アスペルガーの館の掲示板

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[#6368] 障害者の精神世界 アリステイデス 05/5/12(木) 22:33 [未読]

[#6419] Re:障害者の精神世界 アリステイデス 05/5/15(日) 20:50 [未読]
[#6432] Re:障害者の精神世界 秋桜(管理人) 05/5/16(月) 11:15 [未読]
[#6439] Re:障害者の精神世界 アリステイデス 05/5/16(月) 22:38 [未読]
[#6447] Re:障害者の精神世界 秋桜(管理人) 05/5/17(火) 16:53 [未読]

[#6419] Re:障害者の精神世界
 アリステイデス  - 05/5/15(日) 20:50 -

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    秋桜さん、こんにちは。

 本当におひさしぶりですね。
 確か昨年の年末以来ですから。

 秋桜さんは一時期、聴覚障害者に近い場所にいらっしゃたんですね。 
発声発語訓練には、小さい頃に7年間くらい行っていました。

 健聴者が中心の飲み会に参加しているときの、聴覚障害を持っている
人の感覚は秋桜さんが想像された状態に近いと思います。 
 僕の場合、少しは他の参加者と会話をしますが、いかんせん、周囲が
騒がしいから、言葉の聞き取りは難しい上に疲れます。ほとんどの時間
は飲み食いと、頭の中であれこれ空想することで過ごしています。

 これも僕の場合ですが、文章に出てくる言葉の意味は知っていても、
正確な発音を知らないことがときどきあります。自分の第一言語は書き
言葉の日本語であると思ったりします。おそらく、ほとんどの健聴者とは
逆の状態でしょう。
 聴覚障害の重さが同一であっても、日本語の読み書き力は人によって
大きな差があったりするようです。このように、障害の直接的影響以外
の要素に大きく左右されるのも、障害者の現実の一部ではないかと思い
ます。

 聴覚障害は、その程度や、障害が始まった時期によって、人によって
その状態が大きく異なります。そして、自己のアイデンティティー認識、
障害者としての帰属意識に影響を及ぼしたりします。
 そういう個人差の幅の広さや、アイデンティティーの問題は発達障害
でも共通しているなあと思います。

 物理的な不自由さの問題や、経済的な不利益の問題も大きいのですが、
精神世界に対する影響も実に大きいなあと思います。

[#6432] Re:障害者の精神世界
 秋桜(管理人) メールホームページ  - 05/5/16(月) 11:15 -

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   ▼アリステイデスさん:

こんにちは、秋桜です。お返事をありがとうございます。

> 秋桜さんは一時期、聴覚障害者に近い場所にいらっしゃたんですね。
>発声発語訓練には、小さい頃に7年間くらい行っていました。

アリステイデスさんは聴覚活用や口話の訓練をされていたのですね。お話の様子を伺っていてもかなり補聴器の適応や日本語の学習はうまく行っている方なのではないかと感じています。でもそうだからと言って聴覚障害であることの大変さはあるでしょうし、むしろ健聴者との違いに気付いてしまうだけに傷つかれてきたこともきっと多いのだろうと思います。

> 健聴者が中心の飲み会に参加しているときの、聴覚障害を持っている
>人の感覚は秋桜さんが想像された状態に近いと思います。 
> 僕の場合、少しは他の参加者と会話をしますが、いかんせん、周囲が
>騒がしいから、言葉の聞き取りは難しい上に疲れます。ほとんどの時間
>は飲み食いと、頭の中であれこれ空想することで過ごしています。

コミュニケーションを取るのにある程度の工夫や努力が必要ですよね。相手がそれを厭わない人ならいいのですが、コミュニケーション障害のある人と接したことがない人には難しいのかもしれません。

> これも僕の場合ですが、文章に出てくる言葉の意味は知っていても、
>正確な発音を知らないことがときどきあります。自分の第一言語は書き
>言葉の日本語であると思ったりします。おそらく、ほとんどの健聴者とは
>逆の状態でしょう。

日本語は口語と文語では微妙に異なります。アスペルガーの方は一般的に文字情報の方が理解しやすいのでその辺も似ている面があるのかもしれません。また会話というのは非言語のルールや常識が多く、刻一刻とそれが変化します。ある情報が得づらいとその流れが途絶えますから、不自然さや違和感が出てしまうのだろうと私は考えています。

> 聴覚障害の重さが同一であっても、日本語の読み書き力は人によって
>大きな差があったりするようです。このように、障害の直接的影響以外
>の要素に大きく左右されるのも、障害者の現実の一部ではないかと思い
>ます。

そうですね。私が関わっていた人は手話が第一言語の人が多かったのですが、手話と日本語の体系は少し異なるのでそういう面で日本語の学習が難しいこともあるようです。でも聴覚障害の人でも手話を知らない人は多いですから、一概には言えないですよね。

> 聴覚障害は、その程度や、障害が始まった時期によって、人によって
>その状態が大きく異なります。そして、自己のアイデンティティー認識、
>障害者としての帰属意識に影響を及ぼしたりします。
> そういう個人差の幅の広さや、アイデンティティーの問題は発達障害
>でも共通しているなあと思います。

