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▼秋桜(管理人)さん:
たびたびお世話になっています。
>しかしRyuさんのやり方で無意識を扱うことはかなりリスクを伴うこともあります。人間を理解する上で心理学を学ぶのは大切ですが、それをメインの方法として人と接するのはどうかな、と色々な経験から感じています。
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>私はフロイトやユング心理学的な分析は自己分析の手段として用いますが、他人にはやらない方がいいと考えています。それは無意識が流れ出した時の対応がとても難しいからです。相手を支えられればいいのですが、専門家でさえ時には一緒に流されたりトラブルになってしまうこともあります。
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>私が知っている精神分析系(フロイトやユング系)の専門家の中でも訴訟を起こされたりした人もいました。そこまでは行かなくても結構大変なことになったという話は心理の世界にいた頃にはよく耳にしました。
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>なのでRyuさんがお友達に夢分析のようなことをしている、というのがちょっと気になりました。お節介かもしれませんが、あまりこのようなことはされない方がいいと思います。
ご忠告ありがとうございます。
ただ僕のコメントの意図について誤解があるといけませんので、ご説明させていただきます。
僕はssさんに対して似ているところがあると感じたので、僕のことが参考になるかと思いお話ししました。分析心理学の話を出しましたが、それはssさんが自閉症の特徴ではないのではないか?とお考えになっている特徴も自閉症の特徴の一つである可能性がある、という説明がしたかったからです。
これは分かっていただけていると思いますが、ssさんに分析心理学をお勧めしているわけでも、ましてや対人関係においてそれを実践することを勧めているわけでもありません。
それから僕自身のことについてですが、ご心配いただきありがとうございます。分析心理学がリスクを伴う手法だということも、訴訟などに発展した事例も存じ上げています。
僕は分析心理学を学校や文献を通して習ったわけではなく、自分の経験から体得的に身につけた自分自身や他者に対する理解の方法がたまたまそれに似ていたというだけです。そしてそれ以上有効な対人理解の方法が思い当たらないので、それを続けています。用語は後から学習しました。
その関わり方が分析心理学と結びつくということを知る前は、確かに感じたとおりのことを相手に言ってしまって対人関係を悪化させたこともあります。しかし今は秋桜様の懸念されていることも分かっているので、他人と関わる際に自分の感じ取ったことを無理に伝えようとしたり、相手の心の中の開けたくない蓋を無理矢理開けるようなことはもちろんしていません。何かを感じ取ったとしても、それをその人に対する自分の理解として使うだけです。
夢分析については、僕のその特技を知っているごく親しい知人が、自分の見た夢の意味を知りたいというので相手の状態を考慮した上でそのお手伝いをしているだけです。その場合でも、僕が言葉で分析結果を伝えるのではなく、その人が自分自身で気づけるように質問を投げかけるだけです。つまり自分で夢のことについて話しに来た人が自分で喋って自分で気づく訳です。
>コミュニケーション測定に関しては言語聴覚士はビデオ撮影したものを全部起こして非言語のものを含めてすべて記録し、自分がどのようなコミュニケーションを取っているのかを分析する、ということをトレーニングの一環として行います。
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>コーチングでもトレーニングの一環としてコーチ、クライエント、オブザーバーの役割を交代で行ってコミュニケーションの取り方について評価・フィードバックすることも行います。オブザーバーは記録を取りながら物事を客観視する時間なので他者のやり取りを見るいい機会になります。
これについてはあまり専門的な話になっても何なんですが、ビデオで撮ったり記録して確認したから客観的であるというのには疑問です。そのような方法で確認できる非言語情報の中でも比較的意図的なものは確かに確認できるでしょうけれど、無意識的な非言語情報の読み取りは観察者の資質が問われます。
観察者が他人の無意識を読み取る際に人間がコミュニケーションにおいて利用するパターン認識の手順として、まず自分のパーソナリティーの中にあるペルソナを相手に投影して重ね合わせるということをします。そして相手の表す言動や微妙な表情がその自分のパーソナリティーの中にあるペルソナと一致した場合に、初めて被観察者の無意識で動いているペルソナを観測可能になるのです。
このことは逆に言うと、観察者の自我に統合されていないペルソナに該当する対象は正確に観測できないということです。ですから例えビデオで録画して後から観察したとしても、その観察者のパーソナリティーの人格統合状態が進んでいなければ投影されるべきペルソナが見つからず十分な客観的観察が出来たとは言えないと思います。
これは自閉症者が定型発達者の心の理論を理解出来ないのと同じように定型発達者も自閉症者の心の理論を正確に理解出来ない場合が多いということからも言えると思います。観察者の多くが定型発達者である以上、秋桜様のような方でないと自閉症者の心理的観察を正確に行えるとは言い切れないと思います。
以下は観察に対する直接の説明ではありませんが、これに共通するところがあります。
http://www.hakomi.net/course.html
以下引用
「良いセラピストの最大の条件は、自己のパーソナリティーの統合が進んでいることです。技法よりもセラピストのパーソナリティーの方がはるかに重要だという研究を、ハコミ創始者のロン・クルツは紹介しました。この点については、アメリカ心理学会も同様の研究結果を発表しています。」
長くなって申し訳ありません。僕もここでこのような議論がしたいわけではないのですが、僕の本来の意図とは違った解釈で受け取られると書き込んだもの自体が無駄になってしまうので説明させていただきました。
秋桜様から頂いたご忠告に関してはこれ以上お答えすることもないと思いますし、ssさんから何かお返事を頂かない限りは返信をすることもないと思います。
Ryu
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