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>アスペルガー症候群=発達障害=障害者 ←このような解釈で良いのでしょうか。
これは、違うと思います。アスペルガーや発達障害が新しい概念であるために、呼称が多く混乱しがちですね。
アスペルガー症候群(AS)・高機能自閉症(知的遅れを伴わない自閉症)の両者は多少の違いは有りますが実質上はあまり区別をする必要が無いと言われています。その他、これらをもう少し大きくとらえる概念として、自閉スペクトラム(スペクトラム=虹、典型発達者(健常者)との明確な境界は無く、その特性が虹のように連続的に繋がっているという概念です)あるいは広汎性発達障害(PDDs)という呼称も良く使われます。
発達障害という名称は、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)その他の幾つか障害(極めて特徴的な障害ですので誤診の心配は有りません)を含みます。
ですから、発達障害はアスペルガー症候群よりかなり広い概念です。しかし、アスペルガー症候群のものがLDやADHDを特性として併せ持つ事は良くある事ですから、これらに対する知識も無駄にはなりません。
>仮にはっきり何らかの診断名が出たら、息子は障害者ということになるのでしょうか。
これに関しては、立場・考え方によって一人一人意見が異なると思います。
現在の日本の社会福祉制度上は「障害者」では有りません。知的障害・身体障害・精神障害の三者しか区分が有りませんので知的遅れが無く、鬱や強迫が出ていないアスペルガーを受け入れる「障害者」概念は有りません。しかし、教育状の概念としては、生徒数の6%以上いる「発達障害者」に含まれ、特別支援教育の対象者として手厚い教育上の配慮を学校に依頼できます。(でも、LD・ADHDを合わせて人口の6%以上の方々すべてを障害者と呼ぶべきでしょうか?)
このような公的な話における「障害者」の論議とは別に、気持ちの上で障害者と考えるかどうか?は、極めて個人的な事柄に思います。ASは人口の1%以上(日本国内に100万人以上)と考えられています。と言うことは、自覚無く社会生活を送っていらっしゃる、多数の成人がいらっしゃると言うことです。この方々を障害者と呼ぶべきなのでしょうか? 一方で、自分の持ってきた違和感の原因が「障害」に有ったとの理解で納得できた方々にとっては、「障害」で良いのではないでしょうか?
また、過去の偉人と呼ばれる方々のエピソードの多くにASの特徴がかなり含まれていることは、良く言われます。確かに彼らは「多数派」では無く「少数派」の特性を持ち、それを生かして人類に貢献してきたわけですが、「普通」でない事を障害者と呼ぶなら、天才は障害者ですよね?(アスペルガーなら天才という意味では有りません)。
アスペルガーであると言うことは、単に、定義上
社会的相互作用・コミュニュケーションに関して、多数派とは「質的に異なった」ところが存在し、「行動・興味がとても限定的で何かにこだわってしまいがち」という特性を持っている、という意味です。
このような特性を持つ方が1〜2%しか存在しない以上、他の98%以上の方々の中で暮らしていく為には、それなりのノウハウを身につけないと本人も周囲の人も苦しくなってしまいます。 そして、この1〜2%の方々も、それぞれの性格も考え方も千差万別です。 ですから一人一人を尊重して、その方に適した方法をできるだけ早く見つけると、それだけ、暮らしやすくなるでしょう、という位の意味だと私は理解しています。
ええと、以上は私の理解なので偏った所や不正確なところが有ると思います。サイト上としては、参考サイトを下に二つあげます。
自閉症協会東京都支部 「アスペルガーを知っていますか?」
http://www.autism.jp/l-00.htm
横浜クリニック
http://www.ypdc.net/
ネットからの情報だけでは無く、本を読んでみて下さい。
疑問を解決する早道です。
高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て 吉田友子著 中央法規出版(株) 2003年発行 が 良いと思います。
「障害」か「個性」か、が第1章であり、「相談すべきかどうか悩むことの苦しさ」という事から、書きはじめられています。
母親の悩みに寄り添う形で、とてもわかりやすく書かれています。
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