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クロム様
お初にお目にかかります。
AS当事者のPOLINECIAと申します。
非常に根源的な問いであると思われ、
思わず投稿をしてみたくなりました。
以降、乱文失礼いたします。
▼クロムさん:
>掲示板でもコミュニケーションをとるには、
>言い方がわるいですが、
>「嘘でも」つまり、「不確かでも」
>とりあえずは共感的と思われる表現をした方がいいのでしょうか?
>それは、不誠実には当たらないですか?
まず、コミュニケーションの技術的なお話からしてまいりましょう。
よく、説得やアドバイスなどを生業(なりわい)にする者は、
古臭い言い方をすれば知・情・理の3つをうまく活用しなさい
と教わります。
1.知…科学的な事実や知識に裏打ちされた説得
2.情…相手の感情を汲み、共感を示しながら行う説得
3.理…法律・人権・倫理など事実に基づく善悪判断による説得
1.〜3.のうち、
どれが他よりも特に重要ということはございません。
ただ、相手によってどの説得の仕方が受け入れやすいものなのか、
あるいは反発を招くのかは変わってまいります。
おそらく、ここまでのコメントの書き方を見る限り
クロムさんのアドバイスの書き方は知や理による説得を
受け入れやすい当事者さん・保護者さんには
極めて理解しやすく納得しやすいものであると思われます。
一方で、何よりも情を重視するタイプの人々は
クロムさんのアドバイスに反発する場合もあるかもしれません。
このタイプの人々は事実がどうであるかよりも、
相手の気持ちを損なわないこと、
相手の心に寄り添うことを大切にするからでございます。
ま、相手の性質によって知・情・理をうまく使い分けて、
アドバイス・説得を行うのが理想の境地かもしれませんが、
ASの当事者さんに限らず、
1.〜3.の説得技術を身につけているとは限りません。
全部身につけるというのも一つの考え方かもしれませんが、
自分がやれるアドバイス・説得の方法だけを
採用されていくというのも考え方でございます。
もちろん、それによってどうしてもクロムさんとうまく合わない
相手というのも出てくるでしょう。
(なんせ、1.〜3.の技術全てを身につけていても、
八方美人だという非難を浴びる人はいる訳なので)
しかし、ASでなくとも
誰とでも仲良くできる人など皆無でございますから、
それでいいという考え方は成り立ちます。
トラブルが拡大しないようにするための工夫としては、
相手が自分のアドバイスや説得に反発を示してきた時は、
「あ、この人は自分の説得の仕方が合わない人なんだな」
と理解して、話を終わらせてしまうことでございます。
もちろん、多少トラブルになったとしても、
相手の発言に対してどうしても許しがたい怒りを感じている時は、
はっきりと抗議の声をあげることが
大切な場合もございますが、
>実はわたし自身は、
>例えば自分の困った体験を話した時に、
>「つらかったねぇ」とか言われると、
>私の全ての要素を話してないのに何でそんなこと言うんだろう?
>と思ってしまいます。
>というか、共感されたくて話をしていないです。
「自分が嫌なことは相手にもするな。
自分がうれしいと思ったことを相手にもしなさい。」
という相互原理的な考え方が
今でも人間のコミュニケーションの世界には根強うございます。
ところが、自閉の当事者さんが
他とは異なる嗜好を持っている部分もやはりあるのであり、
相互原理的なコミュニケーションが馴染まない場合もございます。
その場合、本人は周囲の人々に対して虚偽を働いているような、
嫌悪感を味わうこともあろうかと思います。
あるいは、他人は嘘でも共感を示すことがある
と知っている当事者さんは
相手の態度を欺瞞的なものと体験されることになるでしょう。
(つーか、あたしがそうか)
あたし自身はそういう感性の人間がこの世界にいて
一向にかまわないと思っているんです。
そのために友人の数や種類が限られてしまうこともあるでしょうが、
仕方がないかと割り切ってしまえば、
それまででございます。
あとは、他者の干渉を防ぎ、
自分の感じている世界を大切にしながら生きていくためには、
どんな工夫をしていけばいいのか?
それだけを考えていけばいいのではないでしょうか?
以上
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