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▼迷子さん:
>ご相談したい点
>社会とうまくやっていけないと感じる原因とその対処法を探しています。そのためには医学的な診断は必要でしょうか?(私自身は対処法さえわかれば診断名はなんでもいいと思っています)。
私個人の意見ですが、必ずしも必要だとは感じていません。
実際私の場合は子どもの時には「自閉症」「高機能自閉症」と言われましたが、今ではアスペルガーの専門家でさえ、「1,2回会っただけではわからない」と言われるくらいです。
夫(館の管理人)もアスペルガーで、医療機関で診断も受けたそうですが、一般的な診断基準だと外れる気がします。小さい頃のエピソードを聞いたり、一緒に暮らしていると「やっぱりアスペだよ!」と感じることはありますが、医者によっては「学習障害を伴ったADHD」と診断する人もいると思います。
仕事でもアスペルガーの人と会っていますが、私が大事にしているのはまず問題が何なのか(注意、記憶、言語、高次思考、社会性、情緒など)を複数の要素から分析し、社会適応するのにはどれからトレーニングしたらいいかを一緒に考えていくことです。
もちろん、医療的なケアを要する場合は診断名は必要でしょう。しかし生活ではある程度自活ができるようになれるかがむしろ大事だと感じています。
対処法としては私の場合、自閉症の要素が非常に強いので、1.被害者意識を持ちやすい 2.注意することが一般常識からずれやすい 3.情緒の波が激しい 4.記憶力はいいので、普通の人が忘れていることをいつまでも覚えていて根に持つという問題点があります。ただし小さい頃から訓練を受けているので、まず思ったことについて「他の人はどう感じているのかを観察する」「自分が相手の立場だったらどうしているか考える」「思ったことをすぐに言わない」「自分の気分などが不安定で、考えが空回りしていないか」を分析します。場合によっては紙などに書いて客観的に見るようにしています。
迷子さんも一度紙に書いてみるといいと思いますよ。このときの注意点としては紙はA5位の大きさの紙を用意すること、1枚の紙には1項目だけ書き、余白のスペースを多めに空けておくことです。あとは自分が感じていることと客観的な事実をペンの色を分けて書いてみましょう。
ポイントはいくら自分がそうと思っても人から見たら分からないことと、実際に起きたことは分けることです。例えば「〜君がこちらを見ている」ことと「〜君は私のことが好きだから見ている」では前者が事実で、後者は解釈が入っていますよね。
場合によっては信頼できそうな人(例えばカウンセラー)に書いたものを読んでもらって感想を聞いてみるともいいと思います。ただし精神科のカウンセラーの場合、発達障害の勉強をしているわけではないので、あまりアスペルガーのことを言ったり書いたりすると適切に対応できない人も多いので注意しましょう。
※現在発達障害の診断はできる人も限られているし、診断・訓練できるところに殺到しているのが現状です。私の職場も初診待ちが1年近くになっている状況で、内部の人間はヘトヘトになっています。小児でもこのような状況なので、成人はもっと厳しいです。
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