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ひきこもり支援相談士さんこんにちは。ひこもりの現状打破については、ひきこもりが発覚して後から周囲の人間が慌てて動きはじめたのでは、当人のかかえている問題がすでに複雑化深刻化しているため、根本からの解決が非常に難しくなっているケースが多いと感じます。発達障害者のひきこもりは全体の三割(発達障害者の全人口中を占める割合からすればこの数値はとても大きいです)だといわれていますが、発達障害者がひきこもった場合、自尊心の問題や社会に対する絶望感、さらには本人を支えて勇気づける立場でありながら叱責を加える家族との関係とも険悪化し、こうなると本人はますますひきこもりから抜け出せなくなってしまうのです。ゲーテは「予めおもんぱかれば簡単だが、後からおもんぱかれば複雑である」といっていますが、ひきこもりについて言える事も同じで、たとえば癌は初期段階のうちに取り除けば手術の規模も小さくてすむし、延命の確率もとても高くなりますが、しかし癌の発見が遅れて問題解決が先送りされると、それだけ手術は難しいものとなるばかりでなく、再発の恐れ、さらには治療そももそもまた長期化を余儀なくされ、体力的にも治療費的にももとても高くつきます。かといって、私はひきこもっている人に援助の手を差し伸べるのに対して意味がないと言っているわけではありません。
ひきこもりの問題性は当人だけの問題として片付けるわけにはいけません。国民すべてにかかわる問題で、国民のすべてが考えなくてはならない問題です。なぜなら、ひいこもり60万人という現状は、それだけ税収が減り国力が落ちているという問題でもあるからです。国にとってそれだけの財源を今のままほったらかしにして失うくらいなら、国はちょっと今の財源をさいてまでも発達障害者問題や、ひきこもりの早期発見のネットワーク形成に尽力するくらいどうって事ないでしょう。それでももし国が財源を割くのを渋るような事があったとするなら、私は国は小学校での足し算引き算をもろくに心得ていないのかと落胆するしかなくなります。しかし、この点についても幾らか明るい展望がみえます。現に、
>23日に内閣府から発表されました全国実態調査の結果から、
>ひきこもりが全国で70万人、ひきこもり予備軍が155万人
>にも上ると推計されております。
と、やっと国も問題と真正面きって取り組みはじめたからです。ひきこもり支援相談士さんもこの点については希望をもってもいいと思います。
以下は個人的なひきこもり支援相談士さんに関する感想です。
なにごとについてもいえる事ですが、国だとか組織だとかいった人間の集団というものは、集団の規模がませばますほど鈍足で鈍感です。人間が一箇所に集まって団結したまではいいものの、実際に問題が起こった時には直ぐには反応しないし、中々動こうとしません。人間の集団化というものはたとえば戦争や災害等の様な危機的状況しか機敏には動かないものです、つまり平和で安全な時には余り役には立たない。国が党派の力関係だとか集団主義だとかいった集団的なものにかかずらい、無為化しているのをみれば明らかな事です。ニーチェは「錯乱は集団の場合は常時であるが、個人の場合は例外である」といっていますが、人間が生み出す不幸の大半は人間が集団化する事によって作られ、維持されるのです。私には世論なんていう人間の纏まりも嫌いです。いったんこいいったものに絡みこまれると人間は何も出来なくなって仕舞う。古来より多くの哲学者や賢者達が孤独を愛したのは、人間が集団化する事によってこの世のもっとも尊い善や真理やこの世の多くの美しい対象をそのブクブクと膨れ上がった下腹で簡単に踏みにじって仕舞うのを日々目撃していたからなのです。 これに対してひきこもり支援相談士さんのようにある程度の組織化はあるものの、なるべく個人単位で自由に対象に働きかける事のできる立場にある人を私は羨ましく思います。すべき事をちゃんと心得、それをすべて行動と実践に還元してゆく事が出来るからです。
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