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最近、「障害者手帳を発達障がい児・者にどう発給すべきか?」ということで、みなさんがヒート・アップしてしまっているようなので、僕の考えをちょっと
まとめておきます。「まあ、こんな考えもあるのかなぁ…」くらいに、さらっと
目を通して頂ければなと思います。
既に何回かこの掲示板でお話ししていますように、僕は『脳・神経系の障がい』
というガテゴリーで、これまでの『身体』『知的』『精神』の範疇におさまっている人も含めた感じで一本化して、包括的に『脳・神経系障がい者手帳』というものを発給していくべきではなかろうかという気がしています。
その訳はこうです。
まず第一に、いわゆる『3障害』というのは、「見た目では、〜が劣っている」という『結果論』的な見方なのではないのかということです。これが全体的にみても、また特定の障害に着目しても、「〜は無理でも、…ならできるよ」とか、「〜は私たち苦手なので、気遣ってください!」という風な積極的な当事者からの情報発信を妨げている感じがするのです。特に知的障がい・精神障がいでは、現状のまま野放しにしていけば、このへんのことが強く危惧されるのではないかと思います。
第二に、『ケアの互換性の吟味』ということです。今のままでは、縦割りの見方をしてしまっているために、Aというガテゴリーでは『有効性』が確かめられて、Bというガテゴリーでも工夫すれば上手くいくという予測ができることが、「無理じゃない…」という憶測で受け渡されないということがあるし、逆に『不適合性』がわからなかったということも起こりえます。こういうことを防ぐには、『脳・神経系の障がい』にまつわる専門家が、チームを組んで横断的な見方をして、個々の人に合った治療・療育・リハビリのプログラムを組む必要性があると思います。そして手帳は、それに基づいたケアを受けるためのパスポートになるようなものであるべきです。
第三に、特に『発達障がい』ということでいえば、今後の脳・神経系の障がいの人達の未来を大きく左右しかねない微妙な位置にいるということです。脳科学の進歩で、様々なその評価・リハビリ技術が開発されてきていますが、僕たちはそこへ最も近い位置にいて、それがより重い障がいを抱えた人達に恩恵を与えるか否か検証する者となる可能性が高いといえるからです。
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