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[#6067] 右脳と左脳の問題? 自閉症の治療法 サンタロウ 05/5/1(日) 5:24 [未読]
[#6072] Re:右脳と左脳の問題? 自閉症の治療法 秋桜 05/5/1(日) 9:01 [未読]
[#6090] Re:右脳と左脳の問題? 自閉症の治療法 nobody knows 05/5/1(日) 22:11 [未読]
[#6096] Re:右脳と左脳の問題? 自閉症の治療法 サンタロウ 05/5/2(月) 6:17 [未読]

[#6067] 右脳と左脳の問題? 自閉症の治療法
 サンタロウ  - 05/5/1(日) 5:24 -

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   こんにちは。
子供は他人とのコミュニケーションや、言葉の聞き取りや理解に主に問題が
あります。

自閉症の可能性を考え出して、いろいろ調べているうちに
「自閉症の多くは右脳と左脳を、普通の人と同じ割合(もしくはうまく使い分けられない)で使っていない」という説明をネットで見つけました。

確かに、右脳は形状をイメージとしてみる、音楽を聴く、アイディア、芸術的な面などで
使われ、
左脳は言語理解、計算などで使われると聞いた事があります。

体の右半分は左脳、左半分は右脳が司ってますから、
どちらかの脳をより発達させるためには、体の半分をよく使う事が
大事、というのも聞いた事があります。
(たとえば、芸術面の右脳を発達させたければ、左眼、左耳、左手などを
よく使った作業や楽器をするとよいなど・・・)

では、逆に考えれば左脳を発達させるには、右半分をしっかり使えば
言語の面などに効果があるのでは?と勝手に思ったりしています。

素人考えで恥ずかしいのですが、子供の言語の遅れや対人関係の摩擦を
少しでも軽くしてやりたくて、いろいろ調べた結果、こういう考えに
行き着きました。
ネットで調べた限りでは、右脳と左脳の問題と自閉症との関係を
語っているものは多いのですが、
治療法として体半分を鍛える・・・などは未だ見つけていません。

もともと自閉症は脳の障害なので、鍛えたところで治るものではないと
思いますが、少しでもましになるのなら・・とすがる思いでおります。

この掲示板には、専門の方が沢山いらっしゃるようですので、
お手数ですが、この考え方に対する意見をいただければうれしいです。

[#6072] Re:右脳と左脳の問題? 自閉症の治療法
 秋桜 メールホームページ  - 05/5/1(日) 9:01 -

引用なし
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   ▼サンタロウさん:
はじめまして、秋桜と言います。ASでかつ病気休業中の言語聴覚士(ST)です。

脳というのは非常に複雑なネットワークで構成されており、大まかな配置図はあってもそれが全員に必ずしも当てはまると言うものでもないのです。

例えばサンタロウさんは「左脳に言語野がある」と書かれていますが、実はこれも個人差があります。これは交叉性失語(右利きの人が右脳の損傷によって発症する失語症)というまれなケースからもうかがい知ることができます。

右利きの人の90〜95%は左脳に言語野がありますが、約5%は右脳、残りの人は両方の脳にあると言われています。左利きの人になると約65%の人が左脳にありますが、残りの人は右脳もしくは両方の脳に言語野が存在します。

言語の聞き取りに関しては言語野が左脳にある場合は左側頭葉にその中枢(ウェルニッケ野と呼ばれています)があると言われていますが、その情報がさらに言語の連合野や前頭連合野へ移っていくため、どのルートに問題があるかでも対応が変わってきます。

さらにコミュニケーションに問題がある場合、距離感をつかむには右頭頂葉(右利きの人の場合)やその情報を左脳とやり取りする脳梁という場所の機能も関わってきます。

つまり一番大切なのは「左脳も右脳もバランスよく使う」ということですし、その使い方は人によって異なりますから、「これさえやればいい」という方法は存在しないと考えていただいた方が妥当だということです。

サンタロウさんは「複雑系」ということばをご存知ですか?最近脳研究では2つまでの脳細胞のネットワークは分かってきています。しかし3つ以上になると研究者でも予想ができない動きをするのだそうです。たった3つでも分からないのですから、実際の脳の中の動きというのは本当に謎に満ちたものなのです。

