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(本会議にて抜粋)前HPから引用
さて、一方の民主党案です。
本法案は、現行法体系の延長線上で、サービス水準を引き上げようとするものです。現行法体系を単純に継続するものではありません。精神障害も支援費制度の適用対象にしますし、政府が裁量的経費にしていた在宅系サービスも義務的経費に切りかえます。就労継続支援、就労移行支援を設け、さらに社会参加に必要な移動支援等々の事業も三法案の中で明確化し、同事業に対し国が財政支援を実施することとしています。すなわち、三障害のサービス水準を底上げする形で均等化し、障害によって不公平があると言われる現行法の欠陥を埋める改正は行っています。
現行法体系の拡充をした後はどうなるのかという疑問にも、民主党案は明確に答えています。二年間かけて、三障害にとらわれず、すべての障害を対象とした包括的障害福祉法制を検討する。新たな法制では、所得保障を含め、所得確保のあり方も定める。そうして、介護保険のエージフリー化と同時に、新たな障害福祉法制をスタートさせる。いずれも法案に明記しています。
障害者が自立と社会参加をいかに実現するのかを考えれば、いずれの法案のとる道が正しいのかは明白であります。(拍手)
障害者福祉を当事者抜きに決定することはできません。それは、厚生労働省であっても財務省であっても、ましてや、自民党でも公明党でもなければ、私たち民主党でもできないのです。障害を持ちながら地域で一生懸命生きている障害者、その人たちの意思を尊重すべきではありませんか。障害者に光をではなく、障害者を社会の光に、この心を忘れてはなりません。
民主党は、障害当事者の立場に立ったとき、当事者不在の政府法案を認めることはできません。障害当事者とひざ詰めで協議をし、当事者が納得できる制度を構築する枠組みをつくろうとする民主党案こそ、着実な前進を図るものであります。
これまでの議論の中でも、適切なサービスは維持すると政府は言い続けてきました。しかし、障害者の不安は、これまでのサービスが受けられなくなるのではないかということであります。自分の生活実態を必ずしも理解していない審査員によって一方的に決定されてしまうサービスの維持を望んでいるのではありません。
重要なのは、本人の意向が十分に反映され、現行の水準を維持したサービスの継続であるにもかかわらず、そのことは約束されてはいません。政府提出法案によってサービスが維持されず、ましてや一割負担となれば、生きるすべを奪われ、みずからの命を投げ出したり、障害児を生み育てながら懸命に生きてきた家族を死に追いやることになりかねません。
この法案で障害者の生活や人生が大きく変わるかもしれないというのに、審議に必要なデータは余りにもずさんな上に、肝心な部分に対しても、いまだに検討中、努力をしますという答弁を繰り返すばかりです。明確な説明は行われておりません。
そんな中にあって、これほどまでに急いで法案を通そうとするのは、障害者のためではなく、政府の都合ではないでしょうか。障害者の一割負担を導入しても、年間の節減額はわずか三百億円と試算されています。それならば、徹底して税金のむだ遣いをやめれば済む話ではないでしょうか。政府の見込み違いで支援費制度が続けられなくなったにもかかわらず、そのツケを利用する障害者に一方的に押しつけるやり方には、断固反対いたします。(拍手)
ひどいのは、法案の中身だけではありません。
法案賛成のある議員は、委員会終了後、今から勉強しないと全くわからないとおっしゃっていました。長期間にわたり、暑い日も雨の日も、朝も夜も、あきらめることなく思いを訴え続けた障害者の気持ちを考えたとき、私はその無責任さに本当に腹が立ちました。
また委員会で採決終了後に、自民党のある議員は、障害者に対する不適切な発言をしたのであります。この発言は、私にとって聞くにたえない極めて残念なものでした。
この発言は大問題であります。そのような人間を公認された小泉総理、恥ずかしくはないですか。それほど障害者の皆さんは切実な思いでいるのです。人の心の痛みを、苦しみを感じようともせず、平然と発言した人間を、私は国会議員として決して認めたくはありません。こうした心ない政治家が障害者の生活を左右する大事な法案にかかわっていることを大変残念に思います。
私たちは、障害者の本当の苦しみはわかってあげられないかもしれません。しかし、少しでも気持ちを理解し、もっと時間をかけて、真に障害者のためになる制度を考えることはできるはずです。
だれもが平等に与えられた生きる権利を守っていくのが、私たち国会議員に課せられた責務であります。一度しかない人生、たとえどんな境遇であっても、この子を産んでよかった、生まれてきてよかった、そう思える人生にしてほしいし、だれもがそう思える社会をつくりたいと心から願います。
私は、議員として経験は浅いです。しかし、そんな私のところにも、多くの障害者から救いを求めるメッセージが届きました。その中には、私たちはぜいたくをしたいと言っているのではありません、人間らしく生きたいだけですとか、制度が維持されても私たちの生活が維持できないとしたらこの法案の意味はどこにあるのですかという言葉がありました。そして、障害児の親からは、この政府案は障害児を産んだことを一生背負って生きていきなさいと言っているのと同じですとの、そんなメッセージが寄せられました。障害者は私たちに助けてくれと心から訴えています。
私は、今、この場に立ち、障害者の思いが一人でも多くの方に届くようにと願いながら発言をさせていただいています。ハンディを背負いながらも一生懸命生きようとしている人に頑張る力を、夢を、笑顔を与えられる政治を実現すべきであり、それを実現させられるのは我が民主党だと信じています。
ここにおられるすべての議員が、障害者の願いを受けとめてくださるよう、そして、全国におられる障害者の心の叫びに耳を傾け、賢明な御判断をしてくださるよう心からお願いを申し上げ、民主党提出、障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案に賛成し、政府提出、障害者自立支援法案に反対する討論といたします。(拍手)
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