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▼よしゆきさん:
よしゆき様、ジョンと申します。
アスペルガー症候群と診断された、53歳、会社員です。
率直にお答えしますので、気を悪くなさらないでください。
私の勤務先は資本金900億円の大企業です。
私の事業所は千数百人いて、産業医、カウンセラーもいますが、
じゃ、メンタルヘルス管理はというと、産業医、カウンセラーも
発達障害のことは知らない、というお寒い状態です。
だいたい、一般の人に「アスペルガー」を理解しろというほうが
無理な話で、医師やカウンセラーも知らないのに、社員に理解しろと
言う方が無理と思っています。
「どんな病気なのか、私が何度が説明したにもかか
わらず、あまり理解されていないのが現状です(50過ぎ
た上司がこの手の病気は気合や根性で治ると思っている節
があり、ちょっとお手上げです)アスペルガー症候群の人
がうつ病や気分障害を併発しやすいことを理解してもらう
のは一筋縄ではいかない相手ですが」
これは当然のことと思います。
結論から言いますと、上司の方は、「アスペルガー」の
用語を聞いた時点で、よく分からないため、警戒態勢に
入ると思います。そして、重要な仕事は来なくなります。
私が27年間勤務できたのも、一切、メンタルには触れなかった
からです。うつ病でさえ、偏見の目で見られる日本の社会です。
まして、発達障害なる理解しがたいことには、会社は保守的です。
おかしいとお思いだと思います。私もおかしい、偏見だと思います。
しかし、これが現実です。生き抜くためには社会性を身につける以外
方法はありません。自分の身は自分で守る。療育手帳があなたを
守ってくれると思ったら違うと思います。療育手帳はむしろ
障害者枠で就職する場合に有効だと思っています。
アスペルガーの方が、経済的に苦労されているのを
沢山拝見してきました。アスペルガーが如何に就労するかは、
1つのポイントです。経済的な基盤は大切になさってください。
むしろ、自分の苦手なところを言って、「説明が苦手で、ご指導
願います。」みたいな感じで、不審がられないで、うまく指導を
引き出す方が得策です。「自分は正論を言っている」というのが、
もっとも自殺行為に近いと思います。ご健闘を祈っています。
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