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▼めえめえ さん:
▼秋桜(管理人)さん:
▼午後ティーさん:
▼マリアンヌさん:
レス、有難うございます。書こうとすると、色々な事が頭に浮かび、それを全部書かなくては先に進めない気分になり、それを整理していると時間が過ぎてしまい、遅々レスになってしまいました。遅々レスになり申し訳ありません。
[#3444]の自己紹介では触れていませんが、私の子供は先天性の障害を持っております。幸い、早期に発見され、投薬と母親の献身的子育て、言語の先生、保育園の先生、小学校の担任の協力で、親に悪たれをつく位にまで育ってきております。以前は、知的発達の遅れが目立って発見、治療になっていた障害です。それが血液検査で新生児段階で検出可能になり、私の子供のように生育が可能になった内分泌系の障害です。それだけに障害の早期発見と療養・養育開始の有効性、重要性はわかっているつもりです。
省みますと、ASの概念が日本に伝わってきた頃には、既に社会人。10ヶ月ほど前まではASとは露とも疑いませんでした。40代、50代のAS者には、こうした人、無自覚、未診断が多数いると思います。現在の境遇にある一因は、このAS無自覚にあると思っています。
子供の件と私の体験から「発達障害者支援法」による発達障害の早期発見と支援の施策に賛成します。子供の件から「発達障害の症状の発現後」ではなく発現前に検出が望ましいと思います。今回の研究で採り上げているリンパ球・白血球の遺伝子検索でその可能性が見えてます。
人の共感力、他人の心を感じる力の発達は、生後8か月頃の、母親(相手)の指さしに反応して指された方向を見る反応、10か月頃の視線追従に始まり、2 歳6 カ月頃でアンとサリーの誤信念課題に幼児は約74%正答するようになるそうです。保育園、幼稚園の段階での発達支援は、「発現後」の支援では、子供の内分泌系障害でいえば知的発達の遅れが目立ってから投薬と同じではと私は思います。望ましいのは新生児段階で検出し、発達支援を行うこと。新生児段階でのリンパ球・白血球の遺伝子検索で検出が可能になる。この遺伝子検索は胎児段階でも可能になります。
私の子の内分泌系の障害は、先天性ですが遺伝性はありません。ですから子の子(孫世代)には伝わりません。
ASの「脳機能の障害」も、先天性それだけでは孫世代に伝わるとはいえませんが、ASは変異遺伝子による疾患なら、孫に伝わる可能性があります。子は選択をしなければならなくなります、配偶者と共に選ばねばなりません、妊娠すべきか、否か。産むべきか、産まざるべきか。変異遺伝子による疾患ということは、私には福音ですが、子供にはどうでしょうか?
>何らかの結論を先に抱いて集めると、その結論を裏付けるような情報がいくらでも集められるものです。
私は10代で北壮夫の「夜と霧の隅で」(T4政策の不治の精神病患者への安楽死実施に抵抗して、あらゆる治療を試みる医師達の姿を描いた作品)を読んで以来、優生思想、優生学に関心を持ってきました。 このような非情な事態を生み正当化する根拠、それを克服する根拠、思想、現在の優生思想のあり方など折に触れて調べ考えました。私は優生思想には反対ですから、その意味では収集した情報に偏りがあるのは否めません。
私自身は「子供は親を選べないのだから、親が子供を選ぶべきではない」「子は授かり物なのだから、そのまま授かって育めばよい」と考えるにいたり、実践したつもりです。
優生思想、優生学はイギリスが震源で、米国では人種差別を正当化し、連邦法ではなく州法で多数約6万人が強制断種、日本では優生法、優生保護法、ドイツではナチスのT4と具現化しました。ハワード・カックル氏の論は、ナチスドイツの優生政策T4の反省を踏まえて出された本家本元の優生思想だと考えます。
日本の優生保護法は、PC脳性マヒの青い芝の会の優性条項の撤廃の要請をきっかけに1997年に断種など優性部分を削除し、母体保護法に衣替えします。国家意思による断種などは法的には廃止されたのです。
