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HNさえきめられないさん、初めまして。
私は、つい先日、「鬱状態のためにかかっていた病院で、アスペルガー傾向があることを指摘された中二女子」の母です。
恐らく、鬱にならなければアスペルガーには気づかなかったと思います。それくらい、次女は普通に見えていました。
言葉も文字も、何もかも非常に覚えがよく、記憶力がいいので、頭の良い子であると認識していたくらいです。
そのころ、私が困っていたのは非常に気難しい長女の存在でした。この困ったちゃんの長女をなんとか普通にしてやりたい。そのためにはお姉ちゃんにしてやるのがいいかもと思ったのです。不妊治療の末に授かった次女は、お姉ちゃんより9才も年下になりました。が、とにかく可愛くてかわいくて、人は3才までに親孝行を済ますといわれているんですよ。それは本当だと思います。次女の可愛さは私たち両親、祖父母、親戚中、近所中、姉やその友達の慰めになりました。宝になりました。とても幸せな毎日でしたよ。
だからまず、HNさえつけられないさん、あなたも赤ちゃん時代には親孝行を済ませてきていますよ。大丈夫です。
で、この長女ですが、今にして思えば、次女よりもアスペルガー傾向はより強かったです。就眠儀式もあったし、いろんな面倒くさいこだわりがありました。かんしゃくもちで本当に手がかかりました。でも最初の子だし、この子も妊娠しにくい私たちにとって、やっと出来た子だったし、とにかく大切で大切で、わがままと見られていたと思いますが、私は可愛がって慎重に育てました。大変だったけど、やはり、とても幸せな充実した毎日でした。子育てはこんなもんだと思っていたので、アスペルガーとは知らなかったから、それで余計な心配をしないですんだのでしょうね。
子どもを持つことで、自分も成長しました。子どもに育ててもらった部分もたくさんあると思います。
そして最近、自分にもアスペルガーの傾向が多分にあることに気づきました。運動神経がありません。人の動きを真似て動けません。誰とでもすぐ仲良くはなれません。人前で話すのに非常に緊張します。初対面の人は苦手です。計画を立てて実行することが苦手です。お金の使い方もヘタです。とんでもない失敗をしたことは数知れず。でも周りの人に恵まれ(この部分は大切だと思います。いつも誰かに助けられている。感謝の気持ちを忘れないことです。再び鬱にならないためには、ありがたいという気持ちを忘れないことです)、なんとか8年間も勤められました。寿退社しました。当時の28才での結婚は遅かったです。
でも、そうやって生きてきて半世紀がたちました。そして思ったことは、人生は悪くない。なかなか良いものである。幸せな人生だと思っています。
幸せは大成功しないと得られないものでしょうか。幸せはお金がないと手に入れられないものでしょうか。
ちょっとしたことにもうれしい、きれい、楽しい、よかった、そんな風に思えたら幸せを感じることは出来るのではないでしょうか。後ろ向きではなく、前向きで、否定的ではなく、肯定的に。
たった一軒の病院、たった一人のお医者さんの物言いに、そんなに傷つくのは間違っていると思います。セカンドオピニオンを求めていいと思います。
あるいは、その先生の言うことを良い方にとる。
「働くことも難しいだろう」、というのは、ある種の励ましかもしれませんよ。「こんな大したことない問題に、そこまで落ち込むくらい甘い考えのあなたには、普通に働くことは無理だろう」と。
鬱に励ましは良くないといわれています。
が、次女がかかったお医者さんはこう言われたんです。
「鬱は、こんなもんじゃありませんよ。欝はもっと重い病気です。お嬢さんは鬱状態にはありますが、鬱なんかじゃありませんよ」と。
もしかしたら、あなたがかかった先生も、そんなふうに思われたのかもしれません。ただ、今の精神状態のあなたにはとてもきつい言葉に取られたということだと思います。
どうか、価値のない人間だなんて思わないで下さい。将来がないなんて思わないで下さい。○などの果実、とありますが、あなたがまだ想像もできない果実はあると思いますよ。それがどんなおいしい果実であるか、あなたはまだ知りません。知らないままいるなんて、もったいないとは思いませんか?
あきらめるなら90才くらいになって、本当に歩けなくなってからでいいのではないですか。まだ私の半分も人生を歩いていませんよ。
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