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ジンさん
お久しぶりです。
>とある国立大学の病院で医師は「小さいころは確かに君は自閉症だった、しかし、自閉症は大きくなれば個性に変わる」といわれました。どういうことでしょうか?
医療機関にかかられたのですね。ジンさんが、周囲のみなさんと良い関係を作っていきたいと願っておられることがよく伝わりました。この館でのやりとりがジンさんのスキルトレーニングになるといいな!と思います。
お医者さんがおっしゃられたことについてですが、高機能広汎性発達障碍(AS)の場合、このホームページのトップで管理人さんが書いておられるように、個性のひとつだというとらえ方もできるということではないかと思います。
実際に、毎日の生活になにも支障がなく、周りを支配して日々をすごしておられる方の中にアスぺの傾向があるなぁと感じられる方もいらっしゃいますし、あるいは周囲の方がその障碍の特性をよく理解していて、その方が自己肯定感をそこなわずに日々を過ごしておられる場合もあるのではないかと感じます。強いこだわりや頑固さが、その人の愛すべきキャラクターとして周囲に受け入れられるか、受け入れられないかも大事な要素かもしれません。
人間の個性とは、もともと(元来)もって生まれた先天的な性質、そして性格とは育ってきた環境によって後天的に形成されるものというとらえ方が一般的です。
神経質で周囲の様子にとても敏感
のんびりしていて、あまりこだわらない
感覚がするどい
頭の回転が早い
など、生まれ落ちたその時から、なにがしかの特徴(個性)をもっているのだと思います。その個性の幅がキーポイントなのかもしれません。
・自分自身がとても生きにくさを感じる
・周囲の人たちがとても困ってしまう
ほどの極端な個性である場合に、やはり少し、発達障碍の専門的なフォローが必要になってくるのではないかと思われます。
アスぺ元来の特徴的なことはなんだろう?と調べてみました。
(のび太・ジャイアン症候群4)という本に箇条書きになっていましたので、抜粋します。
・その場の状況やルールを理解していないときに動き回る。
・好きなことには集中するが、興味のないものに対しては集中できない。
・待つことができない。状況を読めないので、突然の思いつきで動いているようにみえる。
・非常に風変わり、一方的、冗長で無神経な方法で他者と関わろうとする。または、他者に言われるままに動く、自分の気持ちをうまくあらわせない。
・興味の幅が狭く、深い。興味をもったものの情報や事実を集めることに没頭する。
ジンさんはいかがですか?
当てはまることがありますか?
保育の仕事をしておりますが、ASかもしれない?と思われるお子さんの場合、観察していると頭の中でいつも「???」が渦巻いているように感じられます。
自分はよく考えて行動しているのに、友だちはどうしていやな顔をするんだろう?
自分の中で理論(筋道)と周りとがどうやら違うらしいがそれがよくわからない・・。
いつもかけられる言葉は
「だめって言ったでしょう」
「どうしてそんなことをするの?」
という叱責や、友だちの冷たい視線、無視・・。
本当の気持ちを安心して言葉にするチャンスがないことが多いようです。気持ちを代弁してまわりの友だちとの間を橋渡しする存在が必要です。(そしてこれは、障碍に関係なく幼い子ども全てに必要なフォローです。)
>そして、失われた信頼は自閉症を理解してもらうことで時間をかけてでも取り返すことは出来るのでしょうか?どなたか教えてください。
ジンさんは幼児ではなく、もう大人の部類にはいるわけですから、自分のことを周囲の人に理解してもらうことが必要になってきますね。
さて、ジンさんがおっしゃる「自閉症を理解してもらう」ということの意味を考えてみると、上記のような特徴的なことをASという障碍のせいだからなんとか理解して、しかたないことなんだと受け入れてくれないだろうか?ということのように私には感じられましたが、本当のところはどうでしょう?
自分が誰かに対して異性か同性かに関係なく「いい人だな〜」「この人が好き」という思いを持つ時はどんな要素があるかなぁ?と自分視点で考えてみました。
すぐに怒ったりどなりちらしたりしない人
笑顔が素敵な人
人の話をゆっくり聴いてくれる人
親切な人
自分勝手でない人
誰かに迎合するのではなく自分の意見を持っている人
私はこういう人が近くにいたら、好意をもち、友だちになりたいと感じ、心から尊敬し、信頼すると思います。
微妙な言葉のあやになってしまいますが、ジンさんが初め感じていた周囲の方との信頼関係というのはもしかすれば一方的に周囲の人の我慢で成り立っていたものではないかということです。
相手から嫌われてしまった、無視されているという原因が自閉症のせいだから、なんとかもういちど関係を修復してもらえないか?というのはやはり、自分のことだけしか考えていないように感じられます。
相互的な信頼関係でない以上、そのアプローチは有効だとは言えないでしょう。
私も欠点だらけの人間で、いろいろ失敗します。失敗にきがついたら、言い訳しないで、まずは「ごめんなさい」が大事だと思っています。逆に、友人が不適切な行動や態度、言葉があった時に「自閉症だからしかたないんだー」という説明をされると、理解するどころか、ますます気持ちは遠のいしまいます。
相手の女性が自分を無視するのは、すべて自分の自閉症のせい・・。自閉症のことを理解してもらえればきっと自分を好きになってもらえるかも?という思考回路がジンさんの中でぐるぐる回っているように思いました。もしそうでしたら、その思考のパターンをいちど壊す必要があると思います。
忠告してくれる人を大事にしながら、自分がなりたいと思う自分の姿に向かってこつこつと努力していくことが一番大切なことなのではないかな〜?と感じます。時には厳しい言葉を言ってくれる人に対して、その人の言っていることをゆっくりかみしめてみる・・。自分自身を成長させるよいチャンスになると思います。ジンさんもそんな存在の人を大切にしてくださいね。
長くなってごめんなさい。
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