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ずっと疑問だった。
ASにただただ『白黒思考をやめろ』と言うだけでは、これからもASは黙らないし、不適応を解決させられる可能性も、不明点や拒否感が寛解する日もいつまでも来ない。
心ある支援者とか医療の人たちが細々と根気強く何かやってても、来る気がしない。
白黒思考を全面禁止にするだけだと、いつ食べていいのか、いつ寝ていいのか、いつお金を使えばいいのかまで、自分の意志の発動も、自分の身体欲求の感知すらも、自分で決められなくなるまで、過集中することでストップすることができる。
実際は全国で多数の自閉が実行しているわけはなく、知的に高いASなら、「(生活まで全部をストップなんて)子どもみたいな真似やめなさいっ!」と言われれば、空気をそれなりに理解して、表面的には日常生活は送れる。
極端な極論思考を、しなくなるのではない。
抑圧して隠せるようになるだけなんである。
思考回路は変わらない。
そこで一般の生活らしい見せかけの思考形態と、反射的で本能的な極論の思考回路という、二つの思考に乖離が、静かに、一般の人に迷惑を掛けないように始まるんである。
乖離したまま自活しちゃった大人の一部は、次は乖離の負担を自分で背負いきれなくなる。
精神的に病んでいって、うつとか言われて、「自分の心身の欲求に素直になりなさい」系みたいなことを言われると、知的な高さや才能ががあれば、みるみるそれらを取り戻したりなんかできちゃったりする。
そして、身の回りに人を集めて、一度は放棄した、自分の意志の発動も、自分の身体欲求の感知とかに値するものも取り戻そうとする。
共依存相手とか、ビジネスのスタッフとか恋愛らしいテクニックで親密に利用できる異性なんかをできる人は入手できちゃったりするんである。
そしたら、代わりに決めてもらえるんでしょうね。そう記録がある資料もあるし。
いつ起きるか。
いつ食べるか。どのくらい何を食べるか。
何を思ってることにするか。何を行動するか。
誰にどんな感情を持つことにするか。………………
指示してもらうのかもしれない。
指示させてから反抗するのかもしれない。
コミュニケーションの成り立たないまま、模倣だけするのかもしれない。
支配的な人物に依存をして、否定や侮辱を受けることでそれを指示の代わりにする者もいるかもしれない。
どんな方法を選んでも、かなり、一時的に、楽になって力が抜けるという体験談は読んだことがある。
人の思考回路を“使える”からなんでしょうね。
思考回路や価値判断を、設定、接続してもらって、ずっとずっと更新無し。メンテ無し。あなたの思考私のもの………。
そういえば私も、今のパソコンの初期設定でつまづいて、業者に設定や接続を頼んだのは楽だったよなあ。肩の荷が下りた。
しかし、ここからは資料だけじゃなく私の独り言だけど、これだけでめでたく人生の試練が終了されるわけないじゃないか。
外からのAS向けの支援無しに、こんな人間関係が平和に終わるわけがない。
半径3m以内で起こったことだけで物を考える思考の間違いを、知らねばならないじゃないか。
だから古今東西、全国都道府県で、いまやもう真相の分からない刃傷沙汰が増え続けるんだと思う。
ASの診察、検査、診断はもちろん、被害者って何、加害者って何、から始まって、自分が何の機能を停止、放棄したのか、自分は何を持つ権利があるのか、人はどんな立場で、どんな思考で、どんな権利があるのか、権利と義務って何か。
人間社会の構造はどうで、それらの何が自分には合っていなくて、だからどこに不具合がでていて、対処にはこんな選択肢も、こんな選択肢もあるけど、それにはどんな条件があるのか。
自分の正体、自分という人間の真相、社会の正体とか、社会の真相を知った上で、どこの、何に、どうして譲れないのかから、そういう根拠や理由を揃えて、それから自分の意志で、自分の決定で本来の白黒思考を発動させるしか、生き残る方法は無いんじゃないか?
ASが周りより首一つ出られる分野って、むかしより狭められてきた。
首一つ出たままボケっとしてたらいじめられるかもしれないしね。
教育にチームワークが取り入れられてきてるから、優秀な分、コミュニケーション能力も伴っていないと“仲良し”の優秀な結果を出せないからね。
ASの青少年の自尊心を、騙したり、引き延ばしたり、あやしたり、甘やかすことでは、長持ちしない時代が来るんじゃないか。
私でも、今の学校現場でどこまでやっていけるか分からない感じがする。携帯コミュなんて手が回らない。中毒になれってか。
ASがどんなに自分を守ることを覚えようとしても、現実にお外には『一般人』という名の生き物しか住んでいないんだから、そして同じAS生物には特定の場所に行かないと会えないんだから。
しかし親からは自活して生きるしかないんだから、二つの世界の現実を知って、両方に適応していくしか無いんだと思う。
AS少年少女には、そういう意味で二倍の勉強場所が必要になっていくと思う。
将来、人を傷つけない白黒の思考回路を獲得するためにも、発達障害には、勉強の環境と金銭補助を保証して欲しい。
特に大学や専門学校や夜間学校には、条件付きでいいから、学費を半額にして、留年を制限付きで認めるくらいの、それこそ“保護”が欲しい。
生活保護無し、依存問題も無しで発達障害を社会に引っ張り出してきたいなら、実際に勉強させないと追いつかないものなんだと思う。
都会にしか無い支援口や、都会にしか無い発達障害の生活保護や、障害者枠の就職ぐらいなんて、焼け石に水とか言うまでもなく、じきに対応し切れなくなってくる気がする。
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