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▼クロムさん:
クロムさんは担任の先生に、自分が誤解されていると思われているようですが、私はクロムさんが先生を誤解しているように感じました。
それは、先生が仰った「いいから、いいから」を「障害だから仕方がないと受け流された」と感じたことです。
この場合の「いいから、いいから」は「もう気にしなくていいから」という意味だったのではないですか?
この時の状況を、クロムさん側からだけでなく、先生の心情も考えながら振り返ってみてください。
校外学習で出かけた以上、先生には「学生を無事に連れて帰らなければいけない」という責任がありますよね。
その学生の一人から「迷っている。自力では集合場所にたどり着けない。」旨の連絡があれば、先生にとっては緊急事態で、当然慌てます。
それは、クロムさんが”アスペであろうがなかろうが関係なく”です。
そして懸命にクロムさんを探し、見つけられないまま集合時間になり、先生は不安な気持ちで、必死でバスに戻ったとします。
でも、そこにはクロムさんの姿がありました・・・。
先生は、まずホッとしたでしょう。
その後で、もしかしたら「振り回された」という思いも多少は沸いてくるかもしれませんが、責任ある先生の立場からすれば、「見つかって良かった」という安堵の気持ちのほうが強かったのではないでしょうか?
そこにクロムさんから謝罪があったとすれば、「何はともあれ無事で良かった。失敗は誰にでもあることだから、もう気にしなくていいよ。」と、
先生はそう言いたかったのではありませんか?
クロムさんが言いたいことがたくさんあったように、本当は先生にも言いたいことはあったかもしれませんね。
けれど、先生は専門学校の先生であって親や友達ではありませんから、そこで責めたり叱ったりはできません。
そして先生は、クロムさんのことを他の人と同じ学生の一人として見ているからこそ、「(もう気にしなくて)いいから、今日のレポートちゃんと出してね。」という言葉に繋がったのだと私は思います。
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