|
▼ハム吾郎さん:
お初にお目にかかります。
一介の当事者POLINECIAと申すものでございます。
ハム吾郎さんのコメント、興味深く拝読させていただきました。
表現的にはまだ工夫が必要とは言え、
学校という空間の特徴を非常にユニークに捉えられておられるな
と関心させられました。
ハム吾郎さんの問いに対してあたしには十分な答えを持っていないのですが、
せめていくつか関連のありそうな情報だけでも提供してさしあげたいと思います。
1.参考文献
内藤朝雄『いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか』
(講談社現代新書 2009年)
この本がハム吾郎が現時点で持たれている問いに
真摯な答えを出してみると思います。
著作者は他にもいじめに関する本を出しておりますが、
初心者向けとしては上記の著作がお勧めでございます。
以下、いくつか興味深い考察をご紹介しておきましょう
2.人間は一人で行動している時とグループで行動している時では
全く違う行動を取ることがある。
このスレッド全体でも若干話題になっておりましたが、
個人としてみれば大人しく、印象も薄く、むしろ親切な若者が
群れをなした瞬間、教員に対しては傍若無人な態度を取り、
他人を痛めつけることによって快楽を得るようになることがございます。
ここで、どちらがその若者の本来の姿なんだという議論を行うのは
無意味でございます。
むしろ、人間は群れると一人で行動している時とは違う行動を行う
というのがその答えになります。
例えば、ハム吾郎さんが例に上げられている女子生徒の場合、
いじめに加担しなければ自分がいじめやシカトのターゲットにされてしまう
という理由でいじめに加担する場合もございます。
おそらくその女子生徒は一人で行動している時は
そんなことをしないと思われます。
3.親密さが求められる空間では逆説的にいじめが発生しやすい
ある動物実験によれば、
ハトとねずみを同じ小屋の中で飼育すると、
お互いの攻撃性が増幅されるという結果が出されてございます。
同じ理由で、人間同士であっても
あまりにも相性が合わない者同士を同じ部屋でべたべたさせ、
仲良くすることを強いていると結果的にメンバー同士の攻撃性が増幅され、
人間関係が荒れやすくなると言われてございます。
家族関係のこじれなんてのはその最たるものでございますし、
学校もそういう部分を少なからず持ってございます。
そう考えていくと、
学級という制度そのものがいじめの温床となりやすい
という結論が出てしまいますし、
少なくとも『いじめの構造』の著者はそう考えておられる節がございます。
(その結論が妥当かどうかについてはあたしの中でも答えは出ておりません)
ま、この辺りなんかも今持っておられる問いを考える際の
材料にでもしてみてくださいな。
単純に「そんなことを考えちゃいけない」
と説教するだけではもったいないような大きなテーマであることだけは
確かでございます。
|
|