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▼いぬかいさん:
お久しぶりです。職場の話は私も似たような経験があるので、他人事とは思えずにレスを書いています。本当にこういう状況って大変ですよね。
発達障害の療育の職場ってグレーゾーンぽい人(中には確実にそうだよね、という人も…)が少なからずいるんです。やはり自分に何か問題を感じるからこそ専門領域を勉強する、という感じでしょうか(まあ、私も療育を経験した上で専門家になったのだから人のことは言えませんが)。
今まで5人ほど発達障害の要素が強い人を指導しなければならない状況になってしまい、あれこれ悩みながら教えていました。
いぬかいさんも書かれていますが、
>しかしホント自分の都合の悪い事は受け付けられない・・・
>社会適応の一番のカギはココだと思うんだけど・・・
これを乗り越えられないと本格的な指導は難しいと思います。あとは周りの人が気付かせるだけのエネルギーをどれだけ注げて待てるか、という事情も絡んでくるでしょう。その辺の兼ね合いで猶予期間を設けた上で周囲の人(少なくとも直接関わっている人)が連絡を取り合って行動していくことが大切になって来ると思います。
私がこのような人に対してやるのは自分なりの考え方をある程度示しながらその人の認知の特徴や考え方を評価し、その評価に基づいて方略を教えていきながら本人に考えの方略(やり方)を身につけていってもらうということでした。
その際に私が使ったのは「コーチング」という技術です。最近話題になっているのでご存知だと思いますが、これは質問をしていきながら問題点を相手自身に気付かせ、解決策を考えてもらうという方法です。ただ発達障害の人の場合は全部この方法を使うと考えが分散してしまう傾向があるので、ある程度道筋を立てながら(=対応策を教えながら)指導していました。
失敗したケースの場合はやはり指摘されると逆ギレしてしまうパターンでした。その人に対しては1年程関係スタッフ全員で辛抱強く様子をみましたが、改善の余地がなかったので上司のドクターが退職を促す形を取って自主退職ということになりました。
その人は一応名前を出せば業界では有名な施設で非常勤ながらも働いてきた、という触れ込みで入社したのですが、ふたを開けてみれば表面だけの知識で評価もきちんとできないような実力だったため、関係者が全員頭を抱えてしまったという状況でした。
特に私は仕事の立場では一番近い関係だったので上司からその人の実力について評価するよう依頼され、場合によっては適宜指導するよう言われたのでかなり大変でした。幸い直属の上司とその上のドクターが状況を理解していたので密に連絡を取り合って対応策を一緒に考えもらえたのがせめてもの救いでした。
指導が成功したケースと比較してみると、やはりこの人は年齢が高かったこと(私より経験年数は少なかったが、その人の方が年上だった)、有名な施設で働いてきたことで、自分の状況を謙虚に受け入れられなくなった原因になってしまったみたいです。逆に人の話を聞こう、自分を変えようという姿勢がある人は多少時間がかかってもその人なりに方略をつかんで成長してくれました。
>洞察力のある新任の上司が、人あしらいが巧いキャリアに指示を出して、
>このキャリアに懐かせて遠隔操作を試みてますが・・・・
>先日までこのキャリアの悪口言ってたのに、
>おだて上げさせただけで、コロっと懐いてしまい、
>このキャリアの言う事しか聞かなくなってしまいました。
>節操の無いヤツ・・・っと皆あきれ顔。
>しかし、上司の計算以上に彼は増長してしまいまして(笑)
恐らく彼は自分を認めてくれる、認めてくれないという基準(本当にそうかは別として)で人を分けているのしょう。プライベートではそれでもいいとは思いますが、ビジネスでそれでは困りますよね。誰かがビジネスで必要な基準というものを教えないと、恐らく一生気付かないと思います。
>これは他の方々が彼に何度も言ってるのですが、
>彼は「その都度」が何を指すか解らないんですよ。
>そこから教えていかなければならないのですが、
>私も昔はその辺が解らなくて悩んだハズなんだけど、
>ある日突然「その都度の法則」を発見し「その都度の概念」が解った。
>おかげで説明の仕様が無いんですよね。
>定型の方々は苦労無く「その都度の概念」を獲得なさってるでしょうから、
>私以上に説明の仕様が無いでしょうね。
>ヘレン・ケラーが「物の名前の概念」を獲得したのは、
>説明ではなくアニー・サリバンが必死に実感させた結果・・・
>でも、この困った後輩君に「その都度を実感させる」には、
>どうしたらいいんだぁ〜?
>
>ホントに療育そのものです。
「その都度」ということばでは何を指すか分からないと思います。そういう意味では「ちゃんと〜してね」ということばも同様で、「何をすればOKなのか」ということが非常に曖昧なことばだと私は感じています。
こういう場合はフローチャートなどで作業の流れを視覚で表した上で、「ここの場合は私に聞いてね」と確認を取っていました。これは実習生の指導でもよく使っていて、プロセスを分かりやすく説明するには好都合でした。
お子さんに指導する場合でもできそうなケースには締切日や何をしたらいいのかを明確にし、次第に本人に考えさせる練習をしていました。
コーチングでは必ず期限と達成目標を本人と考えた上で設定して行うことになっているので、そういう意味でも参考になると思います。
体調に気を付けて毎日をお過ごしくださいね。ではまた。
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