|
初めまして。
▼葉菜さん:
>私はよく周りや親しい関係の友達から、「常識がない」とよく言われます。
>過去に働いていた会社の人に陰で何度か言われたこともあります。
>前は、私は人付き合いが少なく、人生経験が人より浅いし、いろんな体験して
>こなかったから、常識がないんだ…って思っていましたが、アスペと
>診断されてから、もしかしたら常識がないのは、脳の未発達や機能不全に関係してるのかな…?と思い始めました。他の成人で当事者の方はどうですか?
>私はどうやら同年代の人が身に付けている常識がないようで、それが原因で
>人間関係がぎくしゃくしたり、友達ともめたりこじれたり…って事が
>今まで何度もありました。社会人のある年齢ならもう身についてるはずの
>常識がないらしく、自分でも恥ずかしいし悩んでいます。。
>常識ってどうやって身につけられるものなのでしょうか??
そもそも、「常識」自体、定義が非常にあいまいなものです。
例えば、車の運転についても、速度制限の標識のない場所では60km/hで走るのが本来のルールですが、実際には80〜90km/hで走っている車も多く、こういったスピード違反が常識化しているため、制限速度を守って走っている車は「非常識」として迷惑な存在とされるようになってきています。
その一方で、我々はどうしても人間関係で周囲の人の所作に合わせようとすると、それだけでも非常に疲れます。これは身につけようとしても不可能です。
だから、同じ仕事をしても、非当事者の同僚の何倍もの疲労感を感じます。
障害というものは、健常者にとって当たり前のことができない、ということであります。例えば、我々の多くは自分の目でいろいろなものを見ることができますし、それをごく当たり前のように感じておりますが、視覚障害者には一切を見ることができません。
AS当事者にとっては、思考回路に破綻があるために、自分の考えを整理できなかったり、日常会話でシナリオを組み立てることができません。
思考回路が正常でないと言うことは、逆の経路もまた然りで、運動神経や感覚神経にも破綻が起きています。このため、常識では考えられないほど手先が不器用だったり、特定の音を聞くと聴覚神経が情報を整理し切れないために極端な騒音に感じたりするのであります。
ASやADHDの当事者に、平衡感覚が異常に悪く歩いていて頻繁につまずく人やピアノ・バイオリンの音を異常に嫌がる人が多いのはそのためです。
何が「常識」で何が「非常識」なのかを一つ一つ確認するつもりで人付き合いを進めるのがよろしいでしょう。
|
|