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▼ジョンさん:
こんにちは、秋桜です。
>教えてください。
>
>ジョンです。
>私の主治医はメタ表象という用語を使っていました。
>コミュニケーションの場合、相手を分かっている自分を
>理解することができる、という場合もメタ表象だと
>思うのですが、療育の場合において、コミュニケーションの
>指導をする場合、メタ表象のところまで指導することは、
>可能なのでしょうか。
メタ表象とは通常の場合5,6歳前後から発達し始める抽象的な思考能力(言語・非言語を含む)のことを指しています。この頃から定型発達の子どもは文字や数字といった記号を操作することが可能になり、相手の立場になって考えるという能力が発達してきます。
さらに8歳〜12歳頃になると論理的思考が発達し、11〜12歳頃になると仮説などを立てて実験・検証するという能力が身についてきます。
このような実験で有名なのがピアジェで、彼は実験によって可逆的なものの見方(=その場には見えない視点で考える)の検証などを行っています。
指導の際、やはりメタ表象系の発達は重要なので私は意識しています。詳しくは過去ログや秋桜の部屋に書いてある指導の項目などを参考にして下さい。
>私の場合、メタ表象ができている部分があるので、
>自閉的な認知特性が改善されている部分があると
>診察において言われました。
>一応、自閉的認知特性とメタ表象に関する報告を紹介します。
>http://wwwsoc.nii.ac.jp/jraps/zaigai.html
>3.自閉症の注意障害モデル
>これは自閉症児の共同注意の障害、メタ表象障害を背景とする
>心の理解の障害の原因となりうる。
共同注意は英語ではjoint attentionと呼ばれているもので、幼い子どもが犬などを指差しして親に共感を求めるといった行動などがよく例に挙げられます。自閉症のお子さんの場合、このような能力が難しいことは研究者の間ではよく知られており、私の大学の指導教官もこれに関する研究をしていました。
アスペルガーの人の場合、9〜12歳前後でサリー・アン課題が通過すると言われており、メタ表象が身に付かないということはないと思います。また、記号操作能力に秀でている人ならば、数学や言語の処理能力が高いというのは容易に想像が付きます。
方略は定型の人とは多かれ少なかれ違うとは思いますが、ある程度は身に付けられるとは感じています。しかし相手の心情に配慮するといったことは目に見えない上に人によっても尺度が違うので難しいのだと感じています。
私の場合は小さい頃からの療育と、大学や専門学校、そして仕事で身に付けたノウハウを活用して何とか生活しています。あとはどれだけ経験したことを自分のものとして捉えて整理できるかがポイントではないでしょうか。
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