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▼マナミさん：
>こんにちは
>はじめて書き込みいたします。
>『…社会性を身につける時期にイクタ君は不安と混乱でそれどころじゃなかったのかもしれない』というくだり（正確ではありませんが）をよんで自分も幼年期そんなことを感じていたような記憶があり、なんだか心にひっかかっていました。その記事で「アスペルガー症候群」を知ったのでした。
> もちろん、進学、就職先ご近所付き合いなど、何度か人間関係でうまくいかなかった経験はありますが、なんとなく私は不器用で「生きにくいタイプ」とわりきって（苦手だと認識して）自分に折り合いをつけてきました。
> 今まで感じてきた、周りの人（社会）や自分自身に対するの違和感や孤立感、みたいなものに、名前が付けられた感じがしました。
>そして、これは病院で治るのでしょうか。
> なんだかごく幼いころにどこかにおいてきてしまった、あるいは壊れてしまった
>心の一部が、私には再生できるとは、思えないのです。
>
はじめまして、ジョンと申します。
アスペルガー障害と診断された、５０歳、会社員です。
ご指摘の読売の記事が検索で見つかりませんでしたが、
もし、リンクがあれば、教えてください。
たとえば、発達障害関連の記事であれば、
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/renai/
があります。
さて、アスペルガー、ADHD、LDがブームになってから
報道各社でも発達障害を取り上げてくれるようになり、
潜在的な障害者の方が知ることになり、喜んでいるところです。
私の若いころは、アスペルガーのアの字も医師が知らず、
私たちは非常に苦労しました。
ところで、お書きになっている事柄から直接アスペルガーを
推測することはできませんが、一応、アスペルガー症候群の
診断基準を簡単に書いておきます。アスペルガー症候群は
自閉症スペクトルに分類されますので、自閉症の考え方が適用されます。
すなわち、１．コミュニケーションの障害があります。健常者と
コミュニケートする場合、自分は文字通りの解釈をするため、
一般に行われている、内容に込めた意味や行間が読めないため
コミュニケートに苦労します。
２．社会性の障害があります。周りでは、言葉に出さなくても
当然と認識されていることが理解できないために、場違いな発言や
行動が現れます。
３．想像性の障害があります。一般に自閉症スペクトルの場合、
こだわりが強く、同じでありこと、自分の考えの範囲であること、
１つのことに集中することにこだわります。同じ事の繰り返しに
安心します。そのため、日常と違うことが起こることがあるという
想像に障害があります。ある方が「ライナスのタオルケット」とおっしゃって
いました。
ご自分が「アスペルガー症候群」の傾向がある、という話と
自分が「アスペルガー症候群」であるというのは、かなり違います。
自分が、日常生活で困っている程度によって、事情は変わってきます。
悩みが深ければ深いほど、医療機関の支援が必要になりますし、
日常生活に支障がなければ、いわゆる「傾向」で済む話だと思います。
それは、自己の発見であり、これから生きていく指針かもしれません。
これが、実際に支障が出てきますと、「傾向」では済まなくなり、
医療機関の診断を受け、社会適応へのトレーニングが必要になって来ます。
症状が強いとき、就職することが困難、あるいは、就職しても、
仕事の継続が困難、または、家庭生活が困難、といった場合には、
診断→社会適応トレーニング、というステップになりますが、
それほど必要なければ、自分で勉強してみる、というのも
よいかもしれません。ギルバーグ著「アスペルガー症候群がわかる本
―理解と対応のためのガイドブック」出版社: 明石書店
価格： ￥1,890 （税込）がお勧めです。
アスペルガー症候群は脳の障害であり、治療はできませんが、療育に
よって社会適応はできるようになる場合もあります。
自閉症スペクトルは連続的であることを意味し、健常者から障害者まで
脳の受けたダメージの大きさによって、障害者、そして、症候群と
診断されます。診断は専門の医師が行いますので、極めて限られています。
障害が大きくなければ、障害者とは診断されませんし、診断基準に
適合しなければ、症候群とは診断されません。
一般の方と比べて、生活上によほど支障がなければ、
障害の程度は強くありませんので、安心してください。
支障があれば、医療機関での診断をお勧めします。
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- 04/10/9(土) 11:33 -