お子さんに関しては実際にお会いしたことがないので何とも言えませんが、お子さんが処理しやすい形から(例えば視覚的な情報)根気強くアプローチしていくことが必要だと思います。

[#6090] Re:右脳と左脳の問題? 自閉症の治療法
 nobody knows  - 05/5/1(日) 22:11 -

引用なし
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   ▼サンタロウさん:
こんにちは。
言語障害通級指導学級の担当者です。

右脳、左脳、そして脳の複雑さに関して秋桜さんが言及された通りだと思います。
本当に、脳に関しては、本当に難しく、また分かっていないことが多いのです。

サンタロウさんの言う右脳、左脳に関してのことは「機能所在」についてです。
つまり、脳のそれぞれの場所が、おのおのの機能を担当しているという視点です。実際、普段は、そうなのですが。
※それでも秋桜さんのいうように言語野ひとつでも違いがあるのです。

その例では、脳梗塞等により、一部の脳の機能が働かなくなればその機能部分に障害が残ります。それでも、言語ひとつに関しても、ウェルニッケからブローカ野という微妙な分野の障害でその症状に大きな違いがあります。
さらに言えば、女性と男性でも失語症の予後に違いがあるのは男性脳と女性脳という特徴があることも指摘されています。

それだけ複雑なのにさらに、脳には「可塑性」というものがあります。
つまり、機能が障害されたとしても、他の部分がその代替をするというものです。
脳梗塞を起こされた方で、失語になった方が、適切なリハにより回復するのは、障害された部分以外の脳が、代替機能を発揮すると言われているのです。

さらに、
人間の人間たる所以である脳の中の脳、つまり大脳皮質は、右脳・左脳の側頭葉だけではなく、前頭葉、後頭葉、頭頂葉の4つの葉から構成されています。これらが複雑なネットワークを構成して、私たちは思考しているのです。
※あくまで、思考レベルであって、これに基本的な感情や基本的な体調維持はもっと基本的な脳が担当しています。

かつて(20年ほど前)、自閉症は大脳皮質ではなく、もつと根本的な脳幹レベルの問題と言われていました。それが大脳皮質、特に前頭葉のさらに前頭前野が関係していると言われるようになったのはつい最近です。

結局、秋桜さんのコメントを補完することだけなのですが、
脳は難しいもんです。
「ブレインマッピング」という「脳機能所在」の追求と
さらに「脳内分泌物質」の完全な分析は、
まだできていません。

それでもここ十年の脳科学の進歩は素晴らしいものがあるとのことですので
これからの研究に期待できると思います。

[#6096] Re:右脳と左脳の問題? 自閉症の治療法
 サンタロウ  - 05/5/2(月) 6:17 -

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   ここまで詳しいお答えをもらえると思ってなかったので、
正直びっくりしました。掲示板に書いてよかったです!

秋桜さん、nobody knowsさんはは専門の方だったのですね。
脳ひとつにしても、そんなに入り組んだ構造があったとは・・・
そうですね、確かに言語野だとしても、コミュニケーションで大切な
相手との雰囲気や空気の読み取りは別物ですよね。

私の素人考えに付き合っていただいてありがとうございました。
確かに、「片側を鍛えれば良い」というのは安易な気はしてました。
実は「幼児右脳教育」をうたった通信教育にも、「自閉症が治る!」等の
タイトルがついていたり、子供の自閉症で悩んでいる親としては
思わず飛びつきたくなるものなのですが、
どうも「治る」というフレーズに解せないものがあったもの・・・
やはり、自分の子供に合った治療を模索するのが一番のような気がしてきました。
 ちなみに今は絵カードを使って伝えたい内容を教えています。
一度何か失敗した後で、その状況を絵カードにしてもう一度説明して
「こうすればいいんだよ」と教えてやると手ごたえがあります。
逆に、「こういう時はこうするんだよ」と未知な事を描いて教えても
あまり効果はないような気がします。


20年前と今とでは、やはり自閉症の研究も大きく前進しているのですね。
本当に近い将来、詳しい原因と治療法が明らかになる事を
願ってやみません。

お詳しいレスを本当にありがとうございました。

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