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▼ワンさん:
>我輩はこの前の水曜日にアスペルガー症候群と診断され、一昨日医師の推薦した『自閉症とアスペルガー症候群』なる書籍を手に入れました。しかし、双極II型障害でのうつ状態のせいか、文章も難しいのか、さっぱり読み薦められません。その為、自分がなぜアスペルガー症候群と診断されたのかも分からないし、弁護士や俳優になる夢を持ち続けていいのかも分かりません。自分の状況を早く知って対処したいのですが、どうにもなりません。一体どうしたらいいのでしょう?
ジョンです。私も診断された時、かなり動揺しました。お気持ちはよく分かります。医学書は非常に理解しにくく、私にも難解でした。「アスペルガー症候群がわかる本―理解と対応のためのガイドブック 」の方が、ページ数も少なく、読むには適していますが、難易度は同程度です。
大体のところは、既にお聞きのことと思いますので、かいつまんで、ご説明します。まず。アスペルガー症候群は脳の障害で、私もアスペルガー障害があります。
アスペルガー症候群は、自閉症に分類されますので、基本的には、次の3種類の障害があります。これは、障害であって、うつ症状などと異なり、治療することはできませんが、社会適応は努力によって可能です。
第一の障害は、コミュニケーションの障害です。アスペルガー症候群は、健常者とコミュニケートする場合、言葉に込められた、思わせぶりや、行間が読めないため、相手の表現したことを文字通り理解してしまいます。その結果、健常者の間で行われる意思疎通が苦手で、なかなか、会話が成立しないことがあります。
第二の障害は社会性の障害です。回りの人が、言葉で、表現しなくても、暗黙のうちに了解しているルールが理解できにくいです。時々、場違いな発言をして顰蹙を買ったりします。
第三の障害は、想像性の障害です。一般に自閉症の障害者は、繰り替えしや、一定の決まったパターンに安心します。自分の気に入ったことにこだわり、その、決まりきった内容に固執します。その結果、その分野では、一番になったりします。アインシュタインやビルゲイツがアスペルガー症候群と言われるのは、その狭い専門分野にこだわったため、と言われています。ところが、いつもの決まりきったこと以外にも、事態が起こるということは想像できません。昨日は、朝電話がかかってこなかった。だから、今日も電話がかかってこないと思います。実は、時々、突然電話がかかってくることは想像できません。いつも起きないことが突然起きることがある、ということが、考えられないのです。ですから、その場合、突然電話がかかってくると、最悪の場合、パニックとなります。想像できないことは、電話だけではありません。様々なことに、発生します。
以上のように、アスペルガーは時々パニックを起こし、時には爆発します。
自分の持っている夢を実現できるかどうかは、本人の取り組みによります。
私は、アスペルガーの診断を受けたときに、診断はあくまで、今後、生きるための指針に過ぎない、と前向きの説明を受けました。アスペルガーはレッテルを貼るために告知するものではなく、今後どうするべきか、を検討するための手段に過ぎません。もし、医師が今後の方針を示すことなく、宣告したとするならば、無責任としか言いようがありません。ワンさんの今後の人生は、主治医の先生とご相談されるべきもので、私達素人が、とやかくいうべきのものではないような気がします。しっかり、主治医の先生とご相談された方がよいかと思います。
アスペルガーの二次障害は、うつ症状と統合失調症が有名です。もし、うつ症状があるのであれば、主治医の先生とご相談の上、しっかり治療されてはいかがでしょうか。
先生とよくご相談ください。私は、ワンさんと同じアスペルガー障害を持つもので、医師ではないので、あいにくと、経験していないことはお話しできないところが、ざんねんです。
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