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『一般精神科医general psychiatristの発達障害の知識と診断技術について』
2009年9月30日(水)〜10月2日(金)
国立京都国際会館で開催された「第50回日本児童青年精神医学会総会」の
9月30日(水)14時10分〜17時の教育症例検討
「当初破瓜型統合失調症を、次いで初期統合失調症を疑い、最終的にはアスペルガー症候群を疑うに至った1例」
に於いて、演者の東京大学医学部准教授、中安信夫(大変著名な精神科医で「初期統合失調症」という臨床単位の提唱者で、かの宮崎勤の精神鑑定も務めた)は、自らの誤診例について赤裸々に語ったのだが(誤診を包み隠さずに公表するという事自体は、保身ばかり考えている医師の中にあっては大変高く評価出来るが)、精神科に於ける診断と治療いうものが、こんなにもいい加減で、恣意的で、デタラメなものなのかと改めてショックを受けた。
結局、中安が、患者が呈する精神症状に対して、その原因を、ああでもない、こうでもないと、恰も哲学の命題を考えるように、仮設を立てて、辻褄が合うように机上で論証しているに過ぎないのだ。
他の医師に意見や助けを求めることもなく・・・
身体疾患の診断に於ける様なbiological markerを持たない精神科診断では、これが普通なのだろうか?
これが精神病理学というものなのだろうか?
哲学者や非臨床の心理学者なら、これでも許されよう!
しかし、生身の患者の立場からすれば、こんなモルモットみたいな事をやられて、しかも誤診に基づいて、副作用のある薬物を投与されたら、たまったものではあるまい。
日本における精神医学の権威と目されている中安信夫ですらこうなのだから、一般の他の精神科医はどうなのかと考えると空恐ろしくなる・・・
中安に限らず、そもそも成人を対象としている精神科医は、発達障害等の児童精神医学の知識も経験も欠落しているし、生育歴の聴取という事もしっかりとなされていないし(本来、ヒトは生まれてから死ぬまで連続的な存在なのが当たり前なので生育歴を無視できるはずはないのだが)、他の医師にセカンドオピニオンを求める事もしていない。
これが宮崎勤のように一般社会の耳目を集めた連続殺人犯の裁判の為の大がかりな精神鑑定を行うといったケースなら、中安も、児童精神科医の栗田広の意見を求めたようなのだが、通常の臨床に於いてはそこまできっちりとはやらないようなのだ。
そして、最初は破瓜型統合失調症、次に初期統合失調症という誤診に基づいて、スルピリド(中安によれば初期統合失調症のfirst-line drug)50mg+抗パ剤の投与を、初期投与に於いて患者の行動に劇的な改善が認められたというだけの理由で、確たるエビデンスもないまま、何年にも亘ってただ漫然と続けていただけである。
講演後、フロアから質問に立った児童精神科医の杉山登志郎も、これにはかなりショックを受けたようで、
日頃、発達障害を診ている児童精神科医だと5分でアスペルガー症候群と診断可能なケースだと述べ、
「同じ東大には発達障害の専門家の金生由紀子もいたのに、なぜセカンドオピニオンを求めようしなかったのか? 東大では、医師の間での、横の連携はないのか?」(完全に同じではないが、これに近い表現)と驚きを隠せないでいた。
もし、中安が初期の段階で、同僚の金生由紀子とか、渡辺慶一郎とかの発達障害の専門家に意見を求めていたならば、もっと早くアスペルガーの診断がつき、患者にとっての不利益も回避する事が出来たのではなかったのか?
そう言えば、東大精神科は長らく、外来と病棟が対立するといった奇妙な状態が長年続いていたのだが、1994年に、松下正明が解消、統合して、もっと風通しの良いものになったのではないのか?
それとも、自分の患者は、誤診だろうが何だろうが、意地でも最後まで自分が引き受けて、他の医師の意見を聞くとか、診察を受けさすとかいうことなど沽券にかかわるとして、考えも及ばないほど、医師の世界は、縦割りで硬直しているのだろうか?
今現在でも、アスペルガーや高機能自閉症の発達障害なのに、統合失調症や境界性人格障害と誤診されてまま、抗精神病薬の投与を漫然と続けられ、副作用で人生を無駄にしている患者が、それこそ、この日本の精神科にどれくらいいるのだろうか?
一般の精神科の診断と治療というのは、かくもいい加減で、医師個人の恣意的で狭隘な判断に基づいたデタラメなものなのか?
あと、抗精神病薬という錐体外路症状のような危険な副作用のリスクが伴う薬を、こうもたやすく投与する(それも、誤診に基づいて投与するのだから、立派な人権侵害で犯罪に近いのではあるまいか?)のが、現在の精神科の常識なのか?(当然、製薬会社からの見返りといった暗黒面も存在しているに違いない)
そこで、皆さんの、精神科の診断と治療に関しての、忌憚のないご意見をお聞かせ下さい。
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