかり、最近では、「縄文文化は地球上で1万年続いた、最も優れた文化文明ではなかったのか?」という説まで出てきております。(当時は完璧なリサイクル社会だっただろうし)

色々調べていくときっと興味深い結果が出てくるんでしょうね。私の父の実家の地域もアイヌと交流があった反面すごく閉鎖的という特色もあり、わりと血族結婚が多い所です。風習なども独特のものがあります。
江戸時代ぐらいまでは日本の社会は世界に類を見ないリサイクル社会だったそうですね。最近現代文明が進んでいる、とは思えない面もあると感じています。染色などの技術もむしろ飛鳥時代の方が優れていたとか。もちろんこれらの恩恵にあずかれていたのは一部の特権階級であり、多くの人たちはそういった文化や技術の存在も知らずに亡くなっていたのでしょうが。

>またアイヌ民族は船を操る事にも長けており、中国へなども行っていたという記録があります。
>中国においては漢文の五言律詩などが、やはり韻をふみますよね。
>僕は漢文を読んでいると情景が浮かぶので好きなのです。。。
>以下のHPからのリンクで「いなばの白兎」の話もアイヌ語で語ると、その本当の形がわかる、と解説されていて非常に興味深いです。

漢文に関しては受験科目にあったので勉強していましたが、私も好きでしたね。NHK教育の「漢詩を読む」という番組も見ていました。
アイヌ語は以前萱野茂さんというアイヌ研究の第一人者の方がラジオで話をされていたのを聞いたことがあります。意味はよく分からなくてもとても耳に心地いい響きでした。そう言えば学生時代言語学で音韻の勉強をしたとき、沖縄の音韻体系の話になり、沖縄出身の人が「那覇は本当はナーファって言うんだよ。お年寄りだと今でもそう言っているよ」と教えてくれたのが今でも印象に残っています。
ちなみに父の実家は「イ」と「エ」が混同してしまう地域で、父は今でも「エンピツ」が「インピツ」になっています。

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