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▼ニワトリさん:
管理人の秋桜です。言語聴覚士として病院や行政機関で発達障害の子どもたちの支援をしてきました。子どもの頃は自閉症やアスペルガーの特性が強かったのですが、療育などの支援を受けて育ち、今は日常生活や仕事は問題なく暮らせています。
仕事柄知能検査などを行うので、こちらの印象を述べさせてください。
>こないだ、本などで、自分のことを「発達障害」に違いない、
>と思った僕は、かつて「うつ」でお世話になったことのある精神科へ、
>診断してもらいに行って来ました。
>+αのカウンセリングとWAIS-Rを受けました。
>結果はというと、有意差は認められず、常同行動もナシ、
>ということで、以下のようになりました。
> ・シゾイド(パーソナリティ障害)
> ・SAD
>(これらは、「うつ」の時に一度診断済みで、
> 改めて確定診断を受けたことになります。)
>
>ここで疑問点があります。
>こういうことを自分で言うのはおこがましい気がして、
>医師にも伝えなかったのですが、
>僕は、自分の弱点や苦手なことを自分なりに向き合って、
>克服出来るように、努めて来ました。
>そういうタイプの人でも、WAIS-Rで、
>結果に反映するのでしょうか?
ニワトリさんがどういう工夫をしてきたのかが分からないので断言はできませんが、ある程度コツや方略がつかめると改善することがあります。
以前ある視知覚系の検査を後輩に教える際、その人が苦手な分野の項目だったので「秋桜さんはどうやっているの?」と聞かれたので私のやり方を教えたところ、「あ、すごく分かりやすいです!」と言われました。後日練習を兼ねてやったら得点がアップしていましたよ。
もしくは得意な能力から迂回するような形で教えるケースもあります。最初のうちはぎこちなくてもそれがスムーズにできている人の場合は得点が伸びます。
だからこそこの掲示板ではテストの細かい項目は書かないようお願いしています。練習すれば当然得点が伸びてしまうからです。
ただニワトリさんの状況に関しては実際に面談したり、WAIS-Rの結果を見ないことには何とも言えません。
>また、シゾイドという診断結果に対しては、
>的外れとは思いませんが、しっくり来ません。
>(最近、昔のことを思い出すにつれ、ますます
> 「発達障害」だ、と思うようになっています。)
>パーソナリティ障害と発達障害の判別は
>具体的にどうやるのでしょうか?
>(最終的にWAIS-Rに頼るしか無いのでしょうか?)
知能検査も使いますが、研究データなどではロールシャッハなど他のテストなどの結果も参考にしています(こういうのをテストバッテリーと言います)。
知能検査から分かるのはその人の情報処理の仕方、という一側面であってその人の細かい思考などがすべて分かるものではありません。
パーソナリティ障害と発達障害というのはとても似ていて、判別というのは慣れないと難しいとされています。また、パーソナリティ障害と発達障害双方の当事者というケースもいます。
対応については認知行動療法など共通している物もあるので、精神保健福祉センターなどで相談してみたらいかがでしょうか。こちらの職員の中には両方の対応を知っている方もいると思います。
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