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AS当事者の方には、メリット・デメリット様々で迷いや拒否感もありましょうが、彦さんが周囲や社会との関わりを求めるのであれば、診断はメリットになると思います。
私は友人Aさんの言動がどうにも不可解で不快で、友達同士、混乱やトラブルが絶えず困っていたのですが、ある日、意を決してAさんを精神科に連れて行きました。
そこで初めて「アスペルガー」という言葉を聞きました。
本人も私達もアスペルガーを勉強しました。
Aさんは、注意散漫だと思っていたことや、仕事が続かない事や、恋愛が成就しないことや、親子関係の悪さなどいろんな場面での「なんとなく」に、理由や根拠があったことを知り、態度が謙虚になりました。
「自分は、こういう障害があるんですよ」という自己説明から会話をするようになって、そうすると周囲も「ああ、そうなんだ。じゃあ、どういう言い方をすれば理解や納得しやすいのかな」と考えるようになりました。
家族や友人関係の周囲との関わりに、悪い緊張感や混乱が少なくなりました。
ややこしい場面とかトラブル時には、友人が介在し、Aさんの説明や紹介をするようになりました。
それでも、友人関係ですから感情が先走り、口論になったりすることもありますが、診断を受ける前と後では許容と理解の幅が違います。
私は、少なくともAさんのことを「ものすごく自己中心で思いやりが無くて、にこやかなのに冷たい性格の人」という誤解が溶けて、
「とにかく、困ったことがあったら言ってね」
という関係になれたことを良かったと思います。
周囲の偏見を恐れるデメリットもあるでしょうが、
加齢とともに、健康面や経済的な問題も生じます。
自分の生活や命を守るためにも「診断」→「自覚」→「周囲への理解を求める」
ということは必要かと思います。
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