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#どんあしさんへ
アスペルガーが知名度を得るようになったのは本当に最近で、国が『障害』として認めるようになったのも平成16年、ほんの数年前のことです。
それ以前のアスペルガーたちは、自分が他のみんなと何かちがうと感じながらも、結局自分が何者であるか分からず、一人で悩んでいたのです。
今は、こうしてインターネット検索すれば自分以外のアスペルガーの人たちと出会える場が見つかるし、自分たちの特性を知るためのサイトだっていっぱいある。昔に比べれば今のアスペルガーたちは、相当気が楽なはずです。
アスペルガーと診断されたとしたら、初めはショックかもしれませんが――私にはそのショックが分かりません。私は自分に名前をつけてもらったことで、気が楽になりましたから。
名前があるということは、他にも仲間がいるということ。さびしくはないでしょう?
それと、ショックを受けるというのは、アスペルガーのことを不安がっているだけ、本当はちゃんと知らないということでもあると思います。
私は自分がアスペルガーであることを嫌とは感じません。逆に、誇らしく思っています。自分がここまで真面目で責任感が強く、正しいことを追求しようとするのは(まあ迷惑かもしれませんが)、アスペルガーの特性なんだと思っているから。
アスペルガーはただ単に、脳の発達に偏りがあるだけのことです。
たとえば健常者は、理系50点・文系50点、合計100点だとする。
アスペルガーは理系90点・文系10点。でも合計は100点。
健常者に比べて、コミュニケーション能力が著しく欠けているけど、その分どっかに埋め合わせがあると考えてください。
その埋め合わせ分がどこにあるか、見つけるには時間がかかる場合もありますが。私なんてその埋め合わせ分を見つけるまで、25年くらいはかかっちゃいました。でも確かにこれは、常人には絶対敵わないレベルだなと思うくらい。
アスペルガーだから、という理由で落ち込まないでほしいです。それは全てのアスペルガーを否定することになります。
生きることがしんどいのは、なぜかと言えばアスペルガーじゃない人が世の中には多いからであって、逆にアスペルガーが多くて健常者が少なかったら、健常者の方が生きにくいでしょう。
どうか、お友達に同情したりしないでください。全然かわいそうではないから。
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