本当に聴覚障害も個人差が大きいですよね。アリステイデスさんがおっしゃるように聴覚レベルと日本語の能力が一致していないケースは多いです。また、障害の程度や音声言語の能力が必ずしも自己のアイデンティティーとも一致していないこともありました。

やはり小さい頃に訓練を受けたか、どのような教育を受けたか、また非言語面の理解力はどの位あるのか、家族の理解はどうだったのかといった環境要因でもかなり障害像は変わると思います。そしてこれは発達障害や肢体不自由の障害でも同じことが言えると私は感じています。

> 物理的な不自由さの問題や、経済的な不利益の問題も大きいのですが、
>精神世界に対する影響も実に大きいなあと思います。

リハビリの世界に関わっていると様々な場面で実感します。なかなか理解してもらうことが難しいと思いますが、リハビリ業務に携わる人も分かっていない人が多いと思うので、機会があったら伝えていきたいなぁと考えています。

[#6439] Re:障害者の精神世界
 アリステイデス  - 05/5/16(月) 22:38 -

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    これまでの話の流れとは、やや異なる方向の内容になりますm(___)m。

 植村英晴「聴覚障害者福祉・教育と手話通訳」という本を読んでいたら、
「聴覚障害者が誤りやすい表現」として、いくつかの事例が列挙されている
のですが、その中に、実際は「全部」を意味する「一切」を、「ひときれ」
だから「10分の1」の意味だと解釈したり、慣用句の「道草を食う」を
「道の草を食べる」の意味に解釈する等の事例が紹介されています。

 アスペの場合の「想像力の障害のせいで言葉を文字通りに解釈する」
ことに、よく似ていると思いました。

 「アスペかどうかの判定は難しい。社会性の障害、コミュニケーションの
障害、想像力の障害という3種類の障害に全部当てはまるように見えても、
実際にアスペとは限らない」ようですが、それは上に書いたような場合の
存在が考慮されているのかな?
 「簡単に判定できる性格のものではない」と一応は知っていましたが、
アスペの診断の複雑さを初めて見たような気がします。

[#6447] Re:障害者の精神世界
 秋桜(管理人) メールホームページ  - 05/5/17(火) 16:53 -

引用なし
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   ▼アリステイデスさん:
こんにちは。レスをありがとうございます。

> 植村英晴「聴覚障害者福祉・教育と手話通訳」という本を読んでいたら、
>「聴覚障害者が誤りやすい表現」として、いくつかの事例が列挙されている
>のですが、その中に、実際は「全部」を意味する「一切」を、「ひときれ」
>だから「10分の1」の意味だと解釈したり、慣用句の「道草を食う」を
>「道の草を食べる」の意味に解釈する等の事例が紹介されています。
>
> アスペの場合の「想像力の障害のせいで言葉を文字通りに解釈する」
>ことに、よく似ていると思いました。

アリステイデスさんがおっしゃるような細かい内容の取り違いは、会話の中で実際に使っている様子が分かりにくいために耳で聞いて学習する経験が少なくなるために生じることだろうと思われます。

私が関わってきた聴覚障害の人も雑誌などでよく目にする表現などは知っているのですが、それ以外の言葉は日常生活ではよく聞くものでも知らなかったり、意味を取り違えていることがありました。

だから微妙な所での言葉の使い方(専門用語では語用と言います)が異なるのかな、と感じたことがありました。そういう意味ではアスペルガーの人に似ている面はあると思います。

> 「アスペかどうかの判定は難しい。社会性の障害、コミュニケーションの
>障害、想像力の障害という3種類の障害に全部当てはまるように見えても、
>実際にアスペとは限らない」ようですが、それは上に書いたような場合の
>存在が考慮されているのかな?
> 「簡単に判定できる性格のものではない」と一応は知っていましたが、
>アスペの診断の複雑さを初めて見たような気がします。

そうですね。診断基準には明確には書かれていませんが、臨床現場ではよく知られている社会性に問題が出やすい障害というのはいくつかあります。

例えば聴覚障害以外にも先天性の水頭症、脳性麻痺(特に四肢麻痺タイプ)、二分脊椎、脳室周囲白室軟化症(PVL)といった診断があるお子さんは社会性に問題があるケースを比較的よく見かけます。知的に高いケースの場合よくおしゃべりをするので一見問題が無いようにみられてしまうのですが、よく注意してみると一方的だったり、抽象的な内容を理解しづらかったり、視知覚認知に問題があるといった傾向があり、その結果として社会性に問題が出てくるのです。

もちろん自閉症を合併しているケースもあるのですが、多くの場合は経験の偏りによって社会性に問題が出てくるタイプで、適切に対応すれば自閉症のお子さんよりも効果は早く出てきます。しかしこういうケースは「よく話せているから」という理由で言語訓練のオーダーから外れてしまうことが多いようです。そして二次障害を起こしてから親御さんが慌てる、ということもあるようです。

私が以前働いていた職場では医師や他職種の訓練士がよく気を付けてくれていたという事もあり、わりと早期からオーダーが出ていたのですが、やればやるほど「違う面もあるけど、社会性については自閉症やアスペルガーに似ている面があるなぁ」と感じていました。

だから本当にたくさんの人にこのようなケースがあることをもっと知ってほしいと思っています。

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