|
▼penpenさん:
こんばんは、初めまして。
>グッド・ウィルハンティング、いい映画でしたね。
はい、これは今でも僕の一番好きな映画ですね。
>この映画はアスペルガー症候群のよい面に光を当てた映画ですが、
>同時に主人公ウイルの3人の友人の一人に典型的なアスペ、ADHDの少年を配しています。
あの3人の中のベン・アフレックではなくて、背の高い車の整備が出来る友達でもなくて、ハンバーガーをねだる友達のことですかね?
こればかりは脚本を書いた当人に聞いてみないと何とも言えませんが、僕は彼にはアスペの特徴が見あたらないと思います。むしろこれといってこだわりや得意なこともないのに友達と世間話をして怠惰な時間を過ごし、連むことによって自分を守っているという社会性を持ち合わせているので、彼は限りなく定型に近いと思います。
僕は先日もアメリカへ行って発達障害関係のミーティングにいくつか参加し、沢山の成人アスペの人達とも会ってきたのですが、アスペの人達には素人では分かりにくい言葉遣いや話し方の特徴があります。特に普通の日本人が英語圏のアスペ(アメリカではよくAspieと言います)の人達の会話の特徴をつかむには、それなりに英語力が必要になります。言葉遣いについても彼の場合はアスペの特徴を捉えているとは思えませんでした。あくまでも僕の意見ですが。
アメリカでのアスペや自閉症、発達障害に対する認識は、日本よりは多方面にわたって活発ですが、イギリスなどヨーロッパに比べたら偏りがあると思います。いまだに水銀化合物ワクチン原因説を信じている人が多いのには驚きました。それを言ったら水俣病患者の人達はみんなアスペになってしまいますよね。
自閉症のネガティブに捉えられる特徴は、そのほとんどが周囲の環境やセラピーによって改善できる症状です。例えば話すときに視線を合わせられないという特徴も、会話中に相手から発せられる非言語情報を言語情報よりも優先させてしまうアナログ思考により起こっているからです。
つまり相手の言葉よりも表情などから読み取れる相手の裏の人格を敏感に読み取ってしまうために、言葉と本音とどちらを受け取っていいのか混乱してしまうからです。幼いときからそれが繰り返されると、たいていの場合言語情報に従って判断した方が意思疎通が上手くいく場合が多いので、非言語情報の入力を防ぐために顔を見ることが出来なくなるのです。
それらはアナログの非言語情報を無視することでデジタル志向の社会に適応しようとした過適応状態なので、その過適応を修正する形で訓練すれば改善します。
これは最初にご紹介した新聞記事にも書いてありますが、一般的にネガティブに捉えられているアスペの特徴は、元々アナログ思考が得意でデジタル思考が苦手なマスペに対してデジタル思考の定型発達者を演じるように強いる環境があるからなのです。自分の本来苦手なことだけて生きていくように過適応してしまえば、それは当然普通の人に比べたら出来ないことも多いです。でも普通の人が苦手なアナログ思考の必要な分野では、普通の人では及ばない能力を発揮することが出来ます。つまりアスペの人が生きやすくなる方法とは、如何に得意なアナログ思考を駆使して社会に正常適応する道を探るかということなのです。
そのためには、以前も書きましたが如何に自分の潜在能力を信じることが出来るか、またはアスペのお子さんを持っておられる方々には如何にお子さんに潜在能力を信じさせるように育てるかということが重要です。潜在能力というのは学校の授業やテストなどで測れる能力ではないので分かりにくいかもしれませんが、算数が苦手なほうが数学者に向いているとか、理系でも作家になる人は多いということを考えてみてください。学校で求められるスキルというのはそれを職業とする人達にとっては必要ないどころか、むしろ邪魔になることさえもあるのです。一概に計算が苦手だから理系は無理だとか、話が下手だから人と関わる仕事が無理だとか言えないところに潜在能力を測ることの難しさがあるのです。
他の映画についてですが、ご紹介くださった二つは僕は見ていないので何とも言えません。今度機会があったら見てみようと思います。ありがとうございました。
他にも紹介したい映画はあるのですが、説明が長くなりそうなのでまたの機会にします。
Ryu
|
|