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僕には、アスペ的傾向があるという以外にも、聴覚障害があります。
補聴器を使えば音声言語での会話がかなりできますが、本質的には
健聴者とは大違いですね。テレビのニュース番組は完全に理解できる
一方で、パーティーでテーブルを囲んで談笑するような場面では、何の
話題が進行しているのか、さっぱり分からないという現実があります。
小学生とか中学生の頃には、健聴者とはそんなに差はないと思って
いました。ところが年齢が増えるにつれ、健聴者との差を実感させ
られる場面が増えました。そして、最近は「世界の見え方」からして
健聴者とは異なるのではないか、と意識するようになりました。別の
言い方をすれば、「文化の違い」かな。
障害とは、単にある能力が物理的に低いというだけのことではない
のです。
アスペの本を読んで思うことのひとつは聴覚障害との共通性です。
周囲の音声を全部拾ってしまうとか、外観から障害が見えないことで
不利益を被ってしまうとか。
上に書いた僕の経験は、自分の状態が普通みたいに思い込んでいて、
大人になってから健聴者の場合はそうではないんだと気づいた、という
ことでもありますが、これも共通点のようですね。
障害がその人の精神世界に及ぼす影響について考えさせられるなあ。
当事者として・・・。
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