選択するためには、羊水検査などで胎児の健康状態を調べる際に障害の有無など知る必要があります。優生保護法がなくなった翌年に件の二分脊椎症のTV番組がありました。放送時にこれを見て、心に残ったのは、中絶を選んだ女性の苦しみでした。T4の反省は、中絶を決断する主体を国家から妊婦に移すこと、ファッシズム的強制から自由主義的選択へだったのです。ナチスでは国家がその中絶の罪悪を背負っていましたが、それが個人の女性の選択ということで妊婦の肩に移っている点です。国家は心を持ちませんから苦しみませんが、人間にはあります。中絶して心を苦しめる女性の多さが伝えられていました。
障害のケアにはお金がかかる、検査総費用<障害者ケア総費用なら検査を実施して障害者を減らす=中絶=社会的負担の軽減と言う論理で優性思想は語られ、正当化されてます。この論理構成なら障害者ケアを厚くすれば総費用は増えますから、検査可能な障害はいつでも中絶対象に国家はできます。ファッシズムでは国家が前面に出ていましたが、T4の反省から国家は背面にまわり、福祉に力を入れる善良な仮面をつけて背面に回りこむ形に優性思想は進化したのです。◎▽障害ははこんなにケアに金のかかる障害、周囲に迷惑をかける障害と間接的に宣伝(洗脳)できます。
私もそうですが、自殺願望を潜在的顕在的に持っている障害者は少なくないと感じています。そこに障害者はお金を社会的負担をかけ周囲に迷惑をかけていると間接的に密やかに耳元で語りかけられるわけです。優性思想は、当の障害者でも容易に「私の遺伝子を残したくない」といった自己否定する価値観となって内面化されることになると思います。
1997年の母体保護法の成立の際には、「リプロダクティブヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康・権利)の観点から、女性の健康等に関わる施策に総合的な検討を加え、適切な措置を講ずること」という付帯決議がされています。
その「リプロダクトライツの内容は、妊娠や中絶を主なテーマとする産まない自由、人工授精や体外受精を主なテーマとする産む自由、それから男女の別、知能の高い子や病気にかかる可能性の低い子供などの子供の特性を選択する権利などに分かれます」(参議院・共生社会に関する調査会)と、女性の自由権の一部として”子供の特性を選択する権利”と優性思想が入っています。
>個々人の選択に任されているのが現状ではないかと思います。
というのは、正確な状況認識だと思います。
このリプロダクトライツには、妊娠は女性だけで可能になるわけではないのに男性の姿が消えています。まず、妊娠するか否かかの決断する時点(産む自由、産まない自由)で、羊水検査などの時点(子供の特性を選択する自由)で、男性側の関与・意思は重要だと思います。しかし、成立の過程から仕方がないのですが男性の姿が消えています。
また、国家も姿を見せていません。昨今の労働環境の中で、産む自由を女性は行使しやすいでしょうか。障害は、身体的条件と環境条件の二つを独立変数として現象します。身体条件を変動させる医療への研究投資、医療行為への保険適用、環境条件では啓蒙や施設のバリアフリー化などへの社会投資などで大きく国家の姿勢が影響します。
>特別な教育や生活上の工夫(たとえば職業選択など)で比較的に社会生活を送る可能性
を国家は左右します。それが見えてきません。
つまり、妊娠、出産の社会的背景や人と人との「関わり合い」のなかでの意味などが捨象され「私」の子供を産む、「私」だけが強調されると思います。その結果「私」が私好みの子を産み、私好みに育てる、 [#27616] に書きましたが「私」が暴走している状況と判断しています。当事者の選択(=自己決定)による、優良な生を増やすという積極的優生思想が主、劣悪・不良な生を減らす「消極的優生」が従の時代だと認識してます。
私自身は「子供は親を選べないのだから、親が子供を選ぶべきではない」という考えですから、この時代認識とは全く逆です。ただ、これは私の考え、私の時代認識、いわばマイ・ルールです。そこで、この研究結果は、福音?凶報? と題して、皆さんの考えをお尋ねしたものです。
不本意にも
>アスペルガー児・者や関係者を(例えばマリアンヌさんのレス)、不用意に不安がらせる内容だと思います。
>むしろ魔女狩り的な?風評被害を恐れます。
と受け取られる拙い応答でした。お詫びします。
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