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アスペルガー症候群当事者で社会人の笛と申します。
専門医との面談、WAIS-R、脳波測定の結果、総合的に判断しての確定診断でした。
専門医との面談には、詳しい生育歴・小学生の時の成績表を持参し、合計4時間ほど要したと記憶しております。
診断名はアスペルガー障害です。
▼ぬいさん:
>通院の事を信頼できると思っていた二人の友人に話しました。
>一人の子は「そう言う病名が付いたってぬいはぬい」と言ってくれましたが、もう一人の子には「病気に甘えているだけ」と言われてしまい、その後連絡が途絶えました。
>
>自分でも分かりません。甘えているだけなのかもしれません。
この際、「甘える」とはどういうことなのか熟考されることをおすすめします。
アスペルガー症候群は生まれつきの障害です。
当事者が自分を周囲に対して、また自分に対して、アスペルガー症候群であると告げることは甘えではありません。
何かをすること・しないこと全てにおいて、一度も試みることなく、工夫することもなく、ただ障害を理由にすることが甘えと私は考えます。
成人の場合、今まで何も知らずになんとかやってきたのだから、今さら検査を受けて診断される必要はない、と周囲は考えがちですが、
私は知った方が良いと考えます。
成人になって知能検査を受ける機会はあまりないと理解していますが、
ジョンさんもお書きのように、検査結果により自分の得意なこと・不得意なことが数値化されて出てきます。
この結果は今後より良く生きていくために参考になります。
(アスペルガー症候群は、この得意・不得意の点差が激しいという傾向がありますから、ご自身のことを知るのは重要と考えます。)
>親にも「わざわざ自分を病気にする必要はない」と言われ、通院を反対されています。
>どういう結果が出ても受け止めようと覚悟を決めて行ったはずなのに、病院に行ったのは間違いだったのではないかと悩み始めています。
アスペルガー症候群の人の困難さは、当事者、より厳密には当人でないとわからない、と私は常日頃考えています。
アスペルガー症候群の特徴の一つと私は理解しているのですが、障害を理由に甘える、わざわざ自分を病気にする、このような事は出来ない当事者が多いのではないでしょうか。
むしろ、「自分は甘えているだけではないのか?」と診断後も疑問と不安を抱きつつ、周囲だけでなく自分自身でさえも自分を責める、という傾向が強いというのが一当事者としての私の考えです。
アスペルガー症候群は個性のようなもの、定型発達とは異なる文化、そのような話をよく聞きますが、私の意見は違います。
アスペルガー症候群は障害です。その障害故の独自の文化のようなものがある可能性は否定しませんが、
個性だからと言われて具体的に助かったことは私の経験では一度もありません。定型発達の世界では気休めというものに当たるようですが。
それよりも、当事者がこの障害に向き合って、正しく理解し、より良く生きていくために自らの障害特性に合った工夫をしていくことが必要と考えます。
まずは自分自身で受け入れることが出来なければ、周囲に働きかける(又は働きかけない選択肢もある)ことは出来ないのですから。
ですから、検査をお受けになることは間違っていないと私は思います。
ぬいさんに限らす、疑わしい、知りたい、と思ってらっしゃる方は積極的に検査をお受けになったらいかがでしょうか。
診断が下りるかどうかは、また別の問題です。
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