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▼SCB 伊藤さん:
はじめまして。発達障害の子を二人持つ母です。
>私は障害者の就労支援を行っています。障害者の就労は極めて厳しいのが現状です。企業の障害者雇用率も低い水準で推移しております。この様な中で一見して障害があるとは見なされない人達にとって、就労がかなったとしても、周囲の人達が障害に気づかず「仕事が出来ない。教えてもだめな人。」と思い込んでいる例が非常に多く見受けられます。なぜ この様なことが多発するのかと考えて見ると、アスペルガー・軽度発達障害・心身症等を隠して就労していないでしょう?たとえ軽度であれ、職場の同僚に理解してもらう事により、障壁が大変低くなり働きやすくなるのです。その為には、自らが「障害自認」「カミングアウト」しなければなりません。周囲の人達に自分を分かってもらう事により、職域も可能性も拡がるのです。
障害者の就労支援を行ってらっしゃるとのことですが、日々ご苦労さまです。
SCB 伊藤さんは、就労支援の立場に就かれて何年ぐらいなのかしら?
笛さんも書かれてますが、カミングアウト=理解を得られる…というわけでは無いんですよ。
人がそれぞれ性格も違うように、自閉症はその個人の性格の数だけ、
一人一人症状も違うし、また種類も様々。
それにあわせた支援を行う、ということは
一筋縄ではいかないと思うのです。
私は、母親で自閉症の子どもたちのことをよく知ってますから、
母親が、コーディネーター、サポーターとして、
支援していただける側に、「この子には、これこれこういう支援が必要とされてますので、ここに気をつけてくだされば」
と、お願いしていってるのですが
たぶん、成人当事者たちの多くは、そうした自分の苦手部分を、
自分で言ってくしかないのでしょう。
ですけれど、自閉症は自分のことを客観的に見るのが難しい障害ですし、
自分のことを第3者に教えるのに、正しく相手に伝えられないことも多いのです。
周囲から見て、「どこをどう見ても、この人はこれが苦手」
と、思っても、本人が一番そう思っていなくて「自分は、人よりそれが出来る!」
と、思い込んでたり、
「自閉症だから、こういうことが苦手かも」
と、憶測でフォローしようとすると、ぜんぜんその人にとって出来ることで、
出来ることをフォローすることによって、相手のやる気をくじいたり、
うちの子なんかは、そのタイプで、
本人の出来ること、やろうとしてることを「出来ないだろう」と、
手を出すと、もう大変!
パニック起こすし、かんしゃく起こすし、せっかくのやる気をしぼませてしまいます。
カミングアウトしたから、周囲が「では、自閉症だからこういう支援を」
と、簡単に行かないのがこの障害で、
そこのところが難しい障害でもあるんです。
ひとりひとり、オーダーメイドの支援が必要とされるので、
たぶん、自閉症に関わってその支援をしていこうとされるのならば、
たくさんの自閉症者の臨床経験を知って、
勉強していかなければならないと思うのです。
SCB 伊藤さんの、これからの活躍を期待しております。
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