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すぴかさんへ
最近ちょっと面白い本を読みました。
「人間嫌い」の言い分・長山靖生(光文社新書)という本です。
あまり参考にも気休めにもならないと思いますが本文よりちょっと
引用してみますね。
〜「人間嫌い」というのは、いくらか偽悪的な言い方だが、仲間に甘い顔をせず、自分の信念を押し通す人間は、日本社会ではこう呼ばれる。それが現実である。それなら、人間嫌いでいいではないかというのが、まず私の出発点だった。そうやって「人間嫌い」を標榜してみると、意外とこれがけっこう楽しい。少なくとも楽である。友達がいないと不便かもしれないが、別に恥ずかしくはない。恥ずべきは自分がいないことである。自分がいてこそ、はじめて本当に他者とかかわれる。
世間では、人付き合いが下手で、ひきこもったり孤立したりするのは問題行動だと見られがちだ。だが、ひきこもり系を自覚する私の正直な感想としては、人付き合いを適当に避けて来たからこそ、誰も刺さず、刺されもせずにやって来れたのである。無理に他人にあわせることはない。無理な努力は、当人が必死であればあるほど、裏目に出ることになりかねない。それに「みんなと同じ」は、そんなにいいことなのか。みんなで赤信号を渡ってばかりきたから、今の日本はこのような状況になってしまったのではないか。人間嫌いを悪いものだとばかり考えず、もっとポジティブに評価してもいいのではないか。思うに人間嫌いは「問題」ではなく、世知辛い世の中の軋轢を適当に緩和する「解答」であるかもしれない。もしかしたら、ひきこもりの若者やうつ病の中高年層、あるいはその予備軍である繊細でまともな神経の持ち主にとって、「人間嫌い」で生きてゆくという道は、救いとなることもあるかもしれない。あるいは余計なお世話かもしれないが。
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