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ニキ・リンコさんの本「教えて私の脳みそのかたち」などでも、職場や家族にカミングアウトする難しさがかかれていますが、仕事などの上で何か便宜を図ってもらう必要があってのものならともかく、特別相手にお願いをするようなことがないカミングアウトでも、というか、もしかしたら、だからこそ、悲劇的な(喜劇だったらやだな)大失敗を生むこともあるのでしょうか。
というわけで、あくまで「確実にASである」というわけではない私の、変則的なカミングアウト失敗体験を聞いていただけると幸いです。
上で書いたように、私は主治医に「君はアスペルガーっぽい」と言われ、なるほど、そういう可能性もあるのか、と思ったわけですが、確定診断が降りたわけではないので、自分で自分がASである可能性が高いのかどうか、探っていかなければならない、情報をあつめなければ、と思いました。
当時私は、大学の某医療系の専攻に在学していました。在学しているとはいっても、前年からうつ状態で授業にも参加できず、休学していたので、一緒に入学した同じ専攻の仲間はすでに4年生、国家試験の勉強の追い込みの時期でした。
人から見て私はどうだったのか、クラスの人に聞きたくて聞きたくて仕方が無かったのですが(当時、他につきあいのある人がほとんどいなかったのです。今は彼らともつきあいが無くなって、つきあいナッシング状態ですが。)、そんな時期につきまとうのは酷い邪魔になると分かっていたので、とにかく試験が終わまで待つことにしました。
しかし、試験が終わっても就職先の町に引っ越したり色々と忙しいだろうな、就職したらもっと忙しくなるだろうし、いつ聞いたら良いんだろう、と考えているうちに、試験の翌日、クラス旅行があるという情報を聞きつけました。
クラス旅行の間なら、みんな一息ついてほっとしているだろうし、私の質問に答えてくれる余裕もあるかもしれない。それだ、と思って、試験の翌日、クラスのメーリングリストで、「私はアスペルガー症候群かもしれないと言われた」ということ、授業でならっただろうけど(私たちの専攻は、医療系の中でも、特に発達障害や精神障害とかかわりの深い職種を目指すものでした)、アスペルガーとは大体こういうことだ、という説明もして、もし私の今までの行動で思い当たるようなことがあったら是非教えてほしい、と流しました。
そして・・全然返信がありませんでした。ここからは明らかに私も悪いんですが、すでに寝る準備をして睡眠導入剤を飲んでいたため脱抑制状態になっていた私は、「何でみんな返事をくれないのぉ。つまりこれは、私のアスペルガー的な行動のひとつで、不適切な機会に不適切な質問をしちゃったのかなぁ」と(もちろんこんなふざけた言葉遣いはしませんでしたが)とメールを出してしまいました。
すると、何通か同情?のメール(「一緒にいて、変な(ってASっぽいってことか?)ところなんて全然感じなかったよ」)が返ってきたのですが、それに加えて、何と言うか、トドメを刺してくれるようなお叱りのメールを一通もらいました。
とにかく、私の(一番目の)メールは、最悪のタイミングだったそうです。みんなを放っておいてあげてほしい、とも言われました。つまり、もう関わるなと。さらに追い討ちで、「このメールに返事はいりません」
私は、メールアドレスを変えて、メーリングリストから離脱しました。
死ぬほど考え抜いたタイミングが最悪だと言われ、じゃあどうすりゃいいの?と思うのですが、結論は、最初っからそんな質問するな、ということのようですね。専攻が専攻だし、興味を持ってくれる人も中にはいるかと思ったんですが、私が浅はかでした。何を専攻にしようが、仕事が何だろうが、人間、他人のことなんてどうでもいいんでしょうね。実際、私自身がそうなんですから。(困っている人を助けたくなったり、そうじゃない気もしますが、実はそうなんでしょう。)
あるいは、さっき書き忘れたんですが、私はときどきパニックをおこします。パニクって授業を飛び出したり、かばんを放り投げたり、結構派手なことをやっていました。それで、一連のメールのことも、「いつものパフォーマンス」の一種だと思われたのかもしれません。
でも、そりゃ私は目立ちたがりではありますが、そういうことをわざとやっていると思われていたのなら、すごく心外です。誰が好きで馬鹿にされる可能性のあることをやるもんですか、と言いたい。目立つなら、もっと立派なことで目立ちたい。
まあ、これは、私の一方的な視点から書いた顛末で、別の人が話せばまた別の印象を受けるような話になるのでしょうが。
どう考えても「あんたが悪い」という意見しかいただけないような気がしますが、何かレスしていただけたら光栄です。
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