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▼右京さん:
管理人の秋桜です。療育経験のある当事者で、成人後は言語聴覚士(ST)として医療現場や行政機関等で働いてきました。今は体調を崩したので療養しながら不定期の仕事をしています。
正直疑問に感じる点がたくさんあるので、いくつかに分けて書きます。
1.ネット上での質問紙について
まずやられた質問紙はどの位信頼性や妥当性があるものなのでしょうか?医療機関や教育センターなどで行われる心理検査や知能検査を作る際には標準化という作業が欠かせません。
これによって質問が適切なのか、こちらが意図した尺度で質問できているのか、偏りがない結果が出ているのか、といったことを検討します。
そういった検査は時間も手間もかかっていますから一般的には著作権があります。そのためネット上では公開できないものばかりです。
また、検査によってIQの定義は違います(田中ビネー検査のIQとウェクスラー式知能検査でのIQでは知能に対する考え方自体が異なります)。
そのサイトでのIQがどのようなものか分からないと医療機関で行われているIQと同じと尺度だとは言いきれないと思います。
2.知識と実際の行動について
>アスペルガーの方は、IQが高くEQが低い傾向があると、何かの本で読んだことがあるのですが、僕の場合は正反対でした・・・
先ほど触れたように、どのような尺度での検査か分からないのでサイトでの結果だけを信頼するのはどうかと思います。
確か右京さんは以前ドクターの見解の違いがあるといったことをこちらに書き込まれていましたよね。
なぜ自分がASなのか疑問に感じているのかをドクターに説明できていない、そしてドクターの話を自分がどこまで信用していいかを医療側の人間とコミュニケーションができていないことが問題だと思いました。
>ASの方はよく、行間が読めないとか、暗黙の了解がわからないとか、書かれているのですが、思いっきり暗黙の了解などわかります・・・
>ただ、わかっていながらそれを破るのが好きという、どうしょうも無い一面があるのですが・・・
私としてはこちらの方が社会生活を送る上で支障になると思いますが…。ASの人たちは理論上これが正しい、といったことは分かっている人は多いです。ただそれを実際の社会生活の中でできなくてトラブルになっているケースは結構いますよ。
私が担当していたケースでも「自分より上の立場だ」とみなした相手に対して反抗して相手を困らせる、相手に怒られることがパターンになっていたことがありました。そういうケースに対しては「別にこっちは困らないし、そういうことをやって結果として困るのはあなたですよ」といった毅然とした態度を取って対応する必要がありました。
私は慣れているし、理由もわかるので別に仕事だと思って割り切っていましたが、とにかく何かにつけて絡んでくるので、実際周りの人が大変そうでしたよ。
ASかどうか、というよりもそういう対人関係上の問題をどうしたいと自分が思っているのかを考えた方が今後のためになると思いますが、いかがでしょうか。
3.全体を通しての感想
右京さんの他のレスも読んでみましたが、私から見るとどうもご自分のことを客観視できていないような印象を受けています。
自分が思っていることがどれ位第三者の視点から見て適切かどうか、といった確認作業を専門家と一緒に行ってみることが大事だと思います。
そもそもご自分のことをどの位適切に専門家に伝えられているのか、一度確認してみたらいかがでしょうか。こちらに書かれていることを全部先方に伝えていますか?自分の心の内をその人に分かるようにコミュニケーションする努力をしていますか?
確かに相談できる時間には限りがあります。でもこのサイトに書いたことを印刷して持っていく、要点を絞って話をする、体の調子などを手帳に記録して見せながら話をする、といった工夫をするだけでも医療者側としては参考になるのです(中には他のところで相談されたことにショックを受けてしまう人もいるかもしれませんが)。
私の主治医は発達障害の専門医ではありませんが、体調に関してはこちらができるだけきちんと伝えるとそれに対して耳を傾けて聞いてくれますし、発達障害に関してこちらの方が詳しい、ということも理解してそれに配慮した対応もしてくれています。
でもそれはお互い相手を理解しよう、そして少しでも私の体調をよくしていこうという気持ちがあってそれを表現する努力を医師も私もしているからできることなんです。そういう関係を築けるかが、右京さんが今抱えている悩みを解決する第一歩だと思います。
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