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アスペルガーの子を持つ親として、秋桜さんの書いてくださったレスは、まさしく!私の実情を代弁してくれたかのように感じました。
発達障害者支援法、成立直後(つまり現時点)の一人の親の実情はこんなもんです。
私の子供は来年度、いよいよ就学相談が始まります。
同じ学年のごく普通の定型発達のお子さんたちは来年の11月ころに検診を受けるだけですみますが、発達障害の子供たちは来年早々から就学相談をしながらいろいろな準備・検査が必要になってきます。
親としては、その流れや時期、行われる内容なんかもあらかじめ知っておきたいところですが、実際には情報はどこからもまったく入ってきません。
唯一同じ発達障害を持っているお子さんの親御さんから断片的に情報をもらって、やっと知るという感じなのが実情です。
保護者同士で連絡しあい、先に就学しているお子さんの情報を元に動きはじめるかたも多いはずです。
行政側は連絡が保護者から来るのを待つのみで、保護者はいったいどこに問い合わせをしたらいいのかそれすらもわからずに右往左往するのです。
なかには当然、インターネットを使えない環境の親御さんだっているでしょう。
不安で不安でたまりません。
たとえ療育を市から受けていて発達障害の診断がおりていると市に連絡してあっても、その情報が児童相談所に受け継がれることも教育センターに行くこともありません。
でも、それ以上に問題なのは今現時点で、まったく療育支援がないことです。
幼稚園に入る前は療育の教室に通っていました。
でも入園すれば、それで完全に終わりです。
心理の先生の巡回サービスというものがありますが、幼稚園側が望まないとダメなのでサービスを受けるのが難しいとわかりました。
私が望むスタイルは、診断もしてくれる専門医がいて、その専門医がいる病院なり施設に療育機関が併設されてて医師と療育訓練士の間で連携がとれているところです。
もし私が秋桜さんのお勤めの発達障害児の訓練専門の医療機関のそばに住んでいたなら、ためらうことなく行ったことでしょう。
たとえ一時間以上かかる場所であっても。
現実にそれだけ、まず「専門医があまりにも少ない」、「療育機関がない」、「発達障害について相談する(現実問題に即した対処法を求める)場がない」「専門医がいる病院はすでにパンク状態で診察は一日がかり、かつ予約がとれない」などの切迫した問題が転がっているのです。
>他のレスにも書いたのですが、私の職場も予約をしてからドクターの初診に入るまで1年近くかかっている状態です。それでも自治体の訓練よりもこちらの方が適切な訓練をしてもらえるからと言って訓練を希望される人が殺到しています。中には車で1時間以上かけて通ってきている人もいます。
>そのため職員は全員ギリギリの状態で仕事をしています。
医師、そして職員のかたがたの超多忙状態はこの目で見て知っています。
こちらが「体が持つのか?」と心配になることもたびたび。
子供の診察時、午後一番で予約が入っていたにもかかわらず、待って待ってなんと実際の診察時間は夜の7時。これから午後の診察がはじまるのか?と思ってびっくりしたことも。
先生は「お待たせして申し訳ない」と謝ってくださいましたが、午前中の診察が長引いたとのこと。
学会にも出席して最新の情報も勉強もしたいし、かといって診察をいいかげんなものにしたくない、でもこの人数に対応しきれないんだとポツリもらされてました。
>私が勤務している県は各自治体で訓練士がいることにはなっています。でもどうしてそんなに訓練希望者が殺到するのか?というのは、自治体で雇用している訓練士は非常勤職員がほとんどで、勤務日が限られているので、訓練の回数が少ないというのが1つ目の事情です。
>2つ目は私が勤めているような専門病院に比べて職員に入ってくる情報量が圧倒的に違ってきます。大抵の自治体は一人職場が多いですし、スパーバイズしてもらえる環境が整っていないのが現状です。中にはがんばっている方もいますが、相当本人が努力する必要があります。その結果、指導の質に差が出てきているのが現状です。
>3つ目は長期間診てもらえないという事情があります。官僚の縦割り行政のため、就学までは厚生労働省、就学後は文部科学省の管轄になります。そのせいで自治体でも就学までは保健センター、就学後は教育委員会ということが多く、そこで情報が途切れてしまうのです。私の職場にも就学で自治体の訓練が終了するので、できたら専門家の訓練を継続して受けたいといって来院される方が多数います。
私の県でも、まさしく仰るとおりです。
自治体の訓練士は実のところ入れ替わりがあまりにも激しく、次の年になるとほとんど人が入れ替わってしまったりします。
当然情報は受け継がれません。
訓練の仕方も変わってしまったりで質は落ちてしまいます。
3つ目の問題は大問題です。先にも書きましたが切実です。
そのため、行政に頼らず、民間の病院・医療機関で継続的にケアが望めるところがあれば親はそこを頼ろうとします。
数が圧倒的に足りませんから、当然パンク状態になるでしょうね…
どんなに超混みで待とうとも、行くのに県をまたごうとも、それでも親にとってわが子はかけがえのない宝、子供のためならと必死で療育できる場を探すのです。
実際、知人は子供のため他県の病院に電車で何時間もかけて通っているのです。
発達障害者支援法の成立により、少しでも専門家が増えてほしいと思います。
もちろん、POLINECIAさんの仰るとおりの危険性をはらんでいることを考慮したうえでも。
講演会もセミナーもまだまだ足りないでしょう。
講演会に出席しても私の地域では参加人数の少なさに驚かされます。
それだけ、実際に発達障害者がかかえる問題に直接に携わっている人間が少ないということです。
関心を持ってくださるかたも現時点では少ないということでしょう。
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