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はじめまして。私は、24歳のアスペルガーです。
昨年末にようやくアスペルガーであることを診断されました。
自分が普通の人と違うことは以前から感じていたので、精神科を何件か回ったこともあります。ですが、私の悩みを誰にでもあることだからと、一蹴されてしまい、精神科を信じられなくなりました。
以前から自分がADDではないかと考えていたことから、ACや学習障害、ADDとたどり、もしかしたら、アスペルガーなのかもしれないとも思っていました。
広汎性発達障害と診断されて、ADDもあるけど、どちらかというとアスペルガー寄りであるとのことでした。アスペルガーが自閉症のことであるとはっきり知ったときはさすがに落ち込みましたが、アスペルガーについて勉強しているうちに、確かに自分は自閉症なんだなと、痛感しています。
相談したいのは私の家族のことです。
私がアスペルガーかもしれないと打ち明けたとき、家族は全く聞く耳を持ちませんでした。「少し思い当たることがあるくらいで自分を当てはめすぎている」と言われ、馬鹿馬鹿しいことのように言われました。
やっと専門の医師のいる病院に母を連れて行き、はっきり診断されたことで、明かりが見えたような気がしました。でも、そこからどうすればいいのか今、途方にくれるばかりです。
父、母、兄のうち、なんとか理解を示そうとしてくれるのは母ですが、あまり頼りになりません。講演の際に買った佐々木正美先生の「アスペルガー・高機能自閉症」の本が薄くてわかりやすかったので、何とか家族に読ませようとしていますが、母は仕事で疲れていると言い、あまり読もうとしてくれません。本自体読みたがらないのです。
一日一ページでもいいから読んで、と置いておいても、読んでるようすが見られません。
仕方がないので、口頭で私が内容を要約して伝え、私なりの解釈を入れて説明しますが「そこまで自分でわかっていて、どうして自分で改善できないの? 自分でわかっているんだからいいでしょ」と言われてしまいます。一応協力的なので、色々と教えてくれようとしますが、それでも私が変な行動をとると、どうしてそんなことするの、とあとで怒られます。
父は、問題外です。私がアスペルガーという脳機能障害があると言っても、相手にしてくれません。こういう症状があって、私に当てはまっているでしょ、と説明しても、「お前は単に精神が幼くて、考えなしなだけだ。病気と一緒にするな」と言うのです。
母の話では、父も最近は一応考えるようになって来ているそうですが、やはり私を困らせることばかりします。
たとえば、車に乗って、行くつもりだった場所に突然行くのをやめたりします。行くつもりがないのなら初めから言ってくれればいいのに、その場で取りやめるのでパニックになります。大泣きすると、じゃあここで下ろすから一人で帰って来いと言われました。帰れない距離ではないのですが、置いて行かれるとは思わなかったので私の精神は恐慌状態でした。結局目的の場所に行くことはできず、泣きながら家に帰るはめになりました。
何かあるたびに、やめて、と言ってもやめてくれず、自分でも信じられないくらい大きな声を出したことがあります。頭の中が真っ白になりました。気が狂うかと思うほど、心の中が破裂しそうなのを相殺するために、声が出るものなのかもしれないと思いました。
最近運転をするようになりましたが、父のナビゲートがとても怖いです。自分の判断で運転できるならいいのですが、父の道案内はいつ右左折を命じられるからわからないので、交差点にさしかかるたび、いつ声がかかるかびくびくしてしまいます。
父は「何も言わないときは真っ直ぐ行け」と言いますが、交差点内に入ってから突然右、と言われたことが今までに何度かあり、それが怖くて「何も言われなかったからここは直進」とは考えられないのです。
「何も言われなかったからここは直進かもしれないけど、もしかしたらいきなり右左折の指示をだされるかもしれない」と考えてしまい、気が気ではありません。
そこで、交差点に差し掛かったら、直進のときでも、「真っ直ぐ行け」と言って欲しい、と言いました。精神的に怖いのだと説明しましたが、「何でわからないんだ、何も言わなかったら真っ直ぐ行けばいいだけだろう」とわかろうとしてくれません。母も私に対して「それじゃ運転なんかできないじゃない」と、見当違いなことを言います。
母にはじっくりと説明し、その後、母と二人でしつこく父に粘り、やっと「わかったわかった」と言ってくれましたが、あてにするのも怖いです。
兄についてですが、本には、両親の間に兄弟が入って説明をしてくれればいいとあったので、兄にアスペルガーについての理解を求めようとしました。
兄とは年齢が5つ離れていて、子どものころからよく私の問題点を指摘したり、時間をかけて説教をしてくれたりしたので、きっと助けになってくれるだろうと思いました。
それなのに、今までの自分の説教が何の実にもなっていない、と怒られました。そのときは兄も感情的になっていただけなのかもしれませんが「何の努力もしていないお前のために本を読む気になれない、読んで欲しいと思うなら努力をみせろ」と言われました。
確かに目に見える努力はしていませんし、何でも先送りにしてしまって、今まで努力した!と思えるようなことをしてきてはいませんでした。
自分では頑張っているつもりなのですが、努力はしていないのです。
私はずっとだらしがなくて、いわれたことも満足にできませんでした。言うこともなかなか聞けないし、忘れるし、自分勝手な行動ばかりしていて、何十回、何百回説教されても、何の意味がないと言われました。
実際その通りでした、アスペルガーのことを知り、今まで説教されていたことが私にとって何の意味もなかったことがわかりました。今までの説教は的外れで無意味だったと面と向かって言うと見捨てられそうで怖いのです。
私の言い方では、余計に事態を悪くしかねません。今まで通り兄の説教が必要なのですが、説教の仕方や内容をアスペルガー向けにして欲しいと思い、そのことを伝えたくて本を読んで欲しいと頼んだのですが、読んでもくれないのでは他にどうすればいいのかわかりません。努力をしろと言われても、自分では、自分を変えられる自信が全くありません。
普段は仲のよい家族なのですが、私のことになると途端に険悪な雰囲気が漂います。
「私について」の議論が段々感情的になり、けんか腰になり、私がしつこく食い下がると、母はキーッとなって「自分も自閉症だ、頭がおかしくなりそう」と言い、邪魔になった物を床に投げたりします。一般に知られるパニックを起こした状態の自閉症のことを指しているんだと思うのですが、それは違うだろうと思って、普段の様子からして、「更年期障害だからだと思うよ」と言ったところ、目をむいて怒られました。さすがにまずかったかと思いましたが、そのときは素直にそう思ってしまったんです。
私のアスペルガーに関する話は結局、自閉症に対しては、こういう風に言って欲しい、こういう風にして欲しいという要求ばかりになってしまい、自分で何で直そうとしないのかと責められます。「お前は相手に要求ばかりして、自分では何もしようとしない」と言われました。
佐々木正美先生の本はとてもわかりやすくて、家族もこれを読めば私のことを理解してくれると思っていましたが、たった100ページもない本を読んでもらうのに、どうしてこんなことになるでのしょう。私と2時間話し合う(半分説教ですが)時間があれば、30分で読み終われるのにと思いました。
私の言い方は押し付けがましくて、いうことを聞く気になれない、やってもらって当たり前という態度が嫌だと、と言われました。
24年分の私の生活がこんな形で、はねかえってきたのでしょう。信用の積み重ねがなかったな、とつくづく思いました。
昨日、通勤途中で佐々木正美先生の本を読んでいて、泣いてしまいました。
朝読んでいるうちに、今までのことが、突然フラッシュバックしてきて、午前中は仕事中でも泣きそうになりました。
そして、この掲示板を見ていて、今も涙が出そうになります。
同じアスペルガーの子どものために、いろいろ考えているご両親の書き込みを見ていると、とてもうらやましいです。どうしてこんなに境遇が違うのでしょう。
なんだかもう疲れました。
どうして自分だけがこんなに頑張っているんだろう、と思います。
私ばかりがアスペルガーについて勉強していても、自分で自分をどうすることもできません。衝動は止まらないし、こだわりをどうにかすることもできません。
私はただ家族と一緒に病院を探したり、本を読んだり、話し合ったりしたいのです。
どうすれば私が言うことをきけるようになるのか、私が納得できる言い方を工夫したり、一緒に考えたりして欲しい。私と悩みを共有して欲しいのです。
そういうことを私が自分の口で言うからいけないんでしょうか。
私がべらべらとああしてほしい、こうしてほしいと、しゃべれるから余計にまずいんでしょうか。
典型的な自閉症の例を出すと、どうしてそんな重い人と一緒にするの、と母に言われます。重くても軽くても同じ自閉症で、根っこは同じだと説明しても、私の知識や学力を見て、さほど重要なことのように思ってくれていないようなのです。
「それだけわかっていて、それだけできるのに、なぜできないの?」という話が思ったより出てきます。どれだけ言えばわかってもらえるんだろう。どうしてこういう行動をとるのか、どうすればうまくできるようになるか、本で得た知識を説明はできるけど、それを実践するのは、自分だけでは難しいと説明しているのに、どうして私がわかるように理解してもらえないのか、不思議でなりません。
一方両親は、知識量が多く、いろいろ知っている私が、いまさら何でそんな基本的なことがわからない、できないのかが不思議なようです。
家族を困らせたいわけではありませんが、最近では、アスペルガーの話題を出すだけで、うんざりするような表情をされます。
不謹慎ですが、私が重度の自閉症だったら、家族の対応は変わっていたでしょうか。
あるいは言語障害があったりしたら、私のために心を砕いてくれたでしょうか。
それとも、何も変わらず、私が自閉症だということに気づきもせず、自分で自分を理解できず、誰にも理解されず、今以上の苦難を自分一人で抱え込まなければならなかったでしょうか。
大好きな家族の中にいてさえ、自分の障害のことを思うと、理解されない悲しさと孤独感で、泣きたくなります。
いっそ自分に理性がなければ、これほどまでに苦労しなくてすむのにと思います。やってはいけないと思うことに気づいたら、自分を抑えるために相当な精神力を使わなければなりません。自分の思うように動きたい、でも、動いてはいけない、そういう葛藤が絶えず私を揺さぶります。
それ以外にやってしまったことをやらないように努力しなさいと言うのなら、それ以上私にできることはありません。
時々、自分の両親がかわいそうになります。自分の家族を自覚がないとはいえ、こんなに困らせてしまう自分がとてもいやです。
長々と書いてしまって申し訳ありません。
この気持ちをどこにも出せないことが、本当に辛いです。
せめて、誰かに私の思いを知ってもらいたいと思いました。
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