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▼不和里さん:
はじめまして。
文章からとてもまっとうな人柄が伝わってきました。
真面目な方だと思いました。
不和里さんが受けてきたのは、まぎれもない虐待なのに、そういう人に多い、なぐさめばかりを求めるような情緒不安定さが文には見られません。
ご自分の『分からなさの患部』をとても客観視していて、なんといいますか、大人だと思わされました。
不和里さんに必要なのは、同情などのたぐいのものよりは、会話の『技術』だとお察しします。
業務に有効な会話なら、私も教われるものなら教わりたい当事者です。
だから、私の少々の経験からしか話せないので、話半分に読んでください。
会話は、情報のキャッチボールですよね。
自分の思いの情報、お腹が空いたなど身体の感覚の情報、見聞きしたことの情報、過去、今、未来の時間をたどった情報などを、伝わるように整理して、発信しますよね。
そして、受け取った人が、受け取った物をそのまま持ち去ることもあれば、違う情報や、質問にして返してくる人もいます。
だから、自分から発信にしろ、返って来た質問への対処にしろ、必要なのは情報の整理の力、それを文章に起こす力だと思います。
返した答えを誉められるかどうかは、返してみないと分からないです。
私なんかは、自意識が不健康なので、期待されている答えや模範回答が本当は大好きなのですが、仕事の生産力をあげるためには、事実に基づいた正確な答えを返すことが適切なんです。
ASは、場の空気を見忘れてでも、事実通りの返答を生真面目にすることに、本来は向いています。
情報の整理力ですが、私は子どもの頃から図書室で本を読めていたことで、頭の中に言葉のサンプルは少々溜めておけたと思ってます。
大人になり携帯を買って、長文メールから始まり、短文にしたほうがいいよと教わって、短文に削るための読み直しを努力するようになりました。
パソコンも買って、短文の欲求不満をパソコンの長文で発散できるようになり、でも読み返すと、ポロが沢山あることが分かり、これも読み直しをするようにしました。
つじつまや起承転結のきれいに合った、きれいな文章なら、新聞が手軽です。
高学歴のプロが書いています。
配達してもらっていた頃もありました。
インターネットが自分の興味の範囲だけ見て終われるのに対し、新聞は世界の動きも、国の考えてることも、進化してる文明の一端も、自分の住まいの地方で起こっていることも、広くさらって頭に入れることができます。全部は理解できなくても、見出しを追うだけでも頭になんとなく入ります。
しかし、自分の発達障害を知り、生活を簡素化していると、古新聞をくくって縛って指定日に出しての作業も優先順位が低くなったことと、メールも読み新聞も読み職場でパソコンも使いしていたら、目が辛くなってきたことで、やめてしまいました。
欲しくなったらコンビニや販売店で110円で買えるので手軽です。
情報の整理の結果としての、文章の模範は、図書館の本でも良かったです。
日本の先端をゆく、きれいな文章を読むととりあえず切れ端が頭に入り、何かとお手本に出来るのです。
仕事場は、発達障害が無い一般の人の会話のサンプルが聞き放題です。
自分が入らない会話でも、手仕事をしながらや食べながらや残業をしながら聞き耳を立てても頭に入ります。
その中で、理解しやすい聞き取りやすい言い方や、伝わりづらい悪いお手本の言い方を聞き分けられるようになるはずです。
サンプルが頭に一定量溜まって、あんな時はこういう、こういう人にはこんな言葉づかいをする、などの基礎知識が溜まってきたら、趣味を見つけて、その話題でインターネットで会話してみると良いかもしれません。
文章を時間を掛けて考えられるので、頭の中で整理する訓練になります。
こうして掲示板に参加するのも良いことの一つだと思います。
夢中なこと、好きなこと、こだわってることって、次々と言葉がくりだせるものなんです。
ミスをしたら、逃げられます。大抵の場所は匿名ですよね。インターネットに本名を書くのは、一部の人をのぞいて危険行為なのが常識ですから。SNSにも、慣れないうち、自信が無いうちは手を出さなければいいんですから。
そしたら、普段の会話でも、スムーズに出てくる言葉が増えるはずです。
たいしていいことを書けませんでしたが、不和里さんが、経験不足による遅れを、早くたくさん取り返せるように願っています。
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