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おかものはしさん、お返事が遅くなってしまいました。できるだけおかものはしさんのお役に立てるように文章を考えてみたのですが、私自身まだ結論が出ていないこともたくさんあります。でも、できる限り書いてみようと思います。
>それとも、この「自分で考えて」はひょっとして
>「自分で考えて、自分で無理と結論出して、辞めてください」という意味ですか?
この答えは、そうでもあるし、そうでもない、というところです。Aさん(私の元同僚)に、「自分のことを知ってほしい」というのが一番の目的です。「自分のこと」とは、オブラートから思いっきりむき出しにして言えば、「接客に必要な能力に大きく欠けて、その能力は教育のしようがない部分だ。接客には向かない」と言うことです。
それを本人が理解できれば「辞める」という結論になるでしょうが、なぜ辞めなければならないのか理解せずに辞めるのではAさんはまた同じことの繰り返しです。自分の特性を理解して、次の就職につなげてほしいと思いました。
教育のしようがある部分(言葉遣いとか、専門知識とか)なら私達だって教育できます。育つのを待てます。しかし、Aさんの場合は、私達が教えようがないことができませんでした。
前回もいくつか説明しましたが、他には、説明がとても下手でした。一言で言うと、「聞く人のことを考えていない」話し方でした。もちろんAさんは頭では「相手の立場になって話す」ということは知っているのでしょう。しかし、実際のお客様の対応中に、それがとっさにできないんです。どうやったらとっさに「相手の立場になって話す」ことができるか、これは私達は教育できません。
例えばデパートの受付にAさんがいるとします。お客様が「ティーバッグは何階ですか」と聞いてきたとします。私はAさんに、「『紅茶ですか、下着ですか』と訊いて、紅茶なら地下1階、下着(ティーバック)なら8階をご案内」と指示しました。するとAさんは「紅茶なら地下1階で、下着なら8階です」と言ってしまいました。
この例だと短いので何も感じないかもしれませんが、実際の「地下1階、8階」の部分の説明はとても長く、どちらか一方、お客様が必要なほうだけすればよいのです。関係のないほうの長い説明を聞いているときのお客様、あきれ気味でした。なので最初に「紅茶ですか、下着ですか」と訊きなさいと指示しているのに、それも忘れます。
忘れるといえば、Aさんは記憶もあいまいです。2つ指示をすると1つ忘れるので、なるべく指示は1つにしようとするのですが、接客の仕事は1つで済むことは少ないです。「Xを確認したうえでYをご案内」というのは、本当にたくさんあります。Aさんは、Xの確認をせずにYだけを案内してしまいます。
また、接客の記録を残すのですが、そこにもやってないことをやったと書いてあったり、やったことを書いてなかったり。困るのは、Aさんには嘘をついているという気は全然なく、本当にそう思い込んでいるんです。Aさんを1人で接客させるわけにいかないので必ず先輩社員が1人付くのですが、それでもやってないことを書いています。単にチェックボックスにチェックを付ける、などの単純な記録ではなく、100文字程度の文章です。一緒に接客した先輩社員が「こんなことやってないよね」と確認を取ると、「はぁ、やったと思うんですけど、、、、、忘れましたぁ」です。これも教育のしようがありません。
>どうすれば、「危機感を感じて本人も困って悩んでいる」と
>まわりにわかってもらえるのですか?
>やっぱり「辞めます」だけが正答なのかな?
