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▼梨花さん:
ご自分を責めないでくださいね。
私も心の中でせっぱつまると、そういうことを言いたくなる時がいっぱいありますよ。
でも、それって、ほっとけなくて、可愛くて、心配で、幸せに何とかなって欲しいと思ってるからイライラするんですよ。わが子が大切で心配な気持の裏返しです。
>ただ日常生活でできることを増やす努力をしてほしい。これを望む私は間違っているのでしょうか?
少し 娘さん側の気持ちに立って、推測してみました。
これまでの学校生活や日常生活で、「褒められてうれしい」「自分はやればけっこうできる」「難しいことでもやってみりゃなんとかなる」「出来ないと思ってたことが思わず出来て達成感で嬉しい」などの経験が少なかったのではないでしょうか。
これらの気持ちは、小さい経験の積み重ねで生まれてくるもので、『頑張ろうと思う気持ち』の種となるものです。
けれど、これまでにこうした経験が少なすぎると、頑張る意義が見えないんだと思います。「頑張るだけ、けっきょく無駄な労力になる」と思えるのでしょう。
以前、うちの子の担当の心理の先生からはこんなことをアドバイスされています。
【年齢相当(うちの娘なら9歳)で何ができる、という判断基準を忘れてみてください。4〜5歳ほどの子ならば何ができるかを基準にして、今できていることを褒めて認めてあげてください。】
うちの子であるならば、9歳の子の中に 9歳の子と4〜5歳の子が入り混じって同居している感じをよく感じます。この奇妙な「ずれ」がきっと発達障害の本質の部分かな、何て気もしています。
このため、9歳という実年齢でできることを見てしまうと、できないことばかりが目に付いてイライラしちゃうんですよね。
梨花さんの娘さんの場合も、中3の部分と小学生中学年くらい?の部分が体や心に同居してる感じとかはしませんか?
もし感じる場合、小学生の子が取り組んでいるつもりで見てあげると、日常生活でできることが増えていたり子供も頑張ってることに 親側が気付きやすくなります。
きっと受験などもあり自立に早く近づけるようにと焦られると思いますが、とりあえず、
・できるようになってることを探して、頻繁に子供にできることが増えてることを伝える
・あまり役に立ってない手伝いでも、「助かる」「ありがとう」を伝える
・とても簡単なことや短い労力で済むことをやってもらい、できるという達成感の経験を積み重ねる
を日常生活で繰り返すと数か月で大きく変わってくると思います。
>英語の単語を調べるのに辞書がひけず投げ出す娘に、なぜこんな簡単な事ができないの?なぜ出来るように努力をしないの?また投げ出して終わってしまうの?
うちの娘や療育仲間の子から感じた事なのですが、簡単なことのように思えることにも 実はけっこう手順があるんですよね。
この手順を自分で思いつき、実行することに苦手がありませんか?
もし娘さんが視覚優位の傾向があるならば、紙に手順を書いてあげるといいですよ。
目で見ないと、頭の中だけでは手順を追い辛いという特性のある子もいます。
例 ask だったら・・・
1.英語辞書は アルファベット順に探していくことを覚えておく
2.最初の文字aを探す
3.二番目の文字sを探す (asと探していく。asとついている単語の最初と最後を確認し、範囲を特定する)
4.3番目の文字kを探す (asの範囲の中から askを探していく)
こんなふうに、目で追って確認できるようにすると、かなりやりやすくなる子もいます。
日常生活で普段する作業そのものを「構造化」(手順を細かく分け、一目で作業が分かるようにする)してあげると、ひとりでもできるようになりやすいですよ。
子供の主治医の話では、自閉圏の子達は最初数年間ほどは親がやってあげないとなかなか手順を考え付かないので親はかなり不安になるのですが、ある時期に来るとコップの水があふれるようにいきなり唐突に自分でできるようになるそうなので、焦らずに続けていくと大丈夫、とのことです。
私が療育でアドバイス受けてきたことを、ご参考までに書いてみました。
夏休み、親子で楽しい時間が多くなりますように。
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