|
私は障害者の就労支援を行っています。障害者の就労は極めて厳しいのが現状です。企業の障害者雇用率も低い水準で推移しております。この様な中で一見して障害があるとは見なされない人達にとって、就労がかなったとしても、周囲の人達が障害に気づかず「仕事が出来ない。教えてもだめな人。」と思い込んでいる例が非常に多く見受けられます。なぜ この様なことが多発するのかと考えて見ると、アスペルガー・軽度発達障害・心身症等を隠して就労していないでしょう?たとえ軽度であれ、職場の同僚に理解してもらう事により、障壁が大変低くなり働きやすくなるのです。その為には、自らが「障害自認」「カミングアウト」しなければなりません。周囲の人達に自分を分かってもらう事により、職域も可能性も拡がるのです。残念ながら障害者に職業選択の自由はないに等しいのです。日本が欧米並みに
障害者及び障害理解が出来る状態になるまで私達は待つ事はできません。障害者や支援者の中にも、障害者が出来る仕事を狭少にしか捉えてない人がいまだにに多数いるのが残念です。障害者にとって「今、現在出来ない仕事はこれです。」と言うべき所「この仕事なら出来ます」になってくるのです。「今、この仕事は出来ない」とは、仕事の手順・作業工程・サポート体制などがあれば出来る仕事は広がる
のです。障害者にとっても、新しい可能性と努力のしがいを感じる事になってきます。竹中ナミさんは、障害者(児)の事を「チャレンジド」と表しています。障害は個性ととらえれば常にチャレンジする事がより、自身の隠れた能力やスキルUPが可能となります。私も視覚障害者として生活しております。健常者の中には、障害者(児)に対して「かわいそう」とか「気の毒に」と考えている人達に、私達障害者は「かわいそう」な事は、全くありませんと常々発信しています。誤った障害者理解や無理解による言動が人権侵害につながるのです。私は、障害程度や種別に関わりなく「障害自認」と「カミングアウト」が出来る社会や職場に出て周囲の理解者を増やす事が「共生社会」への道のりに近づく事と信じます。
|
|