今回のお返事で、一番困ったのがここです。実はいまだに結論は出ていません。しかしそれでは何も進まないので、あまりまとまっていないですが、できるだけ書いてみようと思います。
まず、「危機感」とは何かの定義がAさんと私では違うと思います。Aさんは、おかものはしさんがおっしゃるように、
>でも、きっとAさんも「いつかは自分もちゃんとできるようになる」って
>思っていたんじゃないのかなぁ。
>だって、自分じゃ自分のどこが悪いかわからないんだもの。
と思っていたんだと思います。「できるようになる」が前提で、今できないからどうしよう、というのがAさんの危機感なのかなと思います。
私の危機感は、「絶対できるようにならない」というのが前提です。
次に、私がどうして「Aさんは危機感を感じていない」と思ったかを考えてみました。次の2つのことがあったと思います。
1.危機感を感じていると思われる行動がない。
2.危機感を感じていると思われない行動をする。
これらについて、具体的にその行動は何かを考えてみました。まず、2のほうが説明が簡単なので先に説明します。
「危機感を感じていると思われない行動」とは、Aさんの場合は、前にも書きましたが、先輩の接客のフォローをしようとする、というのがあります。自分はミスばかりしているのに、自分のお客様から言われたこともよく理解できないのに、どうして先輩が対応しているお客様のお話が理解できてフォローができると思うのか不思議です。こういう態度を見ると、「自分ができていないということがわかっていないんだな」と思います。
1の「危機感を感じていると思われる行動がない」ですが、こちらは難しいです。私も「危機感を感じていると思われる行動」って何?ってずいぶん考えました。決して「辞める」だけではないです。で、他の同僚達が「危機感を持っているんだな」と思った行動を考えて見ました。
どんな仕事にもある程度の専門知識が必要だと思います。私もいまだに常に新しい専門知識を身につけようとします。入社後、専門知識の基礎的なことは教育する機会がありますが、それの応用となると、自分で常日頃から勉強しないといけません。新人さんの多くは、「○○について勉強したいんですけど、どうやって勉強しましたか、良い本はありませんか」などの質問が出てきますが、Aさんについてはそれがありませんでした。
それどころか、Aさんはこちらが指示したテキストもろくにやっていないことがばれてしまうことが何度かありました。「このテキストやっていますよね」と言うと「やっています」と言います。「じゃぁ、この部分もやりましたよね」と言うと、「そこはやっていません」と、とても淡々と言います。ミスして怒られているときに淡々と「そこはやってない。しかし、そのテキスト全体はやっている」と堂々と主張をされても、こちらはますます怒るしかありません。
>「辞めてほしいわけじゃない」と言われたら、
>「辞めるな頑張れ」ととってしまいがちです。
>傷ついても、はっきり「辞めろ」と言ってほしいです。
私達は逆のことを言っていました。本人が「この仕事で頑張る」と言っている以上、会社を辞めさせたり仕事を変えたりできないと。
この掲示板で最近、「傷つけないと理解してもらえない」という書き込みを見ました。Aさんもこのタイプだな、と思います。「あなたは仕事ができていない、もっと努力してよ」という表現を、Aさんにはずいぶんしてきました。他の人が同じ表現をされてもそう受け取ってくれると思いますが、Aさんには通じないようです。なので、一度きつく言ったのですが、そのときの落ち込みようったらなかったです。あのときの対応は「仕方なかった」と思っていましたが、今は「間違ってなかった」と思います。
しかし、きついものの言い方や「辞めろ」とはっきり言うことは、パワハラとも受け取られかねないので、普通はそうは言いません。なので、私から見ると「辞めろとは言えないから自覚してほしい」と思ってしまうんですよね。
それに、会社を辞めるって、すごく重いことですよね。私も会社を辞めて再就職がなかなか決まらなかった頃に、収入がなくてすごく不安でした。なので、他人に「辞めろ」とは言えません。
私が失業したときはすぐに就職するつもりだったので失業手当ももらいませんでしたが、意外に長引いたので手続きしておけば良かったと思いました。フリージア*さんもおっしゃっていますが、ハローワークで失業手当の給付の手続きを、多分正式な退職の20日以降になると思いますが、早めにされたほうが良いと思います。多分待期があるので、実際の給付は3ヵ月後くらいになると思います。私もあやふやなので、早めに調べたほうが良いと思います。
なんだかAさんのことをずらずら書いてしまいました。私達はAさんの行動が不可解でした。その行動を考えて分析しているうち、私の弟(知的障害が重い自閉症)の行動と重なりました。融通のきかないこととか、シングルフォーカスなところとか。Aさんはアスペルガー症候群なのでは、と思って調べたことがありました。Aさんの不可解な行動の大部分はアスペルガー症候群の特徴と重なって、ずいぶん整理されました。それに気付いてから、Aさんを教育することは、弟に無理をさせているようで辛かったです。
しかし、記憶を作り出してしまうところなど、当てはまらないと感じるところもあります。Aさんはアスペルガー症候群なのか、他の病気などなのか、医者でない私にはわかりません。Aさんは今どのようにされているかわかりませんが、自分に合った仕事をして、無理をせずにいてほしいと思います。
>どうやら「私にあった仕事」を見つけるのは
>なかなか難しいことになりそうですね。
これは皆そうだと思います。私も転職歴3回です。4社目の今の会社に10年勤めています。お給料も少なく、いわゆる出世もできない会社ですが、私には、定時に帰れて有給も取りやすいこの環境が一番です。
また長くなってしまいました。おかものはしさんはAさんじゃないし、私もおかものはしさんの先輩じゃないのは分かりきっていますが、でも、何か参考になればと思います。
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