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はじめまして
私は大半の日本人の英語習得者と違って、イギリス英語を
こよなく愛する者です。元々英語を勉強するきっかけが
サーキットでレーサーと話がしたかったから、モータースポーツの
本場であるイギリスに飛び込んで行きまして、最初の内は
イギリス英語の独特のもったいぶった面倒くささに嫌気が
さしていたのですが、その内馴れて来ると同時に今度は
アメリカ英語がヤボッたくて下品なものに感じられてきて、
今ではすっかりイギリス語口調になってしまいました。
たまに英会話教室を冷やかしに行っても、講師の
アメリカ人やオーストラリア人なんかから、
<Definitely British!>とか言われますが、気にしません。
それにイギリス英語のスペリングに馴れていた方が、
先で他のヨーロッパ言語を始める時にらくですよ。
英語に訳された文章の方が、日本語の固い文体より
余程分かり易い事はしょっちゅうありますね!
わたしは特にヘルマン・ヘッセが好きなので、あの新潮文庫の
空色の表紙の日本語訳を長い間大切に持っておりましたし、
何度も読み返しましたが、あまりにも難しく読みにくいので
「さすがにヘッセは難しい事を書く作家だな・・・」
とか思っておりましたのが、あるとき英語訳の
<Steppen Wolf>を読んで以来、その分かり易さと面白さに
「今まで自分は何を読んでいたのか!?」とばかりに
愕然となった事を覚えています。それからは
読みにくい訳文にぶつかる度にその本の巻末にある
訳者紹介を探しては「XXX大学英文科卒業」とか、
「OOOO外国語大学教授」とかかいてあるのを
見つけては「オマエは肩書きはスゴイくせに訳文は
その程度か!?恥を知れ、恥を!」とか、
本に向かってツッコミをいれてます。
しかし逆も又真なりで、私の趣味の関係で
<イギリス陸軍徒手格闘技マニュアル>なんかを
読んでいると、柔道の裸絞めを<Naked Choke>とか
訳してあったりして、これじゃあまるで「素っ裸で
首を絞める」と書いてあるみたいで、意地悪な
読み方をしたら{ホモSMプレイ}じゃないか?
世界に名高いイギリス陸軍もこんな事だから
<モンティ・パイソン>のギャグのネタにされてしまうんだ。
とか思っては楽しんでいます。これだから
「お役所言葉」のあら探しはやめられません!
と、ここまででやめておこうと思ったのですが
どうしてもこうなったら最後まで容赦なく書かせて
頂きます。それは日本人の翻訳者がアクション小説を
訳すと、どうしても読者のこちら側が恥ずかしくなる位
銃器や射撃のテクニック、それから格闘シーンの描写の
訳がトンチンカンで的外れな物になってしまいます。
特に私の場合、複数の外国に滞在した経験がある中で
市民が合法的に射撃の練習の出来る国にいた経験が
ありますので、偉そうな肩書きを持った翻訳家が
まるでお粗末な格闘シーンや銃撃戦の訳を
していると、その度にゲッソリして、
「もう金を払って翻訳物を買うのは止そう」
「少なくとも新刊書は買わない。いや、
図書館で無料で借りて読むだけにしよう」
と思って、この頃はそうしています。
最後にもう一度。「翻訳家は恥を知れ、恥を!」
「クソみたいな訳をして金もらいやがって、その
ご立派な肩書きが泣くぞ!」
失礼。大分ヒートアップしてしまいました。
でも私はそれだけ読書を大切にしているのに、
楽しみをブチ壊しにしてほしくないのです